起業準備でやりがち! 成功したいなら ”やってはいけない” 3つの罠

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 亀田 智仁

こんにちは!ドリームゲート・アドバイザーの 亀田 智仁 です。

私は、クライアントの手持ちの知識・スキル・経験を1ミリも変えずに、高付加価値商品を作り上げる「あなた商品化プランナー®」という仕事をしています。

新しい春の訪れとともに、今年こそは、起業したい!成功させたい!花を咲かせたい!とお気持ちを強くされている方も多いのではないでしょうか。

私としても、ぜひ、あなたに起業を成功させていただきたい!と強く願っておりますが、一方で、開業後数年以内に廃業してしまう方も少なくありません。経済産業省の調査によると、個人事業主や法人が、起業から1年後に存続している割合は約70%、5年後だと約50%、10年後には30%を切ると報告されています。

当然ですが、失敗したくて起業している人はいないと思いますし、起業の準備もしっかりされているはずです。それなのに、このように加速度的に廃業していくのはなぜでしょうか?

もちろん起業準備として、やるべきことはあるのですが、実は「やってはいけないこと」もあります。

私を筆頭に、講師陣が提供する起業サポートプログラム「あなた商品化起業術」では、このような「やってはいけないこと」をサポート経験の中から蓄積し、受講する方々にお伝えしています。本記事では、その中でも、特に重要なやってはいけないことを「3つの罠」として紹介いたします。

①時間の罠 ~じっくり時間をかけて起業準備する~

1つ目は時間の罠です。

「起業準備にかける時間はどのくらいが適切か?」

よく相談を頂く質問の一つですが、これについては、絶対的に、客観的な正解はないと思います。ただ起業の相談を頂く方の傾向としては「じっくり時間をかけて起業準備をする」と考えている方が多い印象です。2〜3年くらい、事業計画をしっかり立てて、事業をスタートさせれば、安心だと思うわけですね。ここにひとつの罠があります。

最初から精緻なP(計画)は作れるのか?

たとえば、本記事を執筆している2024年では、オンライン会議が当たり前のように普及し、ChatGPTなどの生成AIが世の中に台頭し始めています。しかし、2〜3年前にこの状況はあったでしょうか?事業計画に組み入れることができたでしょうか?

このように、2〜3年も経つと、あっという間に、テクノロジーが変わり、社会の価値観が変わり、顧客ニーズも変わってきます。そうなると、じっくり時間をかけて、事業計画を精緻に立てることの意味合いが薄れてきます。事業の管理技術として、PDCAというフレームワークがありますが、P(計画)の信頼性を確保できないと、D(実行)C(検証)A(改善)で改善していくという構図が効果を発揮しません

「味見しながら料理する」で行動を加速!

そもそも、しっかり時間をかけて起業準備したい思いは、安心して取り組みたいから、結果を確実に出したいから、という理由からではないでしょうか。起業を成功させたい!という思いは、私も同じです。そこで、この安心や結果を得るために、オススメがあります。

それは、「味見しながら料理する」という考え方です。

「味見しながら料理する」とは、ざっくりとした調理方法を準備して、味を確かめながら、素材や調味料を加え、料理を仕上げていくことです。ビジネスに置き換えると、ビジネスの方向性(=誰に、何を提供していくか)がわかる程度の、ざっくりとした仮の計画を立て、市場の反応を見ながら、改善していくことです。

反応を見るとは、たとえば商品サービスがまだない段階から、ビジネスを紹介するチラシを見せたり、アンケートをとったり、インタビューをすることです。「こんなことをやろうと思っているけど、どう思いますか?」と、ビジネスの関係者や顧客候補の方に聴いてみることですね。

そして、反応を見て改善したい内容を事業計画に反映していきます。未完成でもベータ版として、商品サービスをリリースし、さらに顧客の反応を見ながら、継続的に改善を進めていきます。こうすることで、市場の反応や変化を取り入れながら、成功する事業計画を構築していくことができます。

このように早めに行動をスタートさせ、改善していくことで、同じ2〜3年という時間を使うとしても、得られる結果がまるで変わってきます。改善の回数を確保でき、強くてしなやかな事業計画をアウトプットできます。

最初に完璧なレシピ(計画)を求めるのではなく、味見しながら料理して、結果としておいしいレシピをアウトプットしよう、ということですね。

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②目的の罠 ~会社を辞めたくて、起業したいんです~

2つ目は目的の罠です。

「会社を辞めて独立したい、起業したいんです。」

よく聞く言葉です。世間的にもそうですが、私が起業志望者の方とお話ししていると、かなりの確率で、この言葉が出てきます。もちろん、起業には色んな動機があっていいと思いますが、中には、起業すること自体が起業の目的となっている方がいらっしゃいます。これは要注意の罠ですね。

会社を辞めた瞬間、願いが叶ってしまう・・・

起業すること自体が起業の目的、言い換えてみれば「会社を辞めること」が目的ということになりますが、この場合、会社を辞めた瞬間、目的が達成されてしまいます。そうすると何が起きるか。会社を辞めた後の時間を、ただただ浪費する生活を送ってしまいます。

私がサポートしてきた起業家を見てきても、ビジネスを上手く軌道に乗せる方は、会社を辞めた瞬間から、人脈づくりや認知活動、商談など、忙しく行動を重ねていきます。

他方、起業自体が目的の方は、会社を辞めた後「しばらくゆっくりします」と言って、ぼーっと一日を過ごし、たまに旅行に出かけるなど、完全に有給休暇モードです。このケースですと、悲しいかな、起業には成功しません。「会社を辞めたあの時に、もっと時間を有効に使えばよかった・・・」と後悔して、辞めたかったはずの会社員に戻っていく方も多いです。

理想の状態をアリアリと描く

このような後悔をしないために、処方箋としてオススメなのが「起業して自分はどうなりたいのか、何を手に入れたいのか」という、あなたの「理想の状態」をアリアリと描くことです。

先ほど、「会社を辞めたくて、起業したい」は要注意の罠だと言いましたが、会社を辞めたいことが動機としてNGと言いたいわけではありません。正確に言うと、動機としてはまだ50点なのです。

残る50点を埋めるのが、あなたの「理想の状態」を描くことです。

ただ、「理想の状態って何だろう?」と漠然と考えても、何が欲しいのかわからないという方もいらっしゃると思いますので、3つのクエスチョンをご提示したいと思います。

Q1. やりたいこと=お金を稼いで、やりたいことは?家族や仲間とやりたいことは何?

Q2.時間の使い方=働く時間とプライベートの時間は週何日?1日何時間働くのが理想?

Q3. 人間関係=どんな人たちに囲まれて仕事したい?理想の顧客は?理想の仲間は?

このように、「やりたいこと」「時間の使い方」「人間関係」の観点で理想の状態を描いてみると、会社を辞めた後、自分がどうなりたいと思っているのか、言語化できます。自分でも気が付かなかった思いを確認できます。

そして、描いた理想の状態にワクワクできたら、しめたものです。放っておいても、あなたは理想を叶えたくて、どんどん行動していきます。

③進め方の罠 ~売れる商品を作りたかったら・・・~

3つ目は進め方の罠です。これは、先に商品サービスありきで、起業準備を進めてしまうことです。商品サービスがまだ決まってない方は、最初に商品サービスを決めてしまうことです。「これ、何がいけないの?」と思われたかもしれません。ですが、これも罠です。

ビジネス構築の大切な ”大前提”

あなた商品化起業術でも、ビジネス構築の大前提のひとつとして、

「売れる商品サービスをつくりたかったら、先に商品サービスを作ってはいけない」

とお伝えしています。もちろん、ただの商品サービスをつくりたいのであれば、先にどんどん作ればいいと思います。でも、私たちが本質的に欲しいのは、「売れる」商品サービスのはずです。

このようにお伝えするのも、起業の先人として、中小企業の社長の方々がデータを残してくれているからなのです。

こちらのグラフからわかるように、新規事業に参入し、撤退した理由として、圧倒的に多いのが「顧客が見つからない」という理由です。裏を返せば、いかに顧客不在の商品サービスが生み出されているかを証明してくれています。

だからこそ、売れる商品サービスを作りたかったら、先に商品サービスを作ってはいけないのです。

フロイトが示す「人間の行動の源泉」

では、何から始めればよいのか?

それは、顧客の「欲しい」を知ることです。

多様化が進む現代、顧客の「欲しい」も多様に、無限にあるように思われますが、どんな業種業態でも、商品サービスでも、顧客の「欲しい」を形成するものは、たった2つしかありません。

そのことを心理学者のフロイトは、「人間の行動の源泉」という言葉で紹介しています。

 人間の行動の源泉

 「人間は “痛み” を避けて、”快楽” を求める」

振り返ると、かつて私も、起業したいと思っていた会社員の頃、今の働き方を卒業して(痛み)、働く時間や場所、人間関係を自分で決めるライフスタイルが欲しい(快楽)という動機から、お金を払ってセミナーに行く、コンサルティングを依頼するという購買行動をとっていました。また、汚い話で恐縮ですが、私たちは、トイレに行きたいときも、我慢しているのをやめて(痛み)、出してスッキリしたい(快楽)から、トイレに行くという行動をとります。

商品の売買に限らず、人間のありとあらゆる行動は100%、痛みと快楽からしか発生しないのです。

ということは、顧客の痛みと快楽、すなわち「欲しい」がわかれば、逆算的に「買う」という顧客の行動を導けるようになります。この「欲しい」の的が、あなたの商品サービスになれば良いわけですね。商品サービスの開発や改善の方向性もクリアになってきます。

特に商品サービスがまだない方は、チャンスです。商品サービスがない分、ニュートラルに顧客の声を収集することができます。商品サービスがすでにある方も、いったん自分の商品を忘れて、顧客の痛みと快楽を知っていただければ、ビジネスの成功確率がぐっと上がります。

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あなたにおすすめのアクション2選

いかがでしたでしょうか。

本記事では、起業準備でやってはいけない3つの罠というテーマでお届けしました。

・時間の罠  → じっくり時間をかけて計画するのではなく、味見しながら料理する

・目的の罠  → 起業して実現したい事=あなたの理想の状態をイメージする

・進め方の罠 → 商品サービスを作る前に、顧客の欲しい(痛みと快楽)を理解する

「この罠知ってるよ!」という方は、ぜひ罠を避けて、成功をつかんでください。逆に「危うく罠にはまるところだった・・・」とお感じの方は、ラッキーです!これを機に、起業準備の方向性を見直していただければと思います。

また、失敗を避けて、ビジネスの難易度を下げ、起業に成功していく方法として、手持ちの知識・スキルを活かした起業方法がオススメです。ご興味ある方は、ドリームゲートでご紹介している

をご視聴ください。無料で視聴し、学んでいただけます。

また上記に加え、自分の場合、どのように起業準備を進めていけるのか、顧客として誰を選べばいいのか等、具体的に考えてみたい方は、小生主催のオンラインセミナーにお越しください。ワークを交えて、お力添えさせて頂きます。

あなたのビジネス構築と幸せな未来のために、お役立ていただけますと幸いです。

執筆者プロフィール:亀田智仁/株式会社Office
KOTOKOTO

「あなた商品化起業術」の大人気セミナーを開催している亀田さん。
起業したいんだけれど一歩が踏み出せないという方に対し、新しい価値観を見出すサポートをしてくれます。穏やかな性格ながら、起業家に対する熱い想いを感じるお人柄です。

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