起業セミナーの選び方・受けるメリットと怪しい起業セミナーの見分け方

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 引地 修一

これから事業を始めようとしている方の中には、起業セミナーへの参加を検討している方も大勢いらっしゃると思います。

起業セミナーには、創業にあたって必要となる知識が獲得できる、講師や参加者との交流が持てるといったメリットのほか、公的機関主催セミナーを受けると会社設立登記費用が安くなる、公庫の創業融資で自己資金が不要になる、補助金の上限額が増えるといったメリットがあります。

しかし一方で、中には金銭目的の怪しいものもあるため、よく吟味して参加する必要があります。

この記事では、起業セミナーの種類や内容、起業セミナー参加のメリット、起業セミナー選びの注意点について詳しく解説します。

- 目次 -

起業の知識

起業をする際には、ある程度法律の知識が必要となるため、セミナーを活用して、最低限知っておくべきポイントを押さえましょう。

起業の種類

起業の種類には、個人事業主と法人の2種類があります。

個人事業については、税務署に「個人事業の開廃業届」を提出するだけで済みますが、法人で創業する場合には、法務局へ法人設立登記の申請をする必要があります。

法人とは

法人とは、いわゆる会社や組合のことであり、自然人である個人とは別に、独立した人格(法人格)を持った存在となります。

 

なお、会社には、以下の4つの種類があります。

種 別

特徴

設立の費用

株式会社

株式を発行して資本を調達する。出資者と会社の経営者が異なる

20万円程度

合同会社

出資者と会社の経営者が同じ

6万円程度

合資会社

無限責任者と有限責任者の最低2名を必要とする

6万円程度

合名会社

無限責任者1名で設立可能

6万円程度

 

法人の場合の起業の流れ

法人を設立して起業する場合の手続きの流れは、以下の通りとなります。

  • 会社の印鑑購入と基本情報の決定
  • 資本金を準備する
  • 定款を作成する
  • 公証役場で定款認証を受ける(株式会社のみ)
  • 資本金の払込
  • 法務局で登記申請をする
  • 登記申請後に法務局で登記完了の確認(登記事項証明書の取得)

なお、創業時に何らかの許認可の取得や融資の申込みが必要となる場合には、法人の設立後にこれらを行います。(許認可の取得と融資申込みの両方が必要となる場合には、原則として、許認可取得後に融資の申込みをします)  

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起業セミナーで学べる3つのこと

起業セミナーでは、通常、以下のようなことを学べますが、内容はセミナーによりすべて異なるため、プログラムや案内を確認して自分にあったものを選択しましょう。

マーケティングを学べる

企業を経営する上で、何を、誰に対して、どのような方法で販売するのかということを、マーケティングといいます。

マーケティングにおける戦略を考える際には、次の項目を明確にしておく必要があります。

  • Why(なぜ、この事業をするのか?)
  • What(商品・サービスの具体的な内容は?)
  • Where whom(想定する市場は?顧客は?)
  • How(どんな特徴で、どんなノウハウを活かすのか?)
  • When(どのようなタイミングで行うのか?)
  • Who(誰がやるのか?)
  • How much(売上高や利益の目標は?)

とくに戦略の基礎を作る上では、What、Where whom、Howの3つが重要となるため、まずはこの部分から戦略を組み立てていけるよう、セミナーでスキルを身につけましょう。

営業手法を学べる 

営業は、会社の業績を左右するうえで非常に重要となるスキルです。

誰に対して、どのように、何をアピールするのかが大切なポイントとなりますが、まずは「どうやって、顧客を見つけて、接点を持つのか?」ということが大きな壁となります。

 

そのため、営業経験がない、もしくは乏しいという場合には、営業力を強化することに重点を置いたセミナーへ参加することをおすすめします。

営業のセミナーに参加することで、トーク力・ヒアリング力・提案力が学べるとともに、そのスキルは、のちに従業員の営業力の育成にも役立てることができます。

また、自分一人での営業が難しい場合には、他人とタイアップするなどの戦略も効果的なため、そのための仕組みづくりが学べるものに参加するとよいでしょう。

経営の基礎知識が学べる

経営者向けのセミナーでは、通常、経営方針の作り方、資金調達法、税金対策など経営者として欠かせない基本的な知識が学べます。

 

しかし、セミナーによっては、内容が難しすぎるものや、すべての受講を終了するまで何日もかかるケースもあります。

とはいえ逆に、これらのことを短時間で教えるセミナーでは、内容が薄く、表面的な知識しか得られないケースもあります。

 

経営者向けのセミナーは創業セミナーよりも情報量が豊富なものが多いですが、すべての分野をカバーしているわけではないので、自分に必要なテーマがどれだけ含まれているかに注意して選びましょう。

起業セミナーを選ぶ際のチェックポイント

起業セミナーは多くの場所で開催されており、学べる内容もそれぞれで異なるため、あらかじめ「それに参加することで何が得られるのか?」を確認して参加しましょう。

内容で選ぶ

起業セミナーを内容から分類した場合には、次のようなものがあります。

<座学型とワーク型>

起業セミナーは、その講義のスタイルから「座学型」と「ワーク型」の2種類に分けられます。

 

「座学型」は、起業や経営に必要な科目についてテキストや資料を使って講義をするタイプで、もっとも一般的なものとなります。短時間で広い範囲の知識を学べますが、内容は一般的かつ机上のものとなりやすいです。

 

「ワーク型」は、セミナーの多くの時間を作業(ワーク)に費やすタイプのもので、内容が実践的で、実務ですぐに使いやすいという特徴があります。事業計画書の作成などがその代表となります。しかし、一方で、このタイプは、あまり多くのことができない、スキルの習得にばらつきが出やすいものとなります。

 

<講義内容での分類>

セミナーを講義の内容から分類した場合は、以下のようになります。

開業知識

創業セミナーの中で最も多いのがこのタイプで、開業に必要な知識の全般についてレクチャーするものです。このタイプのセミナーでは、主に次のようなテーマについての知識を学ぶことができます。

  • 起業をする場合の法人と個人の違い
  • 会社の種類と特徴、費用
  • 会社の設立登記申請手続き
  • 事業計画書の作成
  • 創業時に利用できる資金調達方法とそれぞれの特徴
  • 記帳会計や税務
  • 各種の支援策

少ない時間で広い範囲の知識を学べますが、詰込み型となりやすく、一つ一つのテーマについては簡単な内容で終わりがちといえます。

 

資金調達

資金調達に関するセミナーでは、融資や補助金・助成金といった、開業資金や運転資金を集める方法に関する知識を学ぶことができます。

 

よく取り上げられる内容としては

  • 資金調達の種類や方法
  • 融資の種類や利用できる金融機関の特徴
  • 事業計画書の重要性
  • 資金繰りの方法
  • 融資に必要な決算書の見方

などがあります。

資金調達というある程度テーマを絞ったものとなるため、総合的なセミナーよりは深い知識を学べますが、一つ一つの手法やテクニックについて深く学ぶためには、長期日程の講座を選ぶ必要があります。

 

現在、融資などの資金調達を考えている、開業後の資金繰りに不安があるという方に、おすすめといえます。

 

事業計画の作成

単発のテーマとして、比較的よく開催されているのが事業計画書の作成のセミナーです。

融資等の申込みを予定している方が、具体的な事業計画作成のテクニックを学べるものとなっています。

 

通常は、日本政策金融公庫の創業融資の事業計画書作成をテーマとしたものであり、公庫の創業計画書の記載例等を使って解説するというのが一般的です。

 

詳細に事業計画書の作成が学べるため、すぐにその後の申込みに応用しやすいといえますが、セミナーによっては記載例の中身を解説するだけのものもあるため、しっかりと自分で事業計画書の作成ができるようになるものを選ぶ必要があります。

 

税務・会計

このタイプのセミナーでは、創業時に利用できる税務や会計処理について学べる内容となっています。

記帳会計のスキルは開業後にすぐ活用できるため、このようなセミナーで基本的な知識やテクニックを学んでおくことは非常に有用といえます。

 

しかし、セミナーの内容は簿記の知識を前提としたものとなりやすいため、まったく簿記を知らない方が参加しても理解できない場合があり、また、税務についてもすぐに役立てられるものは少ないため、自分のレベルや状況にあわせたものを選択することが重要です。

 

人の採用や労務管理

人の採用・雇用や雇用後の労務管理に関する知識を学べるもので、主に労働基準法を中心とした内容です。これから人の採用を予定している方や、現在の労務管理に不安があるという方におすすめといえます。

 

ただし、講義の内容は労務関連の法律を中心としたものとなるため、この部分についての知識がない方が参加しても、「結局、何をすればよいのかわからない」ということになりがちです。 

そのため、セミナーには、「労働条件通知書を作りたい」、「採用するときの注意点を確認したい」など、具体的な目標をもって参加すると充実したものとなるでしょう。  

登壇者で選ぶ

セミナーでは、「どんな人が講師となるのか?」ということにも注意しましょう。

その人の経歴や実績が重要なのは当然ですが、話し方や講義の進め方なども重要なポイントです。

 

また、そのセミナーのテーマを専門的に行っている講師の方が、内容が充実しているケースが多いため、そのようなキャリアを持った人なのかどうかもチェックしましょう。

業界で選ぶ 

セミナーの内容が「飲食店の開業」や「建設業の始め方」などのように特定の業種を対象としたものである場合には、講師も当然そのような方が好ましいといえます。

 

また、このようなセミナーの場合には、その業界に関するコンサルタントよりも、実際にその業種について経営をしている講師の方が、実態に即したリアルな話を聞きやすいといえます。    

対象者で選ぶ

セミナーはどのような層をターゲットとしているかによっても、内容や進め方、見せ方が変わります。

 

たとえば、学生向けの起業の場合には、比較的ライトな内容となりますが、社会人で起業したい方を対象としたセミナーの場合には、より具体的な内容となります。

また、女性を対象としたものである場合には、比較的少ない資金で起業でき、リスクの少ないものが喜ばれます。

 

このようにどの層を対象としているかによっても、セミナーの内容が変わるため、参加をするときにはこの点についても注意してください。

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起業セミナーに参加する3つのメリット

起業セミナーへの参加には、以下のように多くのメリットがあります。

メリット①プレゼン力が向上する

連続型のセミナーでは、プレゼンの技術向上ためのレクチャーや、実際にそこで学んだ内容をロールプレイするカリキュラムが組まれているものがあります。

そのため、なかなか一人では身につきにくいプレゼンのスキルを上げるのに役立ちます。  

メリット②個別相談 

一部のセミナーでは、中小企業診断士などの起業の専門家と個別で面談できる場合があります。

 

起業前には、「自分はこの業種に向いているのだろうか?」や「問題なく資金繰りや集客ができるのだろうか?」など、さまざまな不安が生じます。

個別相談はこのような不安を持つ方からヒアリングをし、その状況にあわせた解決策の提案をするため、書籍の事例やQAを参考にするよりも、より明確な回答が得られやすいといえます。

しかし、短い時間のヒアリングだけでは深く相談者の状況や背景を知ることは難しいことが多く、適切な回答をするためには、より長い時間や複数回のヒアリング等が必要となることもあります。

 

また、回答者が相談者の希望する業種を経験していない場合には、実際の体験にもとづいた質の高い回答ができず、表面的な内容となってしまいがちです。

メリット③起業仲間と出会える 

起業セミナーは、同じ志をもった方が参加しているため、講義を通じて仲間を作りやすい環境であるといえます。

 

そのため、

  • セミナーを通して、多くの仲間と出会える
  • 事業についてのアライアンスパートナーを見つけられる
  • 体験談や情報を共有できる

 

といった、メリットが得られます。

公的機関が主催する起業セミナーを受ける3つのメリット

セミナーには、民間が主催するもののほかに、公的機関が主催するものがあります。公的機関が主催するセミナーには、その後の支援が受けられるなど民間にはない特徴をもつものもあります。

「特定創業支援等事業」による支援について

「産業競争力強化法」は、経済を復興させ企業の持続的発展を促すために制定された法律です。この「産業競争力強化法」では、市区町村が民間の創業支援等事業者と連携して行う、ワンストップ相談窓口の設置、創業セミナーの開催、その他創業支援について国が認定する仕組みとなっています。

この制度を利用して行政が行う支援は「特定創業支援等事業」と位置付けられ、この支援を受けた創業者は各種の優遇制度を利用することができます。

この仕組みの代表的なものとしては、認定を受けた市区町村が行う「創業塾」があります。

この創業塾を利用した創業者が受けられる優遇としては、以下のものがあります。

メリット①登録免許税の減免

認定を受けた市区町村が行う「特定創業支援等事業」に参加した創業者が会社を設立する場合には、会社設立登記の登録免許税が株式会社または合同会社については資本金の0.70.35%に、合名会社または合資会社については、6万円→3万円に減額されます。

参考:
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/jigyosha/syoko_rodo_soudan/sogyoshien/shomei.html

メリット②日本政策金融公庫の新創業融資制度の優遇等

「特定創業支援等事業」に参加した創業者が日本政策金融公庫の新創業融資制度による融資を申し込む場合には、自己資金要件(創業資金総額の1/10以上の自己資金の保有が必要)を満たすものとして取り扱われます。

また、日本政策金融公庫の新規開業資金について、貸付利率が引き下げられます。

参考:
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/jigyosha/syoko_rodo_soudan/sogyoshien/shomei.html

メリット③小規模事業者持続化補助金の補助上限額の優遇

「特定創業支援等事業」に参加した小規模事業者については、小規模事業者持続化補助金の補助上限額が50万円→200万円に引き上げられます。      

参考:https://r3.jizokukahojokin.info/doc/r3i_koubo.pdf

起業セミナーの探し方

起業セミナーはどこでもよいというわけではありません。参加してよかったと思うセミナーを見つけるためには、事前に調べて、内容をよく確認することが成功のポイントとなります。

起業セミナーの調べ方

起業セミナーについては、以下のサイトなどで調べることができます。とくに商工会では、定期期に各種のセミナーを開催しているので、こまめにチェックしましょう。

https://www.tokyo-cci.or.jp/

https://www.osaka.cci.or.jp/

https://www.sansokan.jp/

https://www.dreamgate.gr.jp/seminar/

起業セミナーの選び方 

セミナーを選ぶ際には、以下の点について注意して選ぶと、自分にあったセミナーを見つけやすくなります。

自分が事業を展開する地域のセミナーを選ぼう

セミナーを選ぶときには、自分で事業を行う地域のものを選ぶことをおすすめします。

地域内のセミナーであれば、その地域の状況を踏まえた内容となりやすく、また、その中で紹介される施策や制度なども使いやすいといえます。

 

また、遠方でのセミナーに参加する場合には、それに見合った時間や費用もかかりますが、近場のセミナーであれば時間も費用も節約できます。

事業の業種にあったセミナーを選ぼう

起業セミナーは、できるだけ自分の事業にあったものを選ぶということも大切です。

 

法人の設立手続きのような内容であれば、どの業種のセミナーでも差はありませんが、事業コンセプトや事業計画書の作り方等では、その業種の内容が色濃く反映されます。

 

そのため、これから行う事業とセミナーで取り上げられる事業にミスマッチがあると、講座の内容も参考にしにくくなりますし、応用のしづらいものとなってしまいます。

オンラインで開催するセミナーも選択肢に入れよう

最近は、リアルだけでなく、オンラインによるセミナーも頻繁に開催されています。

オンラインのセミナーには、次のようなメリットがあります。

  • 日時や天候に左右されずに参加できる。
  • リアルと比較して参加費が安いものが多い。
  • 会場までの移動や費用が不要。

ただし、リアルと比べて、熱意が伝わりにくい、質問がしにくいといった問題もあるため、十分に情報を集めてから決定するようにしましょう。

女性の起業、事業展開に関連したセミナーも検討しよう

各自治体や支援センターでは、女性向けのセミナーも数多く開催されています。

女性向けのセミナーには、以下のような特徴があります。

  • 女性の生活様式や行動に配慮したテーマとなっている。
  • 女性に多い小規模事業の起業にフォーカスした内容となっている。
  • 小売りや美容などの女性の起業しやすい分野が多い。

たとえば武蔵小山創業支援センターでは、とくに女性の起業に力を入れた支援を行っており、セミナーの内容も女性中心のものとなっているので、参加しやすいでしょう。

怪しい起業セミナーの見分け方はコレ! 

セミナーの中には役に立つものだけでなく、団体が怪しいものや、本来の目的がテーマ以外にあるなど注意しなければならないものあります。このようなセミナーに参加してしまうと時間や労力がムダになるだけでなく、ケースによってはトラブルに巻き込まれる可能性もあります。

怪しいセミナーの特徴

怪しいセミナーには、以下のような特徴があることが多いため注意しましょう。

「確実に稼げる」、「楽に稼げる」等、甘い誘い文句を使用している

このようなセミナーは、投資系や副業系のものに多く見受けられますが、「確実に稼げる」や「楽に稼げる」などの誘い文句で勧誘しているセミナーは、ほぼ確実に悪質といえます。

 

当たり前ですが、確実に稼げたり、楽に儲かるものなどはありません。

とくに「元本保証」という言葉で勧誘は出資法違反となりますので、近寄らないようにしましょう

不安に付け込んだ誘い方

「仕事がうまくいかないのは、心に問題があるから」や「このセミナーに参加すれば家庭がうまくいく」など人の弱みを解消できるかのように謳っているセミナーは、心霊商法や洗脳系のもので多く見られます。

 

もちろんこれらはそのほとんどが詐欺なので、このような切り口で集客しているセミナーは危険と思った方がよいでしょう。

講師、運営会社の透明性がない

セミナーを主催する講師の履歴がよくわからない、運営会社の実態が見えないような場合には、自分で納得のいくまで調べてから参加するようにしましょう。

 

とくに講師の経歴があまりに華やかな場合には、虚偽であることも少なくありません。このようなセミナーに参加すると、それを糸口として、架空のもうけ話や投資に誘導される可能性が高くなります。

現実離れした日常(毎食が高級レストラン、高級ブランドの服を大量に入手など)を売りにしている

セミナーの中には、高級品やブランド品をちらつかせて、「セミナーに参加すればすぐにこんなものが手に入る」、「豪華な生活ができる」などの集客をしているものもあり、とくに女性を対象としたものに多くみられます。

 

このようなケースでは、仕事を紹介するといってハイリスク名投資への勧誘や、偽ブランドの販売をさせるようなものが多いため、通常ではありえない売上や利益を宣伝しているものには参加しないようにしましょう。        

無料セミナーから高額セミナーに勧誘されるパターン

マーケティングの代表的な手法として、「フロントエンド」と「バックエンド」を利用したものがあります。

 

フロントエンドとは、集客用の商品やサービスであり、バックエンドは最終的に売りたい商品等のことをいいます。

セミナーでは、無料や格安、普通ではありえない特典などをつけている場合がありますが、これらはフロントエンド商品となります。しかし、フロントエンド商品につられてセミナーに参加すると、その中で高額な商品の購入(バックエンド)に誘導されてしまいます。

もし参加するのであれば、そのセミナーだけにとどめるか、もしくははじめから参加しないという判断が求められます。

 

このようなセミナーの代表的なものとしては、

  • コンテンツ提供型セミナー(コンテンツの提供を中心とした一般的なセミナー)
  • 販売型セミナー(高額講座、情報商材、集客ツールなどの販売を前提にしたもの)

の2種類がありますが、とくに販売型セミナーについては高額な費用が発生しやすいため、不要と感じたらハッキリと断ることが必要です。

安全なセミナーの探し方

セミナーを探す場合には、以下のことに注意すると安全なものを見つけることができます。

会社名の検索

参加したいテーマのセミナーが見つかったら、まずはセミナーの告知や案内に記載されている主催会社名を検索して、どのような事業をしているのかや、評判などを調べてみましょう。

 

検索時に「〇〇会社 実績」や「〇〇会社 評判」などのキーワードで検索すれば、関連する記事が見つかります。会社の本業がセミナーの内容とかけ離れている場合や、評判を調べたときに悪い評価が多い場合には、参加を見送ることも考えましょう。

受講者の声などを調べる

受講者の声などもセミナーの良し悪しの調査に有効です。

受講者の声を見ることで、およそのセミナーの雰囲気や概要を知ることができます。

 

しかし、通常、受講者の声は都合のよいものしか掲載されていないので、その内容を過信するのは禁物です。そのため、受講者の声を参考にするときには、「よかった」などの感想を見るのではなく、「具体的にどんな内容だったのか?」、「自分が希望する内容なのか?」に注意してみるようにしましょう。

主催者のSNSをチェックする

最近は主催者がSNSで情報を発信しているケースも多いため、こちらについても確認しておくとさらに多くの情報を集めることができます。

しかしながら、告知の内容とSNSで紹介されている内容が異なる場合もあるため、そのような場合には事前に主催者に確認しておくと安全です。

誤って怪しい起業セミナーに参加した場合

誤って怪しいセミナーに参加してしまった場合には、まずはキャンセルができるか?、その場合には参加費が返金されるのか?を確認しましょう。

 

しかし、有料のセミナーは、そのほとんどが前払いまたは開始前の当日払いとなっているため、一度、支払ったあとでは返金が難しくなってしまいます。

 

なのでもし、「内容が違う」、「予定にない高額の商品やサービスを購入された」という場合には、

  • クーリングオフ制度が利用できるか検討する
  • 特定商取引法や消費者契約法などにより、取消や無効の主張ができるかを確認する。
  • 消費者センターに相談する

などを検討し、できるだけ速やかに対応しましょう。

起業セミナー参加、利用時の注意事項

以上の他にも、セミナーに参加するときには、次のことに気をつけるとさらに充実したものとすることができます。

余裕を持ったエントリーを

セミナーの中には、半年や年に1度しか開催されないものもあります。

そのためこのようなセミナーで参加し損ねると、次に参加できるまで長い時間待たなければなりません。

また、いつでも申し込めると考えていると、満席で参加できないということもあります。

開催頻度が少ないセミナーは、申込期間だけでなく、参加人数についても確認しておきましょう。

得た知識は使いましょう

セミナーを受講したらそれだけで満足してしまう方が少なくありません。

しかし、セミナーは、そこで学んだ知識をその後の行動や実務に生かすことに意味があります。

これをしないと単なるセミナーマニアとなってしまいますので、受講後はシッカリと内容の振り返りをしましょう。     

まとめ

起業に関するセミナーは、さまざまな種類や規模のものが開催されており、無料で参加できるものも数多くあります。

 

しかし、せっかくのセミナーも自分のやりたいことや目標が明確になっていないとその価値が半減してしまいます。そのため、セミナーに参加するときには、「何を学びたいのか?」ということをしっかりと意識した上で参加するようにしましょう。

 

また、地方の方で、対面形式の起業セミナーが少ないという方には、自宅で参加できるオンラインセミナーがおすすめです。

                        

なお、ドリームゲートでは、各種相談だけでなく、起業に役立つ各種の無料セミナーを随時開催しています。女性講師も数多く在籍しているため、女性の方でも気軽に参加いただけます。

また、オンラインセミナーも充実しているので、「起業の前にちょっと知りたい」という場合の知識の整理にもお役立ていただけます。

執筆者プロフィール:引地 修一/Ichigo(一期)行政書士事務所

創業者と経営者の資金調達から事業再生、記事取材までを幅広くサポート。
保有資格:行政書士、事業再生士補、事業再生アドバイザー、宅地建物取引士、古物商

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