【事業再構築補助金】3次公募3つの変更点をわかりやすく解説

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

令和3年の目玉補助金である「事業再構築補助金」。中小企業庁は7月30日に、事業再構築補助金の第3次公募を開始しました。

6月18日に発表された第1次の公募結果では採択率36%と非常に低く、狭き門であることが分かったわけですが、今回の第3次公募では大幅な変更が加わり多少は要件が緩和されたと言える内容です。

この記事では第3次公募の変更点について、公式サイトで発表されている3つの変更点を中心にわかりやすく解説し、さらに着目すべきポイントを加えて説明します。

第3次公募のスケジュールを確認

はじめに第3次公募のスケジュールについて確認しましょう。

  • 公募開始:令和3年7月30日(金)
  • 申請受付:令和3年8月下旬開始予定
  • 応募締切:令和3年9月21日(火)18:00
  • 結果発表:令和3年11月中旬~下旬頃

現時点では申請受付の開始日について詳細は公表されていません。なお今年度、残り2回の公募が予定されています。

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第3次公募の主な変更点は3つある

中小企業庁が運営している事業再構築補助金の公式サイト上では、第3次公募からの主な変更点として3つ挙げられています。

  1. 最低賃金枠の創設
  2. 通常枠の補助上限を見直し
  3. その他の運用の見直し

ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

①採択率が優遇される「最低賃金枠」の創設

コロナ禍による業況がきびしく最低賃金+30円以内で雇用している従業員が10%以上いる企業に対し「最低賃金枠」というものが用意されました。

補助率は通常枠より高い2/3、かつ加点措置を行い【緊急事態宣言特別枠】に比べて採択率において優遇されると公募要領に明記されています。

補助金額、補助率は次の通りです。

従業員数 補助金額 補助率
5人以下 100万円~500万円 中小企業者等 3/4

中堅企業等 2/3

6~20人 100万円~1,000万円
21人以上 100万円~1,500万円

なお最低賃金枠での申請には、通常枠と同様の4つの要件①事業再構築要件②売上高等減少要件③認定支援機関要件④付加価値額要件に加え、2つの要件があります。

  • (ア)2020年4月以降のいずれかの月の売上高が対前年又は前々年の同月比で30%以上減少していること 。(イ)(ア)を満たさない場合には、2020年4月以降のいずれかの月の付加価値額が対前年又は前々年の同月比で45%以上減少していること 。
  • 2020年10月から2021年6月までの間で、3か月以上最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること

これは厚生労働省が7月に発表した最低賃金の引き上げが関係しているのは間違いありません。長引くコロナ禍によるダメージに加えて最低賃金の引き上げによる資金繰りの悪化を防ぐための救済策と言えるでしょう。

第1次の採択結果において、通常枠の採択率が30.08%であったのに対し緊急事態宣言特別枠の採択率は55.32%でした。


【速報】事業再構築補助金 1次の採択率は36%!採択率が低いワケとは より抜粋

その緊急事態宣言特別枠よりも採択率において優遇され、不採択であっても通有情枠で再審査されるので、もし要件が該当するのであれば積極的に検討してみるべきでしょう。

②通常枠の補助上限額を見直し

最低賃金の引き上げは従業員数が多いほど影響が大きくなります。そこで、通常枠はこれまで一律で補助上限額が6,000万円であったのに対し、従業員数に応じた補助上限の設定に変更されました。

変更後の通常枠の補助金額、補助率は次の通りです。

従業員数 補助金額 補助率
20人以下 100万円~4,000万円 中小企業者等 2/3 (6,000万円を超える部分は1/2)

中堅企業等 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)

21~50人 100万円~6,000万円
51人以上 100万円~8,000万円

従業員数が20人以下の場合は補助金額上限が4,000万円に引き下げられる形となりました。

また、「大規模賃金引上枠」も新設され、中小企業・中堅企業ともに従業員数が101人以上いる事業主が対象で、補助金額は8,000万円超~1億円です。

通常枠と同様の4つの要件①事業再構築要件②売上高等減少要件③認定支援機関要件④付加価値額要件に加え、2つの要件があります。

  • 【賃金引上要件】 補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から 3~5 年の事業計画期間終 了までの間、事業場内最低賃金を年額 45 円以上の水準で引き上げること
  • 【従業員増員要件】補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5年の事業計画期間終了までの間、従業員数を年率平均 1.5%以上(初年度は 1.0%以上)増員させること

賃金をあげ、雇用を拡大するという要件が追加されています。

③その他の運用の見直し(主に売上減少要件の緩和)

3つ目の項目は、要件の緩和にあたる内容が3つ挙げられています。

①②は売上減少要件に関する緩和です。対象期間が2020年10月以降から2020年4月以降に拡大されました。

事業再構築補助金リーフレットより抜粋

少しわかりにくいですが、まとめると次の通りです。

  • 2020年4月以降の連続する6か月間のうち任意の3か月を2019年または2020年1~3月の同月と比較して10%減
  • 2020年10月以降の連続する6か月間のうち任意の3か月を2019年または2020年1~3月の同月と比較して5%減

もし、この減少率を満たせない場合、付加価値額で判定することもできます。(付加価値額とは、付加価値額 = 営業利益高+人件費+租税公課+不動産・物品賃借料)

これにより、売上は上がっているが利益率が下がって経営が苦しくなっている事業主でも申請ができることになります。

また、③で挙げられているように、新たに取り組む事業の新規性について、「過去に製造等したことがない」から「コロナ前に製造等したことがない」に変更されました。

たとえば飲食店がこの補助金を利用して店舗を改装し弁当の宅配を始める場合、コロナ禍においてテスト的に宅配弁当をした実績があっても申請できるようになりました。

第3次公募の着目すべきポイント

ここまでは中小企業庁が事業再構築補助金の公式サイトで主な変更点として挙げているものを説明しましたが、そのほかにも着目すべきポイントが2つあります。

  • 要件を満たさない申請は締切前に再提出が可能に
  • 緊急事態宣言特別枠が継続される

要件を満たさない申請は締切前に再提出が可能に

※ 申請期限に余裕を持って申請完了されたもののうち、形式的な不備等により、申請要件を満たさなかった事業者に対しては、申請締切り前にその旨を通知し、再度申請することを可能とします。具体的な日程については別途事務局HPを通じてお知らせいたします。

公募要領より抜粋

第1次公募では書類不備・申請要件を満たしていない応募件数が2,992件もあり、全体の13%にもなりました。

事業再構築補助金事務局発表「事業再構築補助金第1回公募の結果について」より抜粋

余裕を持って申請すれば、このような理由による不採択を避けられることになります。

※9/2追記:差し戻しのスケジュールが発表されました。(以下公式より抜粋)

9月10日(金)23:59までに受け付けた申請に関しては、事務局で添付書類等の確認を行います。不備が確認された場合には、原則として9月16日(木)までに、申請者に対して差戻しのご連絡をさせて頂きます。なお、添付書類等に不備が確認されなかった申請に関しては、ご連絡はいたしません。

 

緊急事態宣言特別枠が継続される

補助率が高く優先的に審査される「緊急事態宣言特別枠」は第2次公募で最後になると告知されていましたが、第3次においても引き続き、継続されることとなりました。

補助金額、補助率は次の通りです。

従業員数 補助金額 補助率
5人以下 100万円~500万円 中小企業者等 3/4

中堅企業等 2/3

6~20人 100万円 ~ 1,000万円
21人以上 100万円~1,500万円
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認定支援機関と一緒に事業計画書を作成するメリット

事業再構築補助金は認定支援機関(認定経営革新等支援機関)と一緒に事業計画書を作成するという要件があり、申請のときには「認定支援機関確認書」を提出しなければなりません。

ものづくり補助金データポータルによると、ものづくり補助金においては〜15%の成功報酬を支払ってサポートを受けた者がもっとも採択率が高く、支援を受けなかった者と比較するとその採択率の差は約21%もあります。

これは事業再構築補助金においても同様であると考えていいでしょう。

認定支援機関は、いわば事業再構築の「伴走者」であると中小企業庁は定めています。支援内容と見合わない法外な報酬を要求する機関は論外ですが、適切な報酬を支払って支援を受けることは事業再構築の手助けになると言えるでしょう。

ドリームゲートには我々が設けている適正な審査を経た認定支援機関が専門家として登録しており、事業再構築補助金のサポートを積極的にしています。あなたにぴったりの支援者をみつけてください。

執筆者プロフィール:ドリームゲート事務局

ドリームゲートは経済産業省の後援を受けて2003年4月に発足した日本最大級の起業支援プラットフォームです。
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