「自己資金でネットショップを立ち上げる場合でも事業計画は立てたほうがいいかな?」「とりあえずネットショップをはじめてみたけど今のやり方でいいか不安」
比較的リスクが少ないネットショップでの起業といえども、経営者にはそんな悩みが尽きないことでしょう。実は、気軽にはじめられるネットショップだからこそ、成功するにはポイントをおさえた経営が必要です。
この記事では、これまで6万件以上の起業相談に対応してきたドリームゲートが、ネットショップ経営を成功に導くコツと事業計画のポイントをお伝えしています。
本格的な事業計画書を作るつもりがない人でもかんたんにネットショップ専用の事業計画をまとめられるツールをご用意したので、ぜひ活用して「ネットショップが成功する事業計画」のつくり方を学んでください。
- 目次 -
ネットショップの成功に事業計画書が必要な理由
ネットショップは少ない初期投資ではじめられるため、事業計画書なんて大げさなものは必要ないと思う人は多いです。しかし、事業計画書をつくったほうが効率よく事業を成功に導けるのです。
ネットショップはたしかに初期投資はほとんど必要ありませんが、黒字化するのにそれなりの時間がかかります。無計画に運営していれば黒字化する前にお金がなくなってしまうため、倒産しないための資金計画が必要です。また、少しの金額でも日本政策金融公庫などの金融機関から融資や資金調達を考えているなら事業計画書の作成は欠かせません。
さらに事業計画書をつくれば次のようないいこともあります。
事業計画書をつくる際に継続的に利益を出せる資金計画を考えることになるので、仕入れや配送コスト・倉庫代などの各種コスト計算を正確に試算する必要があります。このように開業前から正確なコスト計算をおこなうことで、開業後に利益を生み出しやすくできるのです。
また、数あるネットショップの中でどのように差別化やマーケティングしていくのかについても戦略的に考えられます。
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ネットショップ運営の3つのメリットと3つのデメリット
ビジネスの業態としてのネットショップはどのようなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。
メリット
ネットショップを選ぶメリットはおもに3つあり、開業のハードルの低さが多くの人をひきつけています。
初期費用が抑えられる
どのような出店形態を選ぶかにもよりますが、ネットショップの初期出店費用は0円に抑えられることが少なくありません。売上に応じて手数料が発生するタイプのECサービスが数多くあるからです。このようなサイトを選べば、初期費用は商品の仕入れとプリンタの購入、梱包・包装資材など少額の経費だけで済ませることができます。
販売地域と時間に制限がない
ネットショップ運営のための各種サービスは基本的に日本全国への販売に対応しており、地域の制限がありません。条件を満たせば海外への販売も可能です。それに加え、出店手続きと商品の登録さえすれば365日24時間販売が可能です。自分が作業できない時間でも常にお店はオープンしているので、さまざまな居住地や生活スタイルの人にアプローチできます。
副業やプチ起業にむいている
ネットショップは初期投資が少なく、スキマ時間に作業できるため副業やプチ起業に向いています。いきなり起業するのはリスクがともないますが、ネットショップであればリスクを抑えることが可能なのです。また、仕入れ→値付け→販促→発送→アフターフォローという商売の基本を学べるため、本格的な起業の下準備としても役立ちます。
デメリット
メリットばかりに見えるネットショップ開業にはデメリットもあります。いずれも対策すれば回避できるデメリットなので、ネットショップ開業に失敗しないようにあらかじめ対策を考えておきましょう。
集客が大変
小さなものまで含めるとネットショップの数は非常に多く、そのなかから自分のお店を見てもらうだけでも大変です。集客するためにはSNSやWeb広告を効果的に活用する必要があります。ただネットショップをオープンしただけでは誰にも見てもらえないと理解しておきましょう。
在庫を抱えるリスクがある
ネットショップで販売する商品は基本的に仕入れが先行するため、商品が売れないと在庫を抱え込んでしまうリスクがあります。
価格競争になりやすい
オンラインの世界ではかんたんに価格比較が可能です。「どのお店で買っても同じ商品ならできるだけ安いお店で買いたい」このような消費者心理はごく自然なものでしょう。結果として、差別化できないネットショップは価格競争に巻き込まれやすくなります。
成功する事業計画にするために考えたい4つのこと
ネットショップが成功する事業計画づくりには4つのポイントがあります。いきなり作成しはじめるのではなく、どんなことを考える必要があるのか、知っておくのが重要です。
消費者ニーズ・消費動向を考える
ネットショップで売れそうな商品を選ぶことは早く黒字化するためにとても重要です。どんな商品が売れ筋かつかむためには、モール型サイトや興味のある分野の人気ネットショップをよくリサーチするとよいでしょう。
また、消費者はより信頼できそうなネットショップで購入する傾向があります。楽天やAmazonなどのモール出店でなく自社ECを選ぶ場合は、購入に至るまでの心理的なハードルをどのように下げるかについてよく検討する必要があります。「このサイトは信頼できそう」と思われるようなネットショップづくりが重要です。
消費者ニーズを満たすために信頼感の演出と同じくらい重要なのが、サイトの見やすさです。商品が魅力的に見えてなおかつ探しやすいサイトづくりが求められるので、のちほどご紹介するネットショップ成功の鉄則「ささげ」をぜひ参考にしてください。
市場環境・競合をリサーチする
ネットショップにラインナップ予定の商品がどのくらいの値段で、どのようなショップで出品されているか調べましょう。売れればなんでもいいと思うと品揃えに統一感がなくなり、あえてそのショップで商品を選ぶ必要がなくなってしまいます。
コンセプトのないショップは価格競争に巻き込まれがちなので、何かに特化するなどのコンセプト(ブランドイメージ)を意識した店舗づくりにするとファンを得やすくなります。たとえばキャラクター文具に特化する、コスプレ衣装に特化するなど、わかりやすい個性があるほうがよいでしょう。
販売するアイテムや仕入れ先を選ぶ
販売するアイテムも事前に考えておきましょう。アパレルのネットショップをやるとしても、レディースだけなのかメンズも取り扱うのか、アクセサリーなどの服飾雑貨は取り扱うのかを大まかに考えておくと品揃えがブレずにすみます。
また、契約する配送業者や梱包方法もあらかじめ準備が必要です。梱包が適当だと消費者の満足度が下がり、口コミが悪くなる可能性があります。
出店方法を選ぶ
ネットショップは出店方法によって店舗運営のスタンスも大きく変わります。それぞれのタイプの特徴を理解してから出店方法を選びましょう。
アプリ販売モール型ネットショップ
メルカリやヤフオクなど個人でも出品できるもっとも気軽な方法です。手っ取り早いのがメリットですが、自社専用ページなどの設定ができないので本格ECの運営は難しいでしょう。
モール型ネットショップ
ひとつのモールに多数のネットショップが出店する形態をいいます。Amazonや楽天が代表的です。会員はそれぞれのモールで買い続ける傾向にあるため、集客力が強いのがメリットです。集客に自信がなくても、品揃えさえよければ売れる可能性が高いでしょう。初期費用や月額費用がかかるため、利益を出すには毎月一定の水準で売り続ける必要があります。
自社ネットショップ
自社でネットショップを構築する方法です。自社ネットショップは以下の要素を備える必要があり、ゼロからつくり上げるには知識やお金がかかります。
- レンタルサーバーとの契約
- ドメインの取得
- カート・受注管理システムの用意
- 決済システムとの契約
- 配送業者との契約
BASE、Makeshop、Shopify、カラーミーショップなどのネットショップ構築支援サービスを使えば、これらの機能がセットになったネットショップをかんたんにつくれます。専門知識がなくても自社ECを持つことが可能で、料金も初期費用ゼロ・売れた分の手数料のみのサービスもあるため比較的手を出しやすいでしょう。
ただし、集客まではサポートしてもらえません。自分で工夫して集客する必要があります。
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ネットショップ成功に欠かせない4つのポイント
ネットショップを成功させるには、他の業種と異なるネットショップ特有のポイントがあります。「ささげ」の法則など実店舗の小売では使われない用語もあるので、じっさいにネットショップをオープンする前に重要なポイントを確認しておきましょう。
『ささげ』を工夫する
ネットショップを運営するなら避けて通れないのが「ささげ」の工夫です。これは「撮影(さつえい)」「採寸(さいすん)」「原稿(げんこう)」の頭文字を取ったもので、成功するネットショップの鉄則といってさしつかえないでしょう。
ネットショップでは、商品を手に取って検討できません。そのため、写真と文章でイメージを膨らませてあげる必要があります。人気のネットショップを見てみると魅力的な雰囲気の演出に非常に力を注いでいることがわかるはずです。
また、気に入った商品を購入する決め手になるのが大きさの確認です。しっかり際寸してサイズをイメージしやすくすることでユーザーは安心して購入できます。
まずは小さくはじめてみる
ネットショップがうまくいかなくなる原因で多いのは、在庫過剰による資金ショートです。最初は少なめに仕入れて、売れた利益で次の仕入れをしながら徐々に規模を拡大していくのが堅実です。在庫が少なければそれだけ資金ショートのリスクも少なくなります。
1年目の売り上げ・運転資金を正確に予測する
適正な在庫数や売上、必要な運転資金を考えましょう。まず最初に小さくネットショップをはじめてみて、そのデータをもとに現実的な計画を立てることをおすすめします。
理想的な数値計画を考えるのは目標を立てるという意味でいいことですが、事業計画書をつくるときに理想論は禁物です。背伸びした計画をもとに仕入れると、不良在庫になる可能性が高いです。あくまで現実的に達成可能な数値で計画を立てましょう。
規模の大きなネットショップを運営したい人は、次のページが参考になります。
事業計画書作成サポートツールの活用
事業計画書は経営に関することを網羅した書類なので、考えるべきことが多岐にわたっています。面倒に感じるかもしれませんが、事業計画書をつくればビジネスの成功確率が上がります。
はじめての事業計画書づくりの人におすすめなのが、これまで6万件の起業相談に対応してきたドリームゲートが提供する「事業計画書作成サポートツール」です。事業計画書作成サポートツールは業種特化型なので、ブラウザ上で作業するだけでネットショップ専用の事業計画書をつくれます。ネットショップの成功確率を高めるためにぜひ活用してください。
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ネットショップに有効な集客方法4選
うまく集客できるかどうかがネットショップの成功を左右します。ここでは、ネットショップに有効とされる集客方法を4つご紹介します。
①ブログ・サイト記事
ブログやサイトの記事作成はお金をかけずにはじめられるので、ぜひチャレンジしてください。集客につながるまで時間はかかりますが、きちんと対策して集客できるブログや記事に成長すれば、あとは定期的にメンテナンスや情報の更新をするだけで継続的に集客に貢献してくれます。
記事をつくるときに必ず参考にしたいのがSEO(検索エンジン最適化)です。SEOとはGoogleやYahooなどの検索エンジンに上位表示されるようにサイトを構築することをいい、オンラインでモノを売るネットショップにはSEO対策が欠かせません。SEOに強い記事をつくって露出の機会を増やしましょう。
②メールマーケティング
一度購入してくれた人をリピーターにするために有効なのが、メルマガに代表されるメールマーケティングです。ネタを見つけてはメルマガを発行し、継続的な接点をもつことで強いファンを育てることが可能です。
③SNS
ネットショップをやるならSNSは欠かせないツールでしょう。お店のターゲットに合わせてメインのSNSを選ぶと効果的です。たとえば30~50代のビジネスパーソンにはFacebook、おしゃれが好きな若い女性にはInstagramを選ぶなどです。SNSはいったん投稿に勢いがつくとより強く拡散される特徴があります。
④広告
Web広告にはおもにリスティング広告とアフィリエイト広告がありますが、それぞれ効果が出るまでにかかる時間や費用対効果に違いがあります。クリック回数や購入金額に応じた成功報酬を選ぶこともできるので、有料広告といっても低予算からスタートすることも可能です。他の集客方法での成果が出るまでの間は、有料広告を活用するとよいでしょう。
ネットショップ開業におすすめの本3選
これからネットショップをはじめたい人におすすめの入門書を3冊ご紹介します。
図解即戦力 EC担当者の実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書
仕入れや受発注業務の実務にとどまることなく、そこから一歩踏み込んで売上を伸ばすための実践的なノウハウが学べます。売れるサイトのつくりかたやSNSマーケティングのしかたなど、気になるポイントがわかりやすい図解で示されているのが好評です。ネットショップを運営するなら読んでおいて損はないでしょう。
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BASEでネットショップをつくりたいと思っている人におすすめの本です。初期費用無料でネットショップを作れるBASEを例にとって、具体的な操作方法が解説されています。この本を読めば、ふだんパソコンを使った作業に慣れていない人でも抵抗なくネットショップを開設できるでしょう。もちろん、ネットショップ開設後の運営や集客方法までカバーしています。
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ネットショップ運営 攻略大全
Amazonや楽天などのモールを使わずに、自社ネットショップで売上を伸ばしたいならこの本がおすすめです。売上を上げるために今すぐできるノウハウからネットショップが停滞したときのモチベーション維持方法まで、筆者の経験に基づいたアドバイスは説得力があります。
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これからネットショップをはじめる人、事業が停滞してきたので計画を見直したいという人におすすめなのがドリームゲート提供の「事業計画書作成サポートツール」です。このツールは会員登録すれば誰でも無料で利用でき、ブラウザ上の操作だけであなただけの事業計画書を作れます。ネットショップを含む12の業種の中から自分の業種を選るのもポイントです。
完成した事業計画書は、健全経営している先輩経営者を独自調査したデータと比較も可能です。成功する事業計画を作れているか不安な人は、事業計画書サポートとツールを使って自分の計画をチェックしてみてはいかがでしょうか。
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まとめ
ネットショップは初期投資が少ないので、自己資金を抑えて小さくはじめるという現代的な起業によく合った手法です。失敗しても損失が小さくすむのはいいことですが、やるからには成功させたいと思うでしょう。そのためには、ポイントをおさえたショップ運営としっかりした事業計画が必要です。はじめての人でも操作しやすい事業計画書作成サポートツールを使って、まずは事業の指標になる計画を作ってみてください。