創業にはまとまったお金が必要になります。補助金や助成金を活用して、少しでも足しにしたいという人も多いのではないでしょうか。
補助金・助成金は、融資のように返済する必要がないため経営者にとってメリットが大きく、ポイントをおさえれば採択率をアップさせることも可能です。
この記事では、これまで多数の補助金獲得を支援してきたドリームゲートが、補助金を獲得するための注意点やポイントを解説します。創業時に活用できる6つの補助金や助成金、各自治体が行っている創業支援制度についても紹介します。
この記事を参考にして、補助金・助成金を効果的に活用してください。
- 目次 -
補助金・助成金の違いと補助金申請フロー
これから起業する人にとって、資金繰りに余裕を持たせるためにもぜひ活用したいのが補助金や助成金です。補助金と助成金は性質が異なるものですが、違いがよく分からないという人も多いのではないでしょうか。
ここでは、補助金・助成金の違いと一般的な補助金申請フローについて確認していきます。
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補助金・助成金の違い、融資と何がちがう?
補助金と助成金は、両方とも国や公共団体から支給されるお金のことです(一部民間団体が設置している場合もあります)。融資は返済する義務がありますが、補助金や助成金は返済の必要がありません。
補助金と助成金の大きな違いは、「審査があるかどうか」です。助成金は要件さえ満たせば必ずもらえるものが大半ですが、補助金はあらかじめ予算や件数が決まっており、応募が多い場合には審査が行われます。採択予定が10社の補助金に30社の応募があれば、20件は審査で落ちてしまうのです。
補助金を受給するためには、審査に通る応募書類を作成することがポイントとなります。
補助金・助成金のメリットとデメリット
補助金・助成金の最大のメリットは「返済不要」であるということです。
融資の場合だと、借入金の返済が資金繰りを圧迫することも考えられますが、補助金・助成金にはそのような心配がありません。
補助金・助成金のデメリットは、「情報が探しづらい」ことと、「前払いを受けられない」ことです。
行政の補助金・助成金には申請から受け取りまで多くの工程があり、それぞれで申請時期が異なります。種類が豊富で応募期間もまちまちなため、自分に合った補助金・助成金の募集情報の入手が困難です。
また、補助金・助成金は応募時に提出した計画書どおりに事業を行い、支払いが済んだ後に報告書を提出してお金を受け取るという流れです。ある程度手元資金に余裕がある場合でないと利用しづらいという風に理解しておきましょう。
補助金申請から獲得までのフローと注意点
補助金の申請から獲得までは、おおむね次のフローで進行します。
- 公募
- 交付申請
- 審査
- 事業報告書提出
- 入金
まず、自治体などから補助金の公募要領が発表されます。制度の趣旨や目的、補助対象事業者、補助対象となる費目などが具体的に記されているので、応募資格があるかよく確認しましょう。
公募が始まったら、応募書類を作成して交付申請を行います。審査は書類にもとづいて行われるため、説得力のある応募書類を作成することが欠かせません。とくに事業計画に関する書類は重要になるため、しっかりと作りこむことが大切です。
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審査を通過したら、事業計画にもとづき事業を行います。原則として「採択された日」以降が事業をおこなってもよい期間となり、採択前におこなったものに関しては補助金の対象となりません。急いでいる場合はうっかり事業を開始してしまいがちなので気をつけてください。
事業計画に記載した内容が完了したら、事業報告書を提出します。問題なく事業が行われたことの検査が完了すると、ここではじめて補助金が入金されることになります。補助金は「後払い」となるため、補助金事業をおこなっている間は立て替えが必要になることに注意が必要です。
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創業時に活用できる4つの補助金
創業時に使える補助金を知りたいという人のために、創業時に必ずチェックしておきたい補助金を4つご紹介します。いずれもよく知られた補助金ですが、使いやすさや上限金額はそれぞれ異なります。補助金に関するくわしい情報は変更されることもあるため、リンク先もあわせて参考にしてください。
小規模事業者持続化補助金
働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等できびしい状況に立たされる小規模事業者を支援するための補助金です。販路拡大や業務効率化に必要な資金が支援の対象となります。
補助対象者:商業・サービス業、製造業その他の業種で小規模な事業者、個人事業主
補助上限:200万円(創業枠)補助率:2/3
対象経費:広告費やWEB関連費などの販路拡大や業務効率化のために要する費用
スケジュール:公募要領公開 2022年3月22日
申請受付開始 2022年3月29日
申請受付締切(予定は変更の可能性あり)
第10回 2022年12月上旬
第11回 2023年2月下旬
くわしくはこちらのウェブサイトをご参照ください。
IT導入補助金
中小企業や個人事業主がIT化を進めるための補助金です。ITを使って経営課題や弱みを克服し、業務効率化や売上アップを実現することを目的としています。
補助対象者:中小企業、個人事業主(飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等も対象)
補助上限:150~400万円(通常枠)
補助率:1/2
対象経費:ソフトウェア購入費、クラウド利用料、導入関連費など
スケジュール:7次締切 2022年10月31日
7次交付決定日 2022年 12月6日
8次締切 2022年11月28日
8次交付決定日 2023年 1月18日
くわしくはこちらのウェブサイトをご参照ください。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業や個人事業主がサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善のために使える補助金です。
補助対象者:中小企業、個人事業主
補助上限:750万円~2,000万円(一般型)
補助率:1/2もしくは2/3(枠・類型や従業員の人数によって異なる)
対象経費:新商品開発、新たな生産方式の導入、新サービス開発などにかかる経費
スケジュール:12次申請開受付 2022年9月1日
12次申請締締切 2022年10月24日(月) 17時交付申請締切
くわしくはこちらのウェブサイトをご参照ください。
事業承継・引継ぎ補助金
事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継を通じてビジネスの成長や経営革新を目指す中小企業、個人事業主を支援するための補助金です。
補助対象者:中小企業、個人事業主
補助上限:150~600万円(類型により異なります)
補助率:2/3
対象経費:使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
スケジュール:3次申請受付期間 2022年10月上旬~11月下旬
3次交付決定日 2022年12月下旬(予定)
4次申請受付期間 2022年12月下旬~2023年2月上旬
4次交付決定日 2023年3月中旬(予定)
くわしくはこちらのウェブサイトをご参照ください。
創業時に活用できる2つの助成金
要件を満たせば原則的に利用できる助成金にも、創業時に活用できるものがあります。創業時によく利用されている助成金から2種類紹介しますので、要件が合う場合はぜひ利用を検討してみてください。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、非正規雇用の従業員を正社員雇用に転換または直接雇用した場合や、非正規雇用でも賃金を一定額増額したり、賞与・退職金制度を創設したりした場合に受給できる助成金です。創業時に従業員を雇用する予定がある場合は、利用できる可能性があります。
助成対象者:雇用保険適用事業所の事業主(その他要件あり)
受給額:有期雇用から無期雇用に切り替えた場合1人あたり57万円
有期雇用労働者等に関して賞与・退職金制度を新たに設け、支給または積立てを 実施した場合に1事業所あたり38万円
(ほかにもさまざまなコースがあり、従業員の人数などによっても助成額は異な ります。)
スケジュール:実施日の前日までに「キャリアアップ計画」を提出、取組後6ヶ月経過して 助成金支給申請をおこなう
くわしくはこちらのウェブサイトをご参照ください。
人材確保等支援助成金
人材確保等支援助成金は、人材の確保・定着に向けて従業員が働きやすい環境を整備する取り組みに対して支給される助成金です。
コースが複数あり、建設事業者が助成や若者が働きやすい環境を整備する「若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)」、外国人が働きやすい環境を整備する「外国人労働者就労環境整備助成コース」、テレワーク対応をおこなう「テレワークコース」などから利用するものを選ぶ形になります。
テレワークコースの場合、概要は次の通りです。
助成対象者:テレワーク勤務を新規に導入する事業主、試行的に導入している又は試行的に 導入していた事業主
受給額:100万円または20万円×対象労働者数 (機器導入助成の場合)
スケジュール:テレワーク実施計画を提出・認定されたのち事業開始。提出期限は未公表。
くわしくはこちらのウェブサイトをご参照ください。
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自治体による補助金・助成金
自治体による補助金や助成金は無数に存在します。ここでは代表的なものをいくつかピックアップして紹介しますが、創業予定の都道府県や自治体が実施する補助金については一度調べてみるとよいでしょう。(本年度はすでに応募が終了したものも掲載しておりますが、来年度も募集があるかもしれませんので参考にしてください。)
こちらのウェブサイトには都道府県別の補助金・助成金がまとめられています。
【東京都】創業助成事業
都内で創業予定、または創業して5年未満の中小企業者に創業資金を助成するものです。次の条件のいずれかに該当する必要があります。
助成限度額:300万円
助成率:2/3
助成対象経費:創業初期に必要な経費(賃借料、広告費、備品購入費、専門家指導費など)
【愛知県】あいちスタートアップ創業支援事業費補助金
愛知県で起業や事業承継する事業者を対象にした補助金です。2022年度の募集は終了しているので、2023年にどのような形で実施されるのか発表を待ちたいところです。
補助上限:200万円
補助率:1/2
補助対象経費:人件費、店舗等借料、設備費、原材料費、謝金、旅費、マーケティング調査 費、広報費、外注費、委託費など
【千葉市】千葉市創業支援補助金
千葉市で創業する事業者に支給される補助金です。創業資金として幅広く利用できる補助金となっています。
補助上限:30万円
補助率:1/2
補助対象経費:申請書作成費用、工事費、設備費、広告費など
【福島県】福島県創業促進・企業誘致に向けた設備投資等支援補助金
原子力災害で甚大な被害のあった12市町村で創業する場合に利用できる補助金です。帰還困難区域や特定復興再生拠点区域と、それ以外の地域の場合とで補助上限額や補助率が異なります。
補助上限:1,000万円(帰還困難区域、特定復興再生拠点区域以外の地域の場合)
補助率:2/3(帰還困難区域、特定復興再生拠点区域以外の地域の場合)
補助対象経費:人件費、設備費、施設等購入・借入・整備費など
【長崎県】創業支援金
長崎県内で、地域課題を解決する社会的事業をおこなう場合に利用できる補助金です。補助金事業は要綱で規定する社会的な事業である必要があるため、くわしくは下記ウェブサイトをご参照ください。
補助上限:200万円
補助率:1/2
補助金・助成金の活用例
いくつかの補助金・助成金の導入事例を紹介します。
【飲食店】IT導入補助金を活用して混雑緩和&ミス解消
補助金活用前はホールスタッフが対面でオーダーを取り、会計も手作業でおこなっていたので、伝達がうまくいかないことによるタイムロスやミスがしばしば発生していた。IT導入補助金を使ってセルフ注文・会計システムを導入したところ、待ち時間やミスの解消につながり、顧客単価や回転率もアップした。
【農業】ものづくり補助金で栽培設備を導入し、トマトの品質・収量改善
市場を介さない小売りとの直接取引が強みのため、安定して高品質のミニトマトを作り続ける必要があった。そのため、ものづくり補助金を活用して日照や温度・湿度などをコントロールできるハウス内の環境制御システムを導入した。
ものづくり補助金は事業計画の革新性を重視する傾向があるため、革新的なビジョンとストーリーをアピールする事業計画書を作成した。農業は一見してものづくり補助金と結び付けづらい業種であるが、計画をしっかり作りこむことで補助金を獲得できたいい事例である。
補助金活用には明確な事業計画が必要
この記事では、さまざまな業種で使える補助金を具体的に紹介してきました。創業時は資金調達や開業準備などやるべきことが多く、なかなか補助金や助成金の申請にまで手が回らないかもしれません。しかし、融資と違って返済が一切不要であり、創業時に利用できれば資金繰りの手助けになることは間違いないでしょう。
補助金は申請すれば100%採択されるものではありません。補助金によっては採択率が30%程度しかないものもあります。審査を通過するには、完成度の高い事業計画書を作ることが重要です。
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会員登録すれば無料で使えるだけでなく、作成したデータをダウンロードしてプリントアウトも可能です。ブラウザ上で操作するだけなので、書類づくりが苦手な人でもかんたんに計画書が作成できます。ぜひお試しください。
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執筆者プロフィール:ドリームゲート事務局 月見里
ドリームゲートは経済産業省の後援を受けて2003年4月に発足した日本最大級の起業支援プラットフォームです。
運営:株式会社プロジェクトニッポン
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