メタバース到来は起業家のチャンスになるか?メタバースでの起業アイデア9選

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 石田 康子

こんにちは、Webマーケティングや事業開発の支援を行っているドリームゲートアドバイザーの石田と申します。事業内容やフェーズに合わせて、SEOやSNSなど特定の手法にとどまらない、中立的なWeb集客のご提案を行っています。

最近聞くようになった「メタバース」という言葉。これから盛り上がりそうだし可能性は感じるけれど、どのようにメタバースでのビジネスを考えたり、自分の事業に活かしたりすればいいかがイマイチ分からない人も多いのではないでしょうか。

まだ新しい分野のため決まっていないことも多く、未来予測は不確かですが、メタバースの成長性は、インターネットの再来やi-mode、スマホ、SNSの誕生などに例えられます。
当時起こったことを思い返して、どのようなことが起こりえるか、どのようにビジネスに活かせそうか、ということを挙げてみました。

現時点では、プラットフォームを立ち上げたり大規模投資が必要なので大手が参入して環境が整っていく段階ですが、立ち上がったメタバース空間にこれからコンテンツが必要になったり、周辺ビジネスが盛り上がっていくと考えられます。

これから起業したり、小さくビジネスを始めたい方にはそこがチャンスとなるでしょう。
メタバースでの事業アイデアや、メタバースを自分のビジネスで活用する方法のヒントになれば幸いです。

メタバースとは

まだ浸透してまもない「メタバース」という言葉、そもそも分からないという方も多いのではないかと思います。この記事でメタバースをどのように扱うかを最初に定義します。

  • メタバースの定義
    メタバース (Metaverse) は、コンピュータやコンピュータネットワークの中に構築された、現実世界とは異なる3次元の仮想空間やそのサービスのことを指す。(Wikipedia

Wikipediaによるとこのような定義となりますが、狭義のVR空間におけるメタバースでは、VRゴーグルなどの視聴環境が必要であり、同時に接続できる数も多くありません。まだ視聴環境が整っていない人がほとんどのため、この記事ではVR以外の2Dの仮想空間も含めた広い意味で扱います。

また、ブロックチェーン、NFT、暗号資産、VRといったものと密接に関わっているため、そのような周辺技術でも起業家の方にヒントになりそうなものを取り上げます。

メタバースの可能性

メタバース市場は2028年には4000億米ドル(46兆円、1米ドル=115円換算)に達すると言われています。正林国際特許商標事務所

成長市場でのビジネスの利点は、経験者がいないので先行者となり利益を取りやすいことと、市場サイズが大きくなっていくので、需要そのものが拡大し、事業が成長しやすいことです。

メタバースを扱うのは、登りのエスカレーターに乗ってビジネスをするような状態です。

どの時代でもそのような成長性のある分野があるとは限りませんが、メタバースは今拡大中の有望な成長分野なのです。

メタバースの世界観をイメージする方法

見たことも体験したこともないものを、言葉だけでイメージするのは難しいため、メタバースを理解するおすすめの方法として、メタバースの世界観に近い映画などを見てみてはいかがでしょう。

現在のメタバースのイメージに最も近いのは、仮想空間内でアバターに扮し、仕事や生活が成り立っている「レディ・プレイヤー1」という映画です。

レディ・プレイヤー1

おなじみの映画ですが「サマーウォーズ」も仮想空間で公共サービスなども提供されており、メタバースの世界観と近いです。観たことがある方は「こういうことか」と理解できると思います。

サマーウォーズ

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メタバースのビジネスへの活用方法

冒頭でもお伝えした通り、VRのメタバースを使えるユーザーはまだ少数であり、VR空間で製品やサービスを提供して売り上げを目的にすることは、現時点では現実的ではありません。

普及とともに割高感は徐々に解消されると思いますが、今行うビジネスとしては資金が潤沢にある企業に軍配が上がってしまいます。これから事業を始める起業家としてはそれ以外の活用方法も検討した方がよいでしょう。

メタバース自体は最近注目が高まりましたが、使い方のイメージとしては、今のSNSと近いのではないかと思います。

ファイナルファンタジーやフォートナイトなどのオンラインゲーム(MMO)をやった事がある方は想像がつきやすいかと思いますが、MMOでは全て相手がコンピュータでただ無言でクエストをこなせればいいわけではなく、お互いにコミュニケーションをとって、一緒にプレイしたり、時にはクエストに参加せずただ話したり、ゲーム自体に戦闘要素などが無くゆったりと交流するようなものもあります。

MMOも広義ではメタバースだと言う人もおり、「に人が集まり、コミュニケーションがうまれるコミュニティに近くなっていくのではないかと思います。

上記を踏まえて、メタバースをビジネスに活用するアイデアを挙げてみます。

  • 話題性を活かして集客に活かす
  • 先進的な取り組みをしているというブランディング
  • 人脈を広げる

具体的に活用例を挙げてみます。

話題性を活かして集客に活かす

メタバースをビジネスに活用するアイデアの一つは、話題性でメディアに取り上げられるPR効果です。

メタバースという存在自体が新しいため、「はじめてメタバースで○○をした」と発表するなど、1番を狙い、PR効果やブランディング効果を狙うことができます。

メタバースでリアルの商品を出品する

業界最大級のマーケットフェスティバルである「バーチャルマーケットでは、様々な企業が出店し、店頭と同じ商品をメタバース空間で販売しています。新しい接点を持てたり先進的な取り組みとして注目を集めることができます。

ビームスがバーチャルストアに出展した例

3Dのメタバースでは、写真では難しかった奥行きや大きさをさらに伝えやすくなるので、新しいECショップの形として浸透するかもしれません。

メタバース上の店舗で売るだけでなく、リアルの店舗で洋服を購入した人にメタバース上でもアバターが使える洋服をプレゼントするということも考えられます。

先進的な取り組みをしているというブランディング

仕事を募集してみる

すでにメタバース上やVRの仕事を募集するサービス(メタジョブ)や(Gugenkaバーチャルワーク)が立ち上がっています。まだ普及していないメタバースを使いこなすような情報感度の高い人材が採用できるでしょう。また、メタバース仕事募集を出すこと自体が話題になる可能性もあります。

単純に新しもの好きの人だけでなく、国や距離を超えることができるため、何らかの理由で外で働けない人の支援や遠方の人の新しい雇用にも繋がっていくと考えられます。

分身ロボットで障害者・外出困難者の雇用を支援するサービス(avatar guild)がありますが、メタバース上でこのような働き方を支援するサービスと同様の取り組みもできるでしょう。

先進的な取り組みをしている」「リアルでは働くのが難しい人材を活用している会社であるというブランディングにもなります

人脈を広げる

イベントに参加する、企画する

まずは参加する側になってメタバースについての理解を深めたり、これからビジネスすることを考え、関心の高い人との繋がりを作っておくのも一つです。

現在は、環境の整っているユーザーが少ない事もあり、メタバース空間内で行われるイベントよりも、リアルの会場でVRやメタバースを体験するイベントが多いですが、今後メタバース上で行われるイベントも増えていくでしょう。

ビジネスの展示会や、BtoCのイベントなども出てくると思われます。メタバースの視聴環境が整い利用が身近になれば、メタバース上で何かを企画することも敷居が低くなるでしょう。

大手企業が企画するような大々的なイベントだけでなく、今のSNSで見られるような身近な人同士で連絡を取り合って集まる、といった形も生まれてきます。大きな予算をかけなくても、イベントを企画できるようになっていきます。

メタバース起業アイデア

既存の事業の活用方法だけでなく、メタバースの領域で起業するアイデアについてお話ししていきます。

ただしメタバースは暗号資産と緊密な関係ですが、暗号資産(トークン)を発行するビジネスは日本の法律が追いついていないところがあり、リスクが高いため注意が必要です。ここでは、ビットコインやイーサリアム等の有名な暗号資産以外を指します。円など国の通貨でなく、企業の独自ポイントのようなイメージです。

税務や法律については無資格者がアドバイスできないためここでは触れませんが、専門家であってもルールがいため明確な線引きができないものも多数あります。

日本政府としても、暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン、NFT(非代替性トークン)といったメタバースと関連する分野を基本路線は成長戦略として推進していく方針です。

NFTを国の成長戦略に」自民党デジタル社会推進本部・平将明議員インタビュー

今後の法整備を注意深く見守っていく必要があります。

法整備の面で日本でトークンを扱うビジネスは現実的でないため、それ以外取り組みやすいもの、これから起業する方やスモールスタートで事業を始めるのに可能性がありそうなものを挙げてみます。

メタバースでのビジネスアイデアの出し方

全くのゼロからアイデアをひねり出となると難しいですが、今までの歴史を振り返り、インターネットやSNSによって生まれたものや、新しく生まれそうなニーズ、課題となりそうなこと(それの解決法)、欲しくなりそうなもの等を考えてみるとよいでしょう。

SNSやMMOでどんなニーズがあるかを考えてみるのもヒントになると思います。

また、今あるものをメタバースに置き換えてみたらどうかということを色々あてはめてみる方法もあります。

「当たり前にメタバースでも起こるよね」というものだけでなく、意外性のあるものも可能性があります。リアルでしかできなさそうだったものをメタバースで行う、というのも面白いですし、注目を集める事にもなると思います。

例えば、冠婚葬祭、伝統工芸など、テクノロジー等から遠いものを組み合わせる方が意外性が生まれます。すでに、メタバースでの終活や冠婚葬祭の取り組みが出てきています。

終活サービス メモリアルサロン『追憶の木立』

メタバースで結婚式を挙げた例

結婚指輪をNFTにした、という例も生まれています。

メタバースでは時間や空間、時代を超えられます。ファッション1つを取っても、アバターの服装現代の服装でなく原始時代のファッションを売ってもいいわけです。現実の世界ではこの服どこに来ていくんだろうと思うものでもメタバース空間では各自好きなアバターになるので、人目を気にせず楽しめます。

既成の概念にとらわれず自由に発想できます。

メタバースでの起業アイデア9

VR構築事業

メタバース内の空間構築のニーズが高まりますので、VRでの構築を受託することもできますね。

ただVRの構築だけでなく、様々なメタバースがありますので、どのメタバースが適しているかコンサルティングから行うこともニーズがあるでしょう。

VR構築の技術はメタバースだけでなく、再現するのが困難だったり危険なもの(防災等)、物理的な規模が大きいもの(建築等)、実物が高額なもの(航空・宇宙等)のシミュレーションや研修に向いていますので、そういった事業に展開ができます。

VRコンテンツ制作会社10

セキュリティのサービス

SNSやネットの接続でも、セキュリティのニーズは常にあります。

メタバースでは暗号資産など資産価値があるものと関連性が高い点や、コミュニケーションが前提のため子供の安全性を高めるなどセキュリティが求められる場面が考えられます。

企業向けのSNS監視サービスと類似したものなど、使う上で生まれてくる課題を先回りして考えてみましょう。

出店やイベントの代行をする

メタバースは新しい分野で、経験者が少なく知見を持っている人が少ないので、メタバースに進出するにもノウハウが無く経験者にやって欲しいというニーズもあると思います。

そういったメタバースへの出店やイベント代行等のニーズが考えられます。

メタバース空間も、1つではなく様々な企業が出しており、各社特徴がありますので、そういった知見を持つと差別化ができます。

メタバースに出店する

まだメタバースに出店しても売り上げに繋がると考えにくいですが、環境が整い時間とともに価格もこなれて、ユーザーも増えていくと現実味が増してきます。

インターネットが生まれて、Webサイトを持つことやECモールに出店するのが高額な時代もありましたが、今は低額で始められる多彩な選択肢があります。

メタバースでの出店も、同じような事が考えられます。現実的な金額のものが出てきたら考えるとよいでしょう。

メタバースショッピングモール メタパ

バーチャル空間にあるショッピングモール そらのうえショッピングモール

専門的な手続きなどのサポート

メタバースは法律面がまだ整っていない暗号資産との親和性が高いため、税理士や弁護士としてメタバースや暗号資産に特化すると強みを打ち出せるでしょう。

海外のサービスも多いため、暗号資産やメタバースの通訳で橋渡しできる人も重宝されるでしょう。

前述の出店やイベント代行でも、こういった専門家と組んで提供できる体制を組んで、差別化を図ることもできます。

ゲームギルドの運営

メタバースの活用で一歩進んでいるのがゲームの分野です。ゲーム会社がその世界観でメタバース空間を開発するパターンもあり、メタバースの入り口としてもゲームはとても親和性が高いです。

ブロックチェーンゲームでPlay To Earnという、プレイヤー側が暗号資産をもらえる形態のゲームが出てきています。

NFTを貸すという仕組みを取り入れたゲームが増えてきており、ゲームを代わりにプレイしてもらい、報酬を分け合うのがビジネスになりつつあります。

ゲーマーを束ねてゲームギルドを運営する企業も出てきました。

ブロックチェーンゲームでは暗号資産が使われますが、日本でトークンを発行することは前述のようにリスクがありますので、そのリスクを取らなくてよいビジネスと言えます。

NFTを用意する必要がありますが、ゲーマーに業務委託としてお仕事をお願いする形なので高度な技術の不要なビジネスです。

ブロックチェーンゲーム JOBTRIBESのゲームギルドの例

レンタル事業

VRの視聴環境はまだ普及が充分でないため、レンタルするというサービスも考えられます。

VRゴーグルやイベント用に体験ブースをレンタルするもの、研修等の用途に物理的な会場をレンタルするもの、仮想空間を貸し出すものもあります。

rentio VRゴーグルレンタル

法人向けメタバースプラットフォーム avr-CORE

バーチャル渋谷・1DAYイベントパッケージ

人材サービス

VR人材のニーズが高まりますので、技術者のマッチングサイトの需要もあるかもしれません。

メタバースのVRエンジニアや周辺技術のブロックチェーンエンジニアなどの専門マッチングサイト等が考えられます。

また、VtuverSNSのインフルエンサーのような存在がメタバースでも需要が増えると予想されます。

自身がメタバース上のインフルエンサーになる、バーチャルタレントの事務所を運用するなども考えられます。

メタバース周辺グッズ

VRゴーグルや機器の開発は大きな投資が必要ですので、そういったものは難しいですが、アパレル・製造業の方も関係ないと思わず、アイデア次第でビジネスを考えることができます。

VRはヘッドセットを装着しますので、使う上で課題となりそうなもの、使い方などに目を向けてみましょう。メタバースで疲れにくいような椅子や、クッション、使い心地を調整するグッズなども考えられます。

スマホならスマホケースがあるように、VRゴーグルの収納用品や、持ち運びたいというニーズがあるかもしれません。

1人が1つ持つような時代になれば、スマホケースやPCケースが色々あるように、デザイン性がいいものや機能性がいいものが欲しいといったニーズが生まれてくるでしょう。

使い過ぎないようにアラートを出す防止グッズなど、アイデアグッズも考えられます。スマホでも、使い過ぎいようにする一定期間開けられないボックス等がありますね。

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まとめ~先回りしてニーズを考えてみよう

ここに挙げたものは一部です。

メタバースの登場は新しい無限の空間が生まれたようなものなので、広すぎてとてもここだけでは語れません。

メタバースは仮想空間なので、物理的な制約がありません。

インターネットが生まれたときに、ただ通信ができて、ただWebページが出てきて、それが何になるの?と言われていましたが、現在では数えきれないくらいのサービスがネットで提供されています。

それを思い返して、次に生まれそうなニーズは何か?と先回りして考えてみると、今のビジネスでの活用方法や新しいビジネスの芽が見つかるかもしれません。

まだまだこれからの分野なので、アイデア次第で面白いことができると思います。是非想像力を膨らませて、メタバースの新しいビジネスや活用にチャレンジしてみてください。

皆さまのビジネスにお役に立てれば幸いです。

こういった新しい分野での事業開発、Web集客についてご支援しております。お困りのことがあれば、初回は無料となっておりますのでこちらからご相談ください。

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 石田 康子

Web集客のスペシャリスト。小手先のテクニックだけではなく、今後流行りの手法が変わっても通用する基本の考え方、売り上げアップにつながる基本の戦略から支援します。中小ベンチャー、スタートアップ、起業家の方、幅広くご相談を受け付けています。

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ドリームゲートアドバイザー石田 康子

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