【事業再構築補助金】第8回公募の概要を解説・引き続き「緊急対策枠」に注目

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

事業再構築補助金の第8回公募が、2022103日に始まりました。

この補助金は、ポスト・コロナの経済社会の変化に対応するために新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編、規模の拡大など、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業などの挑戦を支援することを目的にしています。

7回より増設された緊急対策枠(原油価格・物価高騰等総合緊急対策)が、第8回でも継続されます。

事業計画補助金第8回の公募要領について詳しくわかりやすく解説します。

参考)https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/koubo008.pdf

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事業再構築補助金第8回公募のスケジュール

8回公募のスケジュールは次のとおりです。

  • 公募開始:2022103
  • 申請受付開始:調整中
  • 締切:202311318
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原油価格・物価高騰等緊急対策枠(緊急対策枠)について

事業再構築補助金には複数の枠があり、申請者は枠を選んで申請することになります。

そのうちの1つ、原油価格・物価高騰等緊急対策枠(以下、緊急対策枠)は第7回公募で新設され第8回でも継続されました。

できたばかりの枠なので、詳しく解説します。

緊急対策枠の対象要件

緊急対策枠は、原油価格や物価高騰などの予期せぬ経済環境の変化を受けている事業者を支援する目的で設置されました。

緊急対策枠の補助対象要件は次の4つです。

事業再構築要件

事業再構築指針に示す事業再構築の定義に該当する事業であること

緊急対策要件

原油価格・物価高騰などの経済環境の変化の影響を受けたことにより、20221月以降の売上高(または付加価値額)が、20192021年同月と比較して10%(付加価値額の場合15%)以上減少していること。また、コロナによって影響を受けていること

認定支援機関要件

事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること。補助金額が3,000万円を超える案件は認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可)と策定していること

付加価値額要件

補助事業終了後35年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加、または従業員1人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること

注意したいのは緊急対策要件です。

原油価格・物価高騰などによる影響にプラスして、コロナによる影響を受けていることを、申請のときに添付する事業計画書のなかで説明しなければなりません。

緊急対策枠の補助金額と補助率

緊急対策枠の補助金額と補助率は以下のとおりです。

従業員数

補助金額

補助率

5人以下

100万~1,000万円

中小企業者など:34(*1

中堅企業など:23(*2

 

1:従業員数5人以下の場合500万円を超える部分、従業員数620人の場合1,000万円を超える部分、従業員数21人以上の場合1,500万円を超える部分は23

 

2:従業員数5人以下の場合500万円を超える部分、従業員数620人の場合1,000万円を超える部分、従業員数21人以上の場合1,500万円を超える部分は12

620

100万~2,000万円

2150

100万~3,000万円

51人以上

100万~4,000万円

本稿の後段ですべての枠の補助金額を紹介しますが、緊急対策枠は、補助金額では通常枠より少額ですが、補助率は通常枠より高く(有利に)なっています。

対象となる事業例 

要領にある緊急対策枠の対象例を紹介します。もちろんこれらの例に完全に一致している必要はなく、これらに「類するケース」であれば申請対象になる可能性があります。

1:資源高による影響

菓子の製造販売業者。コロナ禍で実店舗の客数が減少。そこに原材料の小麦粉、油などが高騰しているが販売価格を値上げすることが難しく、売上高も利益も減少。

そこで既存の加工技術を活かしながら、新たにドライフルーツの製品を製造する機器を導入する。

2:輸出入の影響

明太子の製造販売業者。コロナ禍で飲食店向けの販売量が減り、原料であるロシア産タラコの輸入量が減ったため製造量が減り、売上高が減った。

そこで既存の加工技術を活かし、国産の原材料を使って、ねり天ぷらや出汁を製造することに。そのための工場を新設し、販路拡大のためEC販売も始める。

3:海外事情の影響

機械部品の商社。コロナ禍で部品調達に時間を要するようになったうえに、ロシア企業と取引していたため、同国への金融取引の制約などにより、送金や代金回収ができなくなってしまった。

そこでこれまでのノウハウを活かし、機械部品専用のフルフィルメントサービス(倉庫業)を立ち上げるためのシステムを構築する。同サービスの提供では、非対面の営業活動を徹底する。また、取扱商材を増やしてリスク分散を進めたり、ロシア経済に依存しない収入源を確保したりする。

紹介している3つの事例のうち、ロシアへの言及が2つありましたが、ウクライナ・ロシア情勢による影響がある場合は事業計画のなかで言及したほうがよいでしょう。

すべての枠の概要、補助金額、補助率 

以上、緊急対策枠についてみてきましたが、ここですべての枠の概要、補助金額、補助率などを紹介します。

通常枠

新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取り組み、事業再編、またはこれらの取り組みを通じた規模の拡大等を目指す中小企業等の新たな挑戦を支援

補助金額

従業員数20人以下:100万~2,000万円

従業員数2150人:100万~4,000万円

従業員数51100人:100万~6,000万円

従業員数101人以上:100万~8,000万円

補助率

中小企業者など:236,000万円超は12

中堅企業など:124,000万円超は13

補助対象経費

建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費

大規模賃金引上枠

多くの従業員を雇用しながら、継続的な賃金引上げに取り組むとともに、従業員を増やして生産性を向上させる中小企業等の事業再構築を支援

補助金額

従業員数101人以上:8,000万円超~1億円

補助率

中小企業者など:236,000万円超は12

中堅企業など:124,000万円超は13

補助対象経費

建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費

回復・再生応援枠

新型コロナウイルスの影響を受け、引き続き業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む中小企業等の事業再構築を支援

補助金額

従業員数5人以下:100万~500万円

従業員数620人:100万~1,000 万円

従業員数 21人以上:100万~1,500万円

補助率

中小企業者など:34

中堅企業など:23

補助対象経費

建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費

最低賃金枠

最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に業況の厳しい中小企業等の事業再構築を支援

補助金額

従業員数5人以下:100万~500万円

従業員数620人:100万~1,000万円

業員数21人以上:100万~1,500万円

補助率

中小企業者など:34

中堅企業など:23

補助対象経費

建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費

グリーン成長枠

研究開発・技術開発又は人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14 分野の課題の解決に資する取組を行う中小企業等の事業再構築を支援

補助金額

中小企業など:100万~1 億円

中堅企業など:100万~1.5 億円

補助率

中小企業者など:12

中堅企業など:13

補助対象経費

建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費

原油価格・物価高騰等緊急対策枠(緊急対策枠)

補助金額

従業員数5人以下:100万~1,000万円

従業員数620人:100万~2,000 万円

従業員数 2150人:100万~3,000 万円

従業員 51 人~:100万~4,000 万円

補助率

中小企業者など:34

中堅企業など:23

補助対象経費

建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費

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過去の採択結果から見る、採択率が高い

1回公募から第6回公募までの応募件数、採択件数、採択率は以下のとおりです。

応募件数は、システムで受け付けた件数で、採択率は「採択件数÷応募件数」で算出しました。

中小企業など

中堅企業など

合計件数と平均採択率

通常枠

特別枠

卒業枠

通常枠

特別枠

V字回復枠

1

応募件数

16,897

5,167

80

71

14

2

22,231

採択件数

5,092

2,859

45

12

7

1

8,016

採択率

30.1%

55.3%

56.3%

16.9%

50.0%

50.0%

36.1%

通常枠

特別枠

卒業枠

通常枠

特別枠

V字回復枠

2

申請件数

14,800

5,884

48

59

9

0

20,800

採択件数

5,367

3,919

24

21

5

0

9,336

採択率

36.3%

66.6%

50.0%

35.6%

55.6%

44.9%

 

通常枠

大規模賃金引上枠

卒業枠

緊急事態宣言特別枠

最低賃金枠

V字回復枠

 

3

 

応募件数

15,423

20

44

4,351

469

20,307

採択件数

5,713

12

20

2,901

375

9,021

採択率

37.0%

60.0%

45.5%

66.7%

80.0%

44.4%

 

通常枠

大規模賃金引上枠

卒業枠

緊急事態宣言特別枠

最低賃金枠

V字回復枠

4

応募件数

15,036

12

17

4,217

391

19,673

採択件数

5,700

6

8

2,806

290

8,810

採択率

37.9%

50.0%

47.1%

66.5%

74.2%

44.8%

通常枠

大規模賃金引上枠

卒業枠

緊急事態宣言特別枠

最低賃金枠

グローバルV字回復枠

5

応募件数

16,185

13

21

4,509

306

1

21,035

採択件数

6,441

8

9

3,006

243

0

9,707

採択率

39.8%

61.5%

42.9%

66.7%

79.4%

46.1%

通常枠

大規模賃金引上枠

回復・再生応援枠

最低賃金枠

グリーン成長枠

6

応募件数

11,653

9

2,933

252

493

15,340

採択件数

5,297

5

1,954

216

197

7,669

採択率

45.5%

55.6%

66.6%

85.7%

40.0%

50.0%

集計は、第1回と第2回は「中小企業など」と「中堅企業など」にわかれていましたが、第3回以降は両者を混在させて算出しています。

各回ごとの平均採択率をみると、第1回の採択率は30%台だったものの、第2345回と40%台が続き、第6回で50%となりました。

通常枠の採択率をみると、回を追うごとに高くなっていることがわかり、全体的に「採択されやすくなっている」傾向が読み取れます。

最も新しい集計の第6回をみると、最低賃金枠の85.7%や回復・再生応援枠の66.6%が高率で目立っています。

採択への近道は優秀なパートナー選びから

事業再構築補助金の申請をして採択されるには審査をパスする必要があります。申請要件に合致しているだけでは補助金の交付を受けることはできません。

審査通過のポイントは、事業計画書の策定にあります。これには労力とコツが必要で素人には少し難しいかもしれません。そこで重要となるのが優秀なパートナー選びです。

ドリームゲートの「事業再構築補助金 認定支援機関さがせる窓口」なら、採択率90%の実績をほこる方や、元・補助金審査員など、優秀なパートナーのなかから認定支援機関を探すことができます。

申請を予定している方はご相談ください。

執筆者プロフィール:ドリームゲート事務局 月見里

ドリームゲートは経済産業省の後援を受けて2003年4月に発足した日本最大級の起業支援プラットフォームです。
運営:株式会社プロジェクトニッポン
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