「ボーナスはもらったけど物価も高くなって、日本もアメリカも政治が混乱していて、株も為替もわからないことばかりだし、今さら起業って言っても人手不足で大変らしいし、AIなんて作れない普通の人に、ビジネスチャンスなんてあるの?」
起業を考える多くの人から、こんなご相談(愚痴!?)を受ける機会が増えています。
2025年も、AIやテクノロジーがさらに進化し、私たちの仕事に影響を与えることは間違いなさそうです。セルフレジなども、あっという間に日常の風景になりましたね。(私はどうにも面倒で苦手なのですが、、、)
デジタル活用、システムの導入によるリストラ、人材再配置が進めば、一方で、人間らしさやアナログ、リアルな体験への回帰も見直されていくことになります。私たち人間は、やはり、温もりや手ざわりのない世界で生きることはできないからです。スモールビジネスはその狭間でこそ輝き、チャンスを掴むことができるのだと思います。
こんにちは、ドリームゲートアドバイザーを務めております新井一(あらいはじめ)です。
会社員のまま小さく起業できるコミュニティサロン「起業18フォーラム」を運営し、日々起業支援の現場で数々のビジネスチャンスを見ています。
今回も、トレンド予測コラムを担当させていただけることになりました。私が日々接しているスタートアップの現場で感じている「2025年・スモールビジネスの景色」について、私なりにお話しさせていただきたいと思います。
- 目次 -
2025年:AIと人間らしさが共存する時代のスモールビジネス
2025年は、起業を目指す人にとって、今まで以上にチャンスと課題が交錯する年となると考えます。2024年に続き、AI技術の進化はすさまじいものがあり、個人が低コストでビジネスを始められる環境が整いました。もはや、デザインも作文も、プログラミングも、ちょっと生成AI を使えればプロに依頼する必要がなく、自分で準備できてしまいます。ノーコードツールを活用すればシステムを組むことも容易で、そのサポート関連ビジネスも活況を呈しています。
団塊世代が75歳以上となる2025年には、シニア市場がさらに拡大します。健康、美容、アンチエイジングなども、高齢者をターゲットにしたAIアプリやサービスが大きな需要を生むことになるはずです。
しかし、その一方で課題も多く存在します。大企業社員と円安の恩恵にあずかれない産業に属する人々の賃金格差は大きく、長引く物価高の影響を受けている人も少なくありません。また、起業への参入障壁が下がるほど競争は激化するわけで、ネットショップやスキルシェアといった分野はすでに飽和状態です。特にスキルシェアにおいては、副業従事者、フリーランスの増加とAIの普及で単価は下落する傾向にあり、撤退する人も増えています。
こうした状況の中で、スモールビジネス実践者が勝ち残るためには、AIを駆使するだけでは足らず、信頼やリアルな体験、居心地の良さ、アナログ、手ざわりといった、「人間にしかできない温かみの価値」を提供することが求められます。
つまり、「効率化ともうひと手間」が2025年のキーワード。空けた時間を使って、もう一段上の温かさを。その追及が勝利を呼び込びます。
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2025年:個人で対応できる需要はこんなところにある
1. SNS運用サポート事業
日々、ネット広告、SNSの情報が溢れかえり、疲れている人も多いと思います。ですが、2025年も、スモールビジネスをするのなら、SNSを無視するわけにはいきません。オンライン主体のビジネスのみならず、カフェや美容室、飲食店などの地域に密着する業種でも、新規参入者にとって、SNS活用は必須と言えるでしょう。
しかし、これが簡単ではありません。何を投稿するのか、誰に向けて、いつ、どんな言葉で、、、実際やってみると、簡単には人々が反応してくれません。続けるのも一苦労です。システムがあっても使うのは人間。継続運用のサポートは、シニア起業が流行るほど、需要も増えていくはずです。
2. 高齢者向け便利屋
高齢者の一人暮らしが増えるほど、日常生活のサポート需要が高まります。庭の手入れや家事代行、家具の組み立て設置、電球の交換、スマホやパソコンの使い方をサポートする、飼い主と共に高齢化するペット向けサービスなどは、都会の独居シニア層にとって必要不可欠です。
シニア向けビジネスは、「シンプル」が成功のポイントになります。サブスクで何でも頼めるなど、簡単な商品設計にすることでクチコミが起こりやすくなります。マンションの老人会で、「あの人いいよ」などと話題になれば、たくさんの人に利用してもらえるでしょう。
3.アップサイクル商品の販売・プロデュース
メルカリなどを始めとするリサイクル・サステナブル市場は変わらず活況ですが、メーカーとしては新品が売れる機会が減ることでもあり、生き残りをかけた新たな戦略が模索され続けてきました。これは大企業はもちろん、ハンドメイド作家にとっても同じことです。そこで注目を浴びそうなのが、「アップサイクル」。アップサイクルとは、廃棄予定だった素材、未利用資源に手を加えて、新たな価値を見出して再利用することを指します。
2025年は、地元産業から出る廃材や未利用資源をリメイクした「アップサイクル地域名産品」を生産するなど、従来の価格、品質、デザインへのこだわりに加え、地域課題、地元の環境問題に着目する生産者、プロデューサーが増えると予想しています。コスト面で競争力に劣る分、行政の補助や支援が期待されるところです。
2025年:スモールビジネス成功のポイント
2025年のスモールビジネスの成功には、特に以下の2つが重要になると思われます。
まず、これまで以上の柔軟性を保つことです。政局が極めて不安定であり、アメリカも、もうしばらくの間は、どうなるか様子を見なければなりません。パンデミックの時のようにはならないと思いますが、急な為替変動、金利上昇、物価加熱など、例年に比べてさらに予測が難しくなっているのは、多くの皆さまもご理解いただけていることと思います。
次に、より「自分だけの特別感」を重視するようになる消費者のニーズを満たすことです。前述しました通り、「もうひと手間」を怠らないことが求められます。ですが、私たちは、簡単に人員を増やせない、時間もない状態です。これまで以上に、業務に生成AIを活用するなど、必要な業務に割く時間の確保に優先的に取り組む必要があるでしょう。
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まとめ:2025年は、変われれば勝てる、変われなければ停滞する
2025年のビジネスのキーワードは、効率化ともうひと手間、つまり、働き方(業務)を変えなければならないということです。従来の時間の使い方では、大事なことをする時間が取れず、競争に負けてしまう。そんなことを実感する厳しい年になるでしょう。
しかしながら、年始早々、暗い話ばかりではありません。何かが変わる時には、そこに歪が生まれ、サポートを必要とする人がたくさん出てきます。その需要にうまく入り込めば、たくさんのビジネスチャンスを手にすることができるはずです。
変化が早い時代だからこそ、柔軟さが求められます。こだわりを捨て、新しい商品、新しい働き方を生み出していきましょう!
スモールビジネスの第一歩、チェックポイントについて知りたい方は、拙著「起業神100則」も参考にしてみてください。
2025年、飛躍しましょう!
執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 新井 一
(パーソナルビジネスブレインズ・コンサルティング事務所 代表)
起業18フォーラムの代表を務められている新井アドバイザー。会社員時代に起業した経験をもとにしたアドバイスは多くの支持を得ております。
2007年から独自のマーケティング理論を基にした集客メソッドを公開。全国で1,000回を超えるセミナーや10,000件以上の相談に応じるなどの実績を豊富にお持ちです。
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