ドリームゲートアドバイザーの行政書士法人エベレスト兼株式会社エベレストコンサルティング(認定経営革新等支援機関)の野村篤司と申します。
今回のテーマは、「事業再構築補助金の再申請における重点的見直しポイント5つ」です。第1回の応募申請の結果、残念ながら不採択だった方は、今回の記事を参考に、ぜひ採択を勝ち取ってみてください。
- 目次 -
見直しポイント(1)なぜ不採択だったのかを事務局に問い合わせる
事業再構築補助金においては、「なぜ不採択だったのか」という事業者自身からの問い合わせに対して、事業再構築補助金事務局へ電話連絡することで、「不採択理由(審査員のコメント)」を教えてもらうことができます(※本記事執筆時点での運用)。
短いコメントではありますが、概ね3~7か所くらいの指摘事項が入ることが多いようです。事業再構築値補助金の再申請をする際には、必ず確認するようにしましょう。もちろん担当する審査員が違えば、採択される点数も異なる場合がありますので、全く同じ事業計画書で申請したとしても、運が良ければそのまま採択される場合もあることでしょう。
しかし、せっかく再申請されるなら、より事業計画内容をレベルアップさせるという意味でも、事務局に不採択理由を教えてもらったうえで、きちんとその指摘箇所を改善するのが最善策と言えるのではないでしょうか。
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見直しポイント(2)思い切って「認定経営革新等支援機関」を変えてみる
既に「認定経営革新等支援機関」との間で、「~~回応募までの支援とする」旨の明確な契約事項があれば別ですが、誰に対して、いつどのような支援を求めるかについては(認定経営革新等支援機関側が行政書士法や税理士法に反していない限りは)事業者の専権事項であり、誰を支援者として選ぶかについては「自由」です。
そのため、「第1回のときの認定経営革新等支援機関は頼りなかったし、実績もあまり出なかったみたいだから、別の認定経営革新等支援機関に変更しよう」という決断をすることも、問題はありません(もちろん変えられてしまった認定経営革新等支援機関側はショックだと思います)。
新しい認定経営革新等支援機関との付き合いにより、事業再構築補助金に係る事業計画がより洗練され、事業再構築に向けて、新しいアイデアやより実効性のある集客戦略が生まれるかもしれません。経営者における「この支援者はなんか違うな、不安だな」というような「違和感は大事」です。
採択された後も、3~5年にわたっての事業化に向けた中長期的な支援が求められていますので、違和感を持ったままの関係性は好ましくないでしょう。コロナ禍の現在は、大きな打撃を受けた多くの事業者にとっては、間違いなく危機的状況であり、経営上の重要局面です。
(もちろん少数だとは思いますが)経験不足や力量不足、他の業務に忙しそうで、あまりやる気を出しているとは感じられない認定経営革新等支援機関と付き合っているほど、コロナ禍で打撃を受けた事業者には余裕はないはずです。「思い切って支援事業者を変えてみる」のが見直しポイント2つ目です。相性の良い認定経営革新等支援機関が見つかることを祈っております。
見直しポイント(3)公募要領を、「一字一句、1時間以上かけて」読み返してみる
事業再構築補助金に限らず、「公的補助金に採択されるコツ」の1つに、「徹底的に公募要領を読み込む」という鉄則があります。
当社も不採択だった方から事業計画を見てもらいたいという相談が多数寄せられ、助言を求められることが多々あります(※現在は相談含めて新規の依頼をお断りしています。申し訳ございません。)が、実はほとんどの場合が「これはダメって、公募要領に明記されてますよ」と指摘することが多いです。
つまり、「公募要領の記載事項の見落とし」が非常に多いのです。不採択だった事業者は、とにかく公募要領をじっくり読み直してみてください。これだけで採択される可能性はグンと上がります。だまされたと思って、読んでみてください。公募要領さえ熟読せず、「専門家任せ」にすることは補助金の制度趣旨からしても「論外」です。
負担にかんじるかもしれませんが、公募要領を熟読することは「大前提」ですので、ちゃんと読みなおしましょう。2回、3回と読むことで新たな発見もあるかもしれません。
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見直しポイント(4)「収益計画表」の算定根拠とその合理的な説明部分
これは、事業再構築補助金のWEBサイトにも公開されている動画をご覧いただくとわかりやすいかもしれません。お時間がない方は「11分10秒」あたりから再生してご確認下さい。
公募要領にも明記されているとおり、「付加価値額の算出根拠」の記載が事業計画書内で説明することが求められているわけですが、「事業化に向けた売上高や付加価値額の向上について、実現への道筋がちゃんと説明できていない(もしくは説得力が弱い、根拠があいまい等)」申請事業者が多いようです。
見直しポイント(5)「事業計画書の書き方」ではなく「事業計画そのもの」を見直す
不採択だった事業者の中には、「(事業計画それ自体ではなく)事業計画書の書き方が悪かった」と思っていらっしゃる方も多い印象です。
確かに「必要な記載事項について記載漏れがある(説明すべきことが説明できていない)」、「記載内容に矛盾や誤りがある」「数字の整合性が取れていない」「そもそも何言っているか伝わっていない」など、形式的な部分での不採択理由も当然あります。
実際に、応募申請された事業者の中から、実際に審査してもらえなかった事業者が多数いらっしゃることは「採択結果」にて公開されている通り、事実です。しかし、大多数は、「計画そのものになんらかの問題がある」「補助金制度の趣旨とずれが生じている」「実現可能性が乏しい」などであることが多いです。
形式的な部分(書き方)に着目する前に、今一度、事業計画自体に問題はないかどうかという視点をもって、見直しすべきでしょう。
なお、公式動画では、以下の動画が非常に参考になります。公式ですので、間違いなく要チェックです。しっかりと動画を参考にしながら、再チャレンジしてみてください。なお、形式的な部分が心配な方は、「事業計画書のひな形」を活用するのも得策です。当社でも有料にはなりますが、Wordデータを提供しておりますので、ぜひご検討ください(※あくまで「形式的ひな形」であり、「記載例」とは異なるため、重複・類似申請案件になる恐れはありません)。
以上、「一次不採択の再申請時に見直す5つのポイント」をご紹介させていただきました。真摯に事業再構築に取り組まれる皆様が無事に採択されることを、心よりお祈りしております!
執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 野村 篤司(のむら あつし) /(行政書士法人エベレスト)
行政書士法人エベレスト代表社員・株式会社エベレストコンサルティング(認定経営革新等支援機関)代表取締役。2016年からものづくり補助金等支援を開始し、5年以上の支援実績。「行政書士」であるため、関連する「先端設備等導入計画認定申請」等も対応可能です。
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