感染拡大防止協力金の概要と、売上台帳のダウンロード(Excel、手書き、スプレッドシート)

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

新型コロナウイルス感染拡大の緊急事態宣言などが出ている都道府県は、飲食店などに営業時間の短縮や休業を要請しており、その要請応じた飲食店などに協力金を支給しています。

協力金は「店を救うお金」になりうるので、支給対象になる事業者は申請を忘れないようにしたいものです。

そこでこの記事では、東京都の制度を例に取り、協力金の仕組みを解説するとともに、申請時に必要になる売上台帳のつくり方を紹介します。

協力金とは

東京都の協力金には、2021年8月31日現在、次の2種類があります。

  1. 営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金(6月21日~7月11日実施分)
  2. 営業時間短縮等に係る感染拡大防止協力金(9月1~12日実施分)

【1】と【2】では、実施期間が違うほか、【1】に「等」が入っていません。

【2】の営業時間短縮等とは、営業時間短縮や休業などになります。

以下【1】と【2】にわけて解説します。

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【1】営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金(6月21日~7月11日実施分)

協力金【1】のルールは複雑なので、大枠と詳細にわけて解説します。

大枠はこのようになります。

  • 都が6月21日~7月11日に、営業時間短縮を要請したことに伴い、全面的に協力した飲食事業者等に給付する
  • 協力金の額は、1)中小企業と個人事業主(以下、中小事業者)は1店舗当たり、52.5万~420万円、2)大企業は1店舗当たり上限420万円

それでは詳細をみていきましょう。

協力金の算出方法は複雑

協力金の額の算出方法は複雑ですので注意してください。

算出方法には、売上高方式と売上高減少額方式の2種類があり、中小事業者はどちらかを選択します。

大企業は売上高減少額方式しか選べません。

複数の店舗を保有している飲食事業者等は、店舗ごとに協力金を算出して、それを合算しますが、店舗ごとに算出方法を変えることはできません。

売上高方式と売上高減少額方式の計算方法を紹介しますが、その前に注意点が2つあります。

●注意1

  • 重点措置区域と重点措置区域外で計算方法が異なります。
  • 重点措置区域とは、「23区」と「檜原村、奥多摩町を除く多摩地域の市町」のことです。
  • 重点措置区域外とは、重点措置区域ではない都内自治体で、島しょ地域を含みます。

●注意2

  • 協力金は、店舗ごとの1日当たりの売上高を基に算出します。
  • 1日当たりの売上高は、営業時間短縮等要請期間の売上高の総額を61日(6月と7月の歴日数の計)で割った金額になります。

それでは、重点措置区域と重点措置区域外にわけて、売上高方式と売上高減少額方式を紹介します。

【重点措置区域の売上高方式と売上高減少額方式】

■売上高方式

  • 2019年または2020年の6、7月の1日当たりの売上高7.5万円以下の場合:3万円×要請日数(21日)
  • 2019年または2020年の6、7月の1日当たりの売上高7.5万円超~25万円以下の場合:1日当たりの売上高×0.4×要請日数(21日)
  • 2019年または2020年の6、7月の1日当たりの売上高25万円超の場合:10万円×要請日数(21日)

■売上高減少額方式

  • [(2019年または2020年の6、7月の1日当たりの売上高)-(2021年6、7月の1日当たりの売上高)]×0.4×要請日数(21日)

【重点措置区域外の売上高方式と売上高減少額方式】

■売上高方式

  • 2019年または2020年の6、7月の1日当たりの売上高83,333円以下の場合:2.5万円×要請日数(21日)
  • 2019年または2020年の6、7月の1日当たりの売上高83,333円超~25万円以下の場合:1日当たりの売上高×0.3×要請日数(21日)
  • 2019年または2020年の6、7月の1日当たりの売上高25万円超の場合:7.5万円×要請日数(21日)

■売上高減少額方式

  • [(2019年または2020年の6、7月の1日当たりの売上高)-(2021年6、7月の1日当たりの売上高)]×0.4×要請日数(21日)
    または
  • (2019年または2020年の6、7月の1日当たりの売上高)×0.3×要請日数(21日)
    のうち低い額

大企業は、重点措置区域でも重点措置区域外でも売上高減少額方式を使って協力金の額を算定し、1店舗当たりの協力金の上限は両方とも20万円です。

対象要件

協力金の対象になるのは、以下のすべての要件をクリアした飲食事業者等になります。

  • 2021年6月21日から7月11日までの期間、営業時間短縮等の要請に協力した都内の飲食店等(大企業、中小企業、個人事業主等が運営する店舗)
  • 重点措置区域の店舗は、従前20時から翌朝5時までの時間帯に営業を行っていた店舗が、5時から20時までの間に営業時間を短縮した
  • 重点措置区域外の店舗は、従前21時から翌朝5時までの時間帯に営業を行っていた店舗が、5時から21時までの間に営業時間を短縮した
  • ガイドラインを遵守し、感染防止徹底宣言ステッカーを全店舗に掲示している
  • 客に対し、1)酒類の提供を停止、2)酒類の店舗への持込を認めない、3)カラオケを利用しない
  • 例外として、1)同一グループの入店を2人以内、2)酒類提供の時間を11時から19時までの間(重点措置区域外は11時から20時までの間)、3)利用者の滞在時間を90分以内とした場合は、酒類提供と酒類持込は可能
  • 酒類を提供したり酒類の持込を認めたりする場合は、「東京都対策項目チェックリスト」に記載の感染防止対策を実施し、チェックリストを店頭の見やすい場所に掲示する
  • コロナ対策リーダーを全店舗で選任して登録している
  • 大企業のみ:都内の全直営店舗が要請に応じ、傘下のフランチャイズ店にも協力依頼を行う

申請に必要な書類

申請に必要な書類は以下のとおりです。

★売上高の証拠書類

  • 協力金申請書
  • 確定申告書類の写し
  • 営業実態を確認できる書類(全店舗分)
  • 遵守事項に関する確認書
  • 本人確認書類の写し
  • 支払金口座振替依頼書
  • 振込先口座及び口座名義人が確認できる書類

★売上高の証拠書類は売上台帳を提出すれば問題ありません。売上台帳のつくり方についてはあとで詳しく解説します。

申請方法

申請方法は、郵送とサイトの2通りがあり、選択できます。大企業はサイト申請のみです。

【2】営業時間短縮等に係る感染拡大防止協力金(9月1~12日実施分)

協力金【2】の大枠は次のとおりです。

  • 都が9月1日~12日に、営業時間短縮等を要請したことに伴い、全面的に協力した飲食事業者等に給付する
  • 協力金の額は、1)中小企業と個人事業主(以下、中小事業者)は1店舗当たり、48万~240万円、2)大企業は1店舗当たり上限240万円

協力金の算出方法

協力金の額は以下のとおりです。計算方法の詳細は【1】と同じですが、まだ詳細が公表されていません。

前年または前々年の1日当たりの売上高 1店舗当たりの協力金日額
中小事業者 売上高方式 10万円以下 4万円
10万円超~25万円以下 4万~10万円
25万円超 10万円
大企業 売上高減少額方式 上限20万円

対象要件

協力金の対象になるのは、以下のすべての要件をクリアした飲食事業者等になります。

  • 1)酒類を提供している店、2)酒類の持込を認めている店、3)カラオケを提供している店は、休業する
  • 酒類もカラオケも提供していない店で、従前20時から翌朝5時までの時間帯に営業を行っていた店は、5時から20時までの間に営業時間を短縮する
  • ガイドラインを遵守し、感染防止徹底宣言ステッカーを全店舗に掲示している
  • コロナ対策リーダーを全店舗で選任して登録している
  • 大企業のみ:都内の全直営店舗が要請に応じ、傘下のフランチャイズ店にも協力依頼を行う

申請に必要な書類

申請に必要な書類は以下のとおりです。

★売上高の証拠書類

  • 協力金申請書
  • 確定申告書類の写し
  • 営業実態を確認できる書類(全店舗分)
  • 遵守事項に関する確認書
  • 本人確認書類の写し
  • 支払金口座振替依頼書
  • 振込先口座及び口座名義人が確認できる書類

★売上高の証拠書類は売上台帳を提出すれば問題ありません。売上台帳のつくり方についてはあとで詳しく解説します。

申請方法

申請方法は、郵送とサイトの2通りがあり、選択できます。大企業はサイト申請のみです。

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売上台帳はフォーマットを使えば簡単につくれる

協力金の申請では、売上台帳を添付する必要があります。そこでドリームゲートは、売上台帳のフォーマットをつくり無料でダウンロードできるようにしました。

このフォーマットを使えば、誰でも売上台帳を簡単につくることができます。

そもそも売上台帳とは

売上台帳には、1)日付、2)販売先、3)販売した商品・サービス、4)売上金額を記載します。

様式は任意でよいので、ドリームゲートのフォーマットでも問題ありません。

フォーマットの入手方法

下記より「売上台帳作成で使えるテンプレート」をダウンロードできますのでご利用ください。

このテンプレートは、次の形式でダウンロードできます。

  • エクセル(Windows、Mac)
  • Googleスプレッドシート(エクセルがパソコンに入っていない方)
  • PDF(印刷して手書きで作りたい方)

エクセル形式のテンプレートダウンロード

エクセル形式はこちらからダウンロードが可能です。2シート目に書き方の見本があります。WindowsでもMacでも編集が可能です。
※簡単1分!会員登録(無料)が必要です。


Googleスプレッドシートのテンプレート

エクセルがパソコンに入っていない方はGoogleスプレッドシート上で編集が可能です。
スプレッドシートの編集権限はありませんので、必ずコピーしてお使いください
※簡単1分!会員登録(無料)が必要です。


PDF(手書き)のテンプレートダウンロード

PDF形式でダウンロードして印刷すれば、手書きでも作成できます。
※簡単1分!会員登録(無料)が必要です。


売上台帳はどう書けばよいのか

売上台帳は、以下のように記載してください。

記載の注意点は以下のとおりです。

  • 1カ月ごとにページを変え、そのページに年と月を記載する
  • 社名を記入する
  • 取引のあった日付を記入する
  • 取引先を記入する
  • 商品・サービス名を内容欄に記載する
  • 数量、単価、金額(税込)を記入する

売上がない月はどう書くのか

売上がない月も売上台帳のページをつくります。

「日付」のところに「当月売上なし」と記載すればよく、あとは空欄にしてください。

まとめ~確実に協力金を獲得していただくために

いくらコロナ対策のためとはいえ、休業要請や営業時間短縮要請を受けることは、経営者にとってつらく苦しい決断だったはずです。

協力金は、その決断と実行に少しでも報いようと支給されます。

ドリームゲートは、対象となる飲食店事業者様にこの「お金」を確実に獲得していただくために、売上台帳のフォーマットを作成して無料配布することにしました。

ぜひ有効活用してください。

執筆者プロフィール:ドリームゲート事務局

ドリームゲートは経済産業省の後援を受けて2003年4月に発足した日本最大級の起業支援プラットフォームです。
運営:株式会社プロジェクトニッポン
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