小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や業務効率化(生産性向上)に取り組む小規模事業者等を支援する補助金で、現在第13回公募が受付中です。補助金の交付額は特例に該当すると最大250万円になる可能性があります。第13回公募の締切は、2023年9月7日となっています。ただし、実質的な締切は、事業支援計画書の受付締切である2023年8月31日となるため注意してください。
当記事では、小規模事業者持続化補助金の概要とスケジュールなどについて解説します。
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参考)小規模事業者持続化補助金
- 目次 -
小規模事業者持続化補助金の概要
公募回数はすでに13回を数えていますが、今回はじめてこの補助金の存在を知った方もいるのではないでしょうか。そのため、当記事ではいちから本補助金の概要を説明します。
補助金の目的~今後直面する制度変更に対応するために
小規模事業者持続化補助金の目的は、小規模事業者等が、今後相次いで直面する制度変更に対応するために取り組む、販路開拓や業務効率化(生産性向上)を支援することにあります。直面する制度変更とは、小規模事業者等の経営上の大きな課題となっている物価高騰、賃上げ、インボイス制度などが該当します。販路開拓や業務効率化(生産性向上)の取り組みの具体例は、後ほど紹介します。
補助金の対象者~小規模事業者等とは
補助金の対象者となる小規模事業者等とは、以下の1から5のすべての要件に該当する個人法人です。
1 「株式会社や合同会社などの会社および会社に準ずる営利法人」または「個人事業主」または「一定の要件を満たした特定非営利活動法人」で常時使用する従業員数が以下の要件にあてはまる
- 商業・サービス業:5人以下
- サービス業のうち宿泊業・娯楽業:20人以下
- 製造業そのほか:20人以下
2 資本金や出資金が5億円以上の法人に直接または間接に100%の株式を保有されていないこと(法人の場合)
3 確定している(申告済みの)直近過去3年分の、各年または各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
4 下記3つの事業において採択を受け、補助事業を実施した場合、各事業の交付規程で定める様式の報告書を原則本補助金の申請までに受領された者であること
- 小規模事業者持続化補助金(一般型)
- 小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)
- 小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)
5 小規模事業者持続化補助金(一般型)において、「卒業枠」で採択を受けて、補助事業を実施した事業者ではないこと
どのような取り組みを補助するのか~販路開拓や業務効率化(生産性向上)の具体例
補助対象となる販路開拓と業務効率化(生産性向上)の具体例を紹介します。以下が補助事業になります。
■販路開拓の具体例
- 新商品を陳列するための棚の購入
- 新たな販促用チラシの作成、送付
- 新たな販促用PR
- 新たな販促品の調達、配布
- 国内外の展示会、見本市への出展、商談会への参加
- 新商品の開発
- 新商品の開発にあたって必要な図書の購入
- 新たな販促用チラシのポスティング
- 国内外での商品PRイベントの実施
- 新商品開発にともなう成分分析の依頼
- 店舗改装
■生産性向上の具体例
- 従業員の作業導線の確保や整理スペースの導入のための店舗改装
- 新たに倉庫管理システムのソフトウェアを購入し、配送業務を効率化する
- 新たに労務管理システムのソフトウェアを購入し、人事・給与管理業務を効率化する
- 新たに POS レジソフトウェアを購入し、売上管理業務を効率化する
- 新たに経理・会計ソフトウェアを購入し、決算業務を効率化する
枠を決めて申請する
小規模事業者持続化補助金には5つの枠とひとつの特例があり、該当する枠や特例によって補助金の額が変わってきます。それぞれの枠には要件があり、申請者は要件にあてはまる枠を選びます。
■通常枠
特別枠となる4つの枠に該当しない申請者は、通常枠で申請をおこないます。
■賃金引上げ枠の要件
補助事業の終了時点において、事業場内最低賃金が申請時の地域別最低賃金より+30円以上であることが必要です。すでに事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上を達成している場合は、現在支給している事業場内最低賃金より+30円以上とする必要があります。なお、赤字事業者の場合、補助率が上がります。
■卒業枠の要件
補助事業の終了時点において、常時使用する従業員の数が小規模事業者として定義する従業員数を超えていることが必要となります。
■後継者支援枠の要件
申請時において、「アトツギ甲子園」のファイナリストまたは準ファイナリストになった事業者であることが申請の要件です。
■創業枠の要件
産業競争力強化法に基づく認定市区町村、または、認定市区町村と連携した認定連携創業支援等事業者が実施した特定創業支援等事業による支援を公募締切時から起算して過去3年の間に受け、かつ、過去3年の間に開業した事業者であることが必要となります。
次の章で補助金の額を紹介しますが、通常枠よりも4つの特別枠のほうが補助上限額が高額になっています。一般的に4つの特別枠にあてはまらない場合には、通常枠で申請することが必要です。
インボイス特例と呼ばれる特例が存在しており、該当すると補助上限額が上乗せされます。特例の要件は以下のとおりです。
■インボイス特例の要件
2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であった、または、免税事業者であることが見込まれる事業者のうち、適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者であることが必要です。なお、インボイスとは、売手が買手に対し、正確な適用税率や消費税額などを伝えるための書類である適格請求書の別名となります。
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補助金の額と補助率
小規模事業者持続化補助金の補助金の額(補助上限額)と補助率は以下のとおり。
補助上限額 | 補助率 | |
通常枠 | 50万円 | 2/3 |
賃金引上げ枠 | 200万円 | 2/3(赤字事業者は3/4) |
卒業枠 | 2/3 | |
後継者支援枠 | ||
創業枠 | ||
インボイス特例 | 特例の要件に該当すると補助上限額が50万円上乗せされます(すべての枠が対象) |
4つの特別枠のいずれかで申請して、さらにインボイス特例の要件に該当すれば、最大250万円の補助金が交付される可能性があります。
参考)小規模事業者持続化補助金<一般型> 第 13 回公募 公募要領
補助対象経費
補助金は、補助事業を実施するために使った経費を補助する形で交付されます。補助対象となる経費は決まっており、以下のとおりです。
①機械装置等費
高齢者・乳幼児連れ家族の集客力向上のための高齢者向け椅子・ベビーチェア、衛生向上や省スペース化のためのショーケースなどが該当します。
②広報費
チラシ・カタログの外注や発送、新聞・雑誌への商品・サービスの広告などが該当します。
③ウェブサイト関連費
商品販売のためのウェブサイト作成や更新、インターネットを介したDMの発送などが該当します。
④展示会等出展費
展示会、商談会(オンラインを含む)の出展料などが該当します。
⑤旅費
展示会への出展や、新商品生産のために必要な原材料調達調査における宿泊施設への宿泊代などが該当します。
⑥開発費
新製品・商品の試作開発用の原材料の購入、新たな包装パッケージのデザイン費用などが該当します。
⑦資料購入費
補助事業遂行に必要不可欠な図書などを購入するために支払われる経費が該当します。
⑧雑役務費
補助事業計画に基づき、販路開拓のために雇い入れた者のアルバイト代や派遣労働者の派遣料、交通費などの経費が該当します。
⑨借料
補助事業遂行に直接必要な機器・設備などのリース料・レンタル料として支払われる経費が該当します。
⑩設備処分費
既存事業において使用していた設備機器の解体・処分費用などが該当します。
⑪委託・外注費
店舗改装・バリアフリー化工事、利用客向けトイレの改装工事などが該当します。
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スケジュール
第13回公募のスケジュールは以下のとおりです。
- 申請受付開始:2023年3月10日
- 申請受付締切:2023年9月7日
- 事業支援計画書の受付締切:2023年8月31日
- 補助事業の実施期間:交付決定日から2024年7月31日まで
- 補助事業実績報告書の提出期限:2024年8月10日
すでに申請受付は始まっているので、締切日に注意してください。また、申請受付締切日より先に、事業支援計画書の受付締切日が到来するので、こちらが実質的な締切日になります。事業支援計画書については次の章で紹介します。
申請手続きの流れ
申請手続きは以下のように進みます。
●申請に必要な書類を作成する
(必要書類には申請書、補助事業計画書、事業支援計画書、各種宣誓書などがあります)
↓
●補助金事務局に電子申請によって申請書などの書類を提出する
↓
●補助金事務局などが提出書類について審査をおこなう
↓
●採択、不採択が申請者に通知される
↓
●採択されたら(交付決定がなされたら)補助事業を実施する
(2024年7月31日までに終了させることが必要)
↓
●補助事業が終了したら補助事業実績報告書を提出する
(提出期限:2024年8月10日)
↓
●補助金事務局で事業内容の審査と経費内容の確認をおこない、補助金額が確定され交付される
なお「採択」と「交付決定」は厳密には異なる手続きです。申請時に「補助金交付申請書」を提出することで、採択後に書類が正式に受理され、交付決定となります。また、補助金の交付は、補助事業が終わったあとになる点にも注意してください。
事業支援計画書は商工会議所などに発行してもらう
事業支援計画書は、小規模事業者持続化補助金の申請をするときに必要になる書類のひとつです。申請者(小規模事業者等)は、地域の商工会または商工会議所に経営計画書と補助事業計画書などを提出し、事業支援計画書を発行してもらいます。
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執筆者プロフィール:ドリームゲート事務局
ドリームゲートは経済産業省の後援を受けて2003年4月に発足した日本最大級の起業支援プラットフォームです。
運営:株式会社プロジェクトニッポン
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