これから起業したいとお考えの中には
「本当に自分も起業して成功できるのだろうか?」
「どんな手順ですればよい?」
と、不安な方も多いと思います。正しい手順で行えば、誰でも起業することは可能です。しかし、この手順を間違えると、手続きのやり直しや時間・費用のムダとなってしまうばかりか、成功が遠のいてしまいます。
この記事では、起業家の支援を20年行ってきたドリームゲートが、起業したい人が成功するための4つのステップとともに、資金調達やアイデアの作り方、女性が起業するときのポイントについてご紹介いたします。
- 目次 -
起業とは
「起業」とは、新しい事業を始めることをいい、創業も同じ意味です。これまで学生だった方やサラリーマンだった方が、はじめて自分で事業を起こすケースがこれにあたります。会社を興すことだけが起業ではなく、個人事業として始めることも起業のひとつです。
個人事業の場合は税務署へ開業届を提出、法人の場合は法務局へ法人設立登記を申請することで、起業は誰でも行うことができます。
しかし、重要なのは起業をすることでなく、事業を継続することつまりは「経営」をすることです。そのためには、どうやって事業をするのか、どのような仕組みで利益を出すのかといった事業プランや事業計画が重要となります。
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起業したい人が成功するための4つのステップ
起業する人に共通する目標は、その事業が成功することです。ここでは起業が成功するために行うべき4つのステップを説明します。
1.自分の考えを明確にする
起業をするには、まずは自分の考えを明確にする必要があります。そのためには、起業する目的や手段、アイデア等について個別に整理していくと、考えをまとめやすくなります。
なぜ起業したいのか?
なぜ、自分が起業したいのかという目的を明確にしましょう。事業の目的は人それぞれで違いますが、単に「多くのお金を儲けたいから」といった漠然としたものでは、長く続けることは難しいといえます。
TEDの人気講義「WHYから始めよ」(サイモン・シネック)で語られる理念がとても有名です。
Appleなど人々を熱狂させる商品やサービスを提供する人は、お金儲けが動機ではなく、信念や情熱といった動機(WHY)になっているから成功する、といったことを語っています。
具体的には、
「コーヒーは利益率が高いし安定した収入が見込めるから喫茶店をはじめる」
ではなく
「自分が惚れ込んだコーヒー豆をくつろぎの空間で人々に提供したいから喫茶店をはじめる」
といった目標があると、人々を惹きつけ、成功へと近づきます。
何をやりたいのか?
目標を達成するには、「それをどのような手段で行うのか?」を考える必要があります。
起業を成功させるには、自分のやりたいことが決まっているだけでなく、それ以外にも「自分ができること」(経験やスキル、人脈)と「世の中のニーズを満たす内容であること」が求められます。そのうえで、この3つを満たすための具体的な仕組みが手段となります。
アイデアがない場合はどうする?
起業のためには優れたアイデアやプランが必要ですが、これがなかなか見つからない場合は、「すでにあるものを組み合わせて考える」、「できることよりも、求められることを中心に考えてみる」などを検討してみましょう。
単なる人まねや、はやりの後追いをするだけでは、継続して事業をすることはできません。
他のビジネスの良い点を参考にするのは悪くないのですが、その中にオリジナルな部分や強みが持てるようブラッシュアップしましょう。
起業セミナーで情報収集する
起業をするには、これから行う事業について深い知識を持っているのは当然ですが、実際の経営のシーンではそれ以外にも、ビジネスプランの作成、経理や会計、資金繰り、法律、労務などの知識が必要となります。
これらはいずれもすぐに必要となるものですが、開業時にすべての知識を十分に持っているという方はほぼいないため、自分の知識に不足があると感じる場合には、必要な部分をセミナーなどで学ぶことをおすすめします。
また、漠然と起業をしたいけれど、一歩が踏み出せない、アイデアがないといった理由で動けずにいる場合にも、セミナーで得た知識や経験が後押ししてくれます。
ドリームゲートでは、公認の起業に関する専門家による各種セミナーを紹介しています。ビジネスモデルづくりやマッチングといった起業に欠かせないテーマについても数多く開催しています。
2.事業計画書を作成する
事業計画書とは、「起業のためのアイデアや計画を具体化したもの」です。
事業計画書を作成することには、次のようなメリットがあります。
- 漠然としたイメージを明確にできる
- 経営方針と目標が明確となる
- 自社の強みと弱みを認識できる
- 出資や融資などの資金調達に役立つ
とくに、融資の申込みでは、必ず事業計画書が必要となるので、十分な額の融資を受けるためには、金融機関の人間を納得させることのできる計画を作成することが求められます。
事業計画作成の8つのポイント
事業計画書を作る際には、以下の8つのポイントを意識してまとめると説得力のある計画となります。
①Why:なぜ、この事業をやるのか?
前述の記事を参考に、「なぜ、自分が起業したいのか?」を明確にしましょう。この部分が明確であるほど、困難を乗り越える力となるだけでなく、事業を続ける際の精神的な支えになります。
②What:商品・サービスの具体的な内容
提供する商品やサービスは、利用する価値のあるものである必要があります。そのため、自分のサービス等の具体的な内容を具体的にまとめ、「それらが利用者に役立つのか?」や、「いまあるものと比較して優れた部分はあるのか?」という視点から見直してみましょう。
③Where・④Whom:想定する市場と顧客
事業を成功させるには、市場=whereと、ターゲット顧客=whomを明確にしましょう。
市場は自分の思い込みや予想ではなく、公的なデータや自ら実地に調査した結果にもとづいて検討しましょう。また、ターゲット顧客については、ありふれた漠然としたものではなく、ペルソナを作成するなど、ギリギリまで絞り込むようにするとその後の戦略作りに生かせます。
⑤How to:どんな特徴で、どんなノウハウを使う?
ライバルに打ち勝つためには、その商品やサービスに優位性や強み、オリジナリティがなければなりません。この点については自分だけで判断するのではなく、専門家などの第三者からアドバイスをもらうようにしましょう。そうすることで、気づかなかった視点を発見したり、抜け落ちていた部分を埋めることができます。
⑥When:どのようなタイミングで行うか
事業は、どのようなタイミングで行うのかも重要なポイントです。とくに、「資金」をいつ調達・投入するのかは事業の成否にかかわるため、どんぶり勘定ではなく、しっかりした資金計画にもとづいて行う必要があります。
⑦Who:誰が事業をやるのか
事業をするには自分だけでなく、パートナーや従業員などの協力も欠かせません。とくに従業員については、まったくの未経験者なのか、それとも十分に経験を積んだ人間なのかにより、その後の教育や事業の進め方が大きく異なってきます。また、優れた人材を採用できれば、経営をする際のよいアドバイザーとなることも期待できます。
⑧How much:資金や売上高、利益の目標
間違いのない起業をするには、無理のない資金や売上高、利益の目標を立て、それを実行していかなければなりません。また、融資を利用する場合には、確実に返済ができる財源を確保する必要があるため、自分で借入額や利益を試算するだけでなく、専門家の意見も参考にすることをおすすめします。
3.資金の調達方法を考える
起業予定者が資金調達をする上では、必要資金の考え方や調達方法、調達の種類について十分に理解し、資金プランを検討することが重要です。
必要資金の考え方
日本政策金融公庫総合研究所の作成した「2022年度新規開業実態調査」によれば、開業費用は「250万円未満」(21.7%)と「250万~500万円未満」(21.4%)で全体の4割以上を占めており、「250万円未満」で開業する人の割合は増加する傾向にあります。
一方、開業時の資金調達額については平均1,274万円であり、資金調達先は「金融機関等からの借入」が平均882万円(平均調達額に占める割合は69.2%)、「自己資金」が平均271万円(同21.3%)で、両者により全体の90.5%を占める結果となっています。
以上のことから、自己資金と借入額の比率は約3.2倍なっており、このことは一般的に融資が受けやすいとされる自己資金と融資申込額との比率が3〜4倍程度ということにも符合する結果となっています。
売上予測の方法
なお、売上予測の方法は事業の種類によって異なりますが、代表的な業種については以下の通りとなっています。
① コンビニエンスストアなどの店舗販売のウエイトが大きい業種
1㎡あたりの売上高 × 売り場面積
② 部品加工業や運送業など設備単位当たりの生産能力に依拠している業種
設備の生産能力 × 設備数
③ サービス業関連業種
客単価 × 整備単位数(座席等) × 回転数
開業時に必要となる設備資金の額は、必要となる設備の見積額の合計となりますが、運転資金については、以下の項目の3〜4ヶ月分が目安です。
開業当初の月 | それ以降の月 |
店舗の保証金や手数料 | |
当初の仕入れ代 | 補充分の仕入れ代 |
家賃 | 家賃 |
人件費 | 人件費 |
水道光熱費 | 水道光熱費 |
通信費 | 通信費 |
宣伝広告費 | 宣伝広告費 |
その他雑費 | その他雑費 |
支払利息 | 支払利息 |
事業計画書では、これらの目安をベースとして資金計画を作ります。
資金計画では、「必要な資金の欄」に設備と運転資金の合計額を、「調達の方法の欄」に自己資金や、親等からの借り入れ、金融機関からの借入額を記載しますが、このとき必要な資金の欄と調達の方法の欄の金額は必ず一致させます。
資金調達方法
起業時の資金調達方法としては、はじめに日本政策金融公庫の融資を検討することをおすすめします。公庫の新創業融資制度は、最大3,000万円の融資を無担保・無保証で利用できるため、多くの創業者の方に利用されています。ただし、申込みにあたっては、「創業にかかる経費の1/10以上」の自己資金が必要です。
それ以外にも、資金調達の方法には以下のようなものがあります。
・制度融資
都道府県や市区町村が行う金融機関と信用保証協会が連携した融資制度で、公庫融資と同様、低い金利で比較的大きな額の融資を利用できます。ただし、制度融資は各自治体が主催して行う融資制度のため、融資限度額や各種の要件は自治体ごとに異なります。
・出資
出資には、主にベンチャーキャピタルとエンジェル投資家によるものの2種類があり、どちらも資金の返還は不要です。
「ベンチャーキャピタル」とは、ハイリスク・ハイリターンによる積極的な投資を行う投資会社のことをいい、大きなリスクをとって投資するため、スタートアップやベンチャー企業に向いた資金調達方法といえます。ベンチャーキャピタルは、大きな額の資金調達をしやすい反面、厳しい審査に合格する必要があります。
一方、「エンジェル投資家」は、その企業の経営理念や将来性に賛同し、支援や資金調達の協力をしてくれる個人のことをいいます。特別な技術等がなくともエンジェルの理解や賛同が得られれば出資を受けられるというメリットがありますが、ベンチャーキャピタルと比べて「一口当たりの金額が小さいものが多い」、「必要な額が集まりにくい」といった特徴があります。
・クラウドファンディング
「クラウドファンディング」は、インターネットを利用して、事業に協賛してくれる人から資金を集める手法であり、融資型・購入型・ファンド型などの種類があります。手軽に行うことができますが、「いくらの金額が集まるのかがわからない」、「企画が失敗する可能性がある」などのリスクもあります。
4.起業のスタイルを決めて手続きを進める
起業の方法には、主に個人と法人・フランチャイズの3つの形態がありますが、それぞれでその内容や特徴が大きく異なるため、内容を理解して自分にあったものを選択するようにしましょう。
個人事業主で起業する
<メリット>
- 簡単な手続きで開業できる・・・個人事業は、「開業届」を提出するだけで事業を始めることができます。
- 事業内容を自分で決められる・・・個人事業では、法人のような定款による制限がなく、自分でしたい事業を決めて行うことができます。
- 記帳や申告手続きが簡単にできる・・・個人事業の記帳や申告は簡単な内容が多いため、自分でも行うことができます。
<デメリット>
- 法人より社会的な信用が低い・・・個人事業は、法人よりも社会的な信用力が低くみられやすく、また、相手によっては取引が制限されることがあります。
- 従業員の採用等で不利となりやすい・・・個人事業は法人と比べて、信用力などの点から採用などで不利になりやすい場合があります。
- 税金の負担が重くなりやすい・・・個人事業で課税される税金は所得税となりますが、これは累進課税となるため、一定の所得を超えると法人よりも税負担が大きくなります。
<手続き・費用>
個人事業は、管轄の税務署へ「開業届」を提出するだけで、すぐに事業を始めることができます。また、開業届の提出に手数料はかかりません。
法人として起業する
<メリット>
- 信用力が増す、取引で有利となる・・・法人化することで、社会的に信用力のある企業と見られやすくなります。また、企業と取引する場合にも法人の方が有利です。
- 個人事業よりも広い範囲で経費が認められる・・・法人では、「家族役員に給与を支払える」、「社宅家賃を経費で補助できる」など、個人事業では認められない支出を経費とすることができます。
- 税金を節約しやすくなる・・・法人の所得には法人税が課税されますが、所得が800万円〜900万円を超えたあたりから所得税よりも有利です。
- 許認可などの承継がしやすい・・・法人の場合は、事業承継時等の際には、代表者の交代等の簡単な手続きで許認可等を引き継ぐことができます。
<デメリット>
- 法人の設立に一定の費用がかかる・・・法人を設立するときには、一定の費用が必要です。なお、かかる費用は法人の種類により異なります。
- 社会保険への加入が強制となる。保険や年金の支払い負担が大きくなる・・・法人は、一人会社であっても、労働者を使用している場合には、原則、すべての社会保険へ加入しなければなりません。
- 赤字でも一定額の税金が発生する・・・法人では、所得が赤字の場合でも一定額の法人住民税を支払う必要があります。
<手続き・費用>
法人を設立するには、法務局へ設立登記申請を行う必要があります。また、その際には、以下の費用がかかります。
株式会社 | 合同会社 | |
登録免許税 | 15万円~ | 6万円〜 |
定款認証代 | 3万円~※ | 不 要 |
印紙税 | 4万円 ※ただし、電子定款の場合は不要 |
※ 資本金の額等が100万円未満の場合は「3万円」、資本金の額等が100万円以上300万円未満の場合は「4万円」、その他の場合は「5万円。
フランチャイズ
<メリット>
- 経験やスキルがなくとも開業できる。・・・フランチャイズでは、本部から開業までの支援を受けられるので、これまで事業経験やスキルがない人であっても、開業することができます。また、運営についても、指導を受けられます。
- 本部の信用や仕入れを利用できる・・・加盟店は本部の看板やシステムを使って営業できるため、開業当初から、一定の信用を得ることができます。また、仕入れは本部が一括して行うため、自ら手続きをする必要がありません。
<デメリット>
- 加盟金やロイヤリティが必要となる・・・フランチャイズの加盟の際には、一定の加盟金がかかることがほとんどです。また、営業開始後には、売上げについて一定率のロイヤリティが発生します。
- 独自の経営をすることができない・・・フランチャイズでは、本部の方針や指導にもとづく経営をする必要があるため、独自の考えにもとづく仕入や運営をすることができません。
- 途中解約の場合には違約金の支払い義務がある・・・一般的に、フランチャイズを途中で脱退する場合には、高額な違約金が課せられます。
<手続き・費用>
フランチャイズに加盟するには本部とフランチャイズ加盟契約を締結する必要があります。また、フランチャイズによっては加盟金等が必要となりますが、その金額はフランチャイズにより異なります。
女性の起業が成功するポイントとは?
「女性起業の現状と課題 – 中小企業庁」によると、ほとんどの年齢において男性の起業にくらべて女性の起業は少ないのが現状です。
また、男女別に起業家の企業規模を見ると、女性起業家の個人所得は7割が100万円未満であり、また起業家の企業規模を従業者数で見ると、女性起業家は、9割が従業員を雇用せずに起業していることから、男性と比べて、女性の起業は、比較的ちいさい規模での起業が多いことがわかっています。
このことから、女性の起業においては次の3つのポイントを意識すると良いでしょう。
1.自分の得意分野や女性の強みを生かす
英会話や文章の作成など、自分の得意分野を生かしてビジネスに繋げると、資金やリスクを最小限に抑えることができます。逆に、興味がわかないことはビジネスとして続けるのが難しいといえます。また、女性であることの強みも意識し、その中で自分の得意なものがないかを考えてみましょう。
2.少ない資金で小さく始める
女性は子育てや家事・介護などもしなければならないことが多いため、はじめから大きな資金を借りて、長期で返済するのが難しいケースが少なくありません。そのため、子育てや家事と両立できる範囲のビジネスからはじめるということが負担の少ない方法といえます。
3.ランニングコストがかからない方法を選ぶ
せっかく小資金で始めてもその後のランニングコストが大きいのでは、ビジネスを続けることはできません。起業時にはその時にかかる資金だけでなく、その後に必要となる資金の大きさも計算してビジネスを始めるようにしましょう。
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女性起業家に向いてる職種
一般的に女性は人当たりがよく、物腰や口調も柔らかなため、接客業やその他のサービスに向いているといえます。とくに、同性を対象としたサービスは、男性よりも優位に行えるものが多いといえるでしょう。また、インターネットを活用した起業も、パソコン1台あればすぐにでき、場所も時間も選ぶ必要がないので、女性が始めやすい起業ジャンルの1つです
具体的には、美容サロン、カフェ、ネットショップ、専門フィットネス、セミナー代行、ペットサロンなどが女性におすすめできます。
女性起業の成功事例
ここでは、日本政策金融公庫の女性創業事例より、いくつかのケースを紹介します。
【ケース1】 「イメージコンサルティング」の起業例
土屋さまは、長年、美容クリニックで培ったスキルを活かし、「控えめな性格のため、人と積極的に会話をすることができない。」という女性や、「女性への苦手意識がある。自分を変えたい」という婚活を目的とした男性等を対象に、スタイル、コミュニケーション、ビジネスマナーをトータルに提案するコーディネータとして起業しました。
シェアオフィスを活用した少ない家賃の工夫や、商工会議所の創業サポートセンターの支援を受けながら、2ヶ月という短い期間で創業に成功しました。
【ケース2】「地域密着型ペットサロン」の起業例
佐藤さんは、それまでに従事していたペットサロン勤務の中で、細部まで満足のいくサービスの提供ができないことに歯がゆい思いをしていた経験から、いつかは自身の店を持ち、トリミングだけでなく、飼育方法や躾の仕方など、一人ひとりのお客さまとペットに寄り添った対応をしたいと考えていました。商工会議所の支援のもと、自分のビジネスプランを明確にするとともに、資金調達にも成功し、念願のペットサロンを開業することができました。
起業に向く人・向かない人の特徴
起業には、向いている人と残念ながらそうでない人がいます。
これから起業を考えている場合、「本当に自分は起業に向いているのだろうか?」ということについて、一歩踏みとどまって考えてみることも必要でしょう。
起業に向く人の3つの特徴
・行動力がある
起業をするには「大きなパワー」と「思い切り」が必要です。起業は一朝一夕にはできないため、こうすると決めたことに向かって地道に努力する力と、多少の不安があっても思い切って進めていく決断力が問われるでしょう。
・柔軟な思考ができる
既存のプランをマネするだけや、ビジネスの枠組みに縛られていては、なかなか新しいビジネスを行うことはできません。とくに、ライバルとの差別化を図るには、柔軟な発想でプランを作ったり、組み立てる必要があります。
・起業する事業にノウハウや人脈があるなど
起業をする際には、それまでしたことのないことをするよりも、過去に経験やスキルのあることを始めた方が、成功の確率が大きくなります。また、営業についても0から行うよりも、頼れる先や提携先があった方が有利です。そのため、ビジネスのノウハウや人脈があるかどうかは、ビジネスの成功に大きく影響します。
起業に向かない人の3つの特徴
・慎重すぎる性格である
慎重すぎる性格の人は、せっかくビジネスプランや計画を作ってもその先にすすめない場合が少なくありません。しかし、そのままでは時間が経つとともに決心が鈍ったり、周囲の状況も変化して、計画が使い物とならなくなってしまいます。また、ビジネスを始めた場合には、あらゆる段階で決断・選択をする必要がありますが、その時にすぐに決断等ができないとビジネスチャンスを逃すこととなります。
・責任感に乏しい
あらゆるビジネスでは、任された仕事について責任をもって行うことが求められます。
しかし責任感に乏しい場合には、仕事で相手に迷惑をかけるだけでなく、ときには違約金や損害賠償を請求されることにもなります。とくに、「約束をした納期に間に合わせられない」、「時間に遅れてもあまり責任を感じない」、「忙しい時には手を抜いてしまう」というような人は、自ら事業を興すことに向いていないといえます。
・お金にルーズ
ビジネスにおいてお金の管理は仕事だけでなく、人間関係をスムーズに行うためにも必須といえます。とくに、自分でお金の管理ができない場合には、正確な資金繰りをすることができないため、資金不足となってしまいます。また、対外的にも「約束した日までに支払いをしない」などの行為は、信頼を失う要因となります。
成功に向けた起業のステップを踏もう
起業をするには事業に関するノウハウや手続きが必要ですが、とくに「正しいステップで進める」ということは重要といえます。これを間違えると、それまでの作業がやり直しとなったり、大きな時間の無駄になってしまいます。
また、それ以外にも事業計画の作成や資金調達の方法などの知識も必要ですが、このような専門性が高い部分については、「専門家のアドバイスを受ける」、「セミナーに参加する」等により知識の補充・再確認をしておくと失敗のリスクが少なくなります。
ドリームゲートでは、開業希望者に向けて、ドリームゲートが公認した起業の専門家による起業・経営セミナーを掲載しています。豊富なテーマからオンライン開催、対面型などさまざまな開催方法から選ぶことができるので、起業に必要な知識やノウハウを仕入れたい方におすすめです。
執筆者プロフィール:引地
修一/Ichigo(一期)行政書士事務所
創業者と経営者の資金調達から事業再生、記事取材までを幅広くサポート。
保有資格:行政書士、事業再生士補、事業再生アドバイザー、宅地建物取引士、古物商
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