新型コロナウイルスの影響で売上が減少した中小企業と個人事業主(以下、中小企業等)を経済的にサポートする、経済産業省の事業復活支援金の受付が、2022年1月31日から始まりました。
この記事では、事業復活支援金の概要について知っている方向けに1)申請の流れと2)登録確認機関について集中的に解説します。
- 目次 -
申請の流れは事前確認ありとなしの2種類ある
まず1)事業復活支援金の申請の流れについて紹介します。
申請の流れは、「事前確認あり」と「事前確認なし」の2通りあります。
- 事前確認あり・・・過去に一時支援金または月次支援金を受給したことがない中小企業等
- 事前確認なし・・・受給したことがある中小企業等
過去に一次支援金または月次支援金を受給したことがある企業は申請のステップがだいぶ少なくなります。まずは作業が多い事前確認ありを先に解説します。
事前確認ありの流れ
過去に一時支援金または月次支援金を受給したことがない中小企業等の申請の流れを紹介します。
ステップ1:公式サイトから申請IDを入手する
以下の事業復活支援金の公式サイトの「アカウントの申請・登録」をクリックして、仮登録をします。
<事業復活支援金の公式サイト>
https://jigyou-fukkatsu.go.jp/index.html
ここで事業形態、メールアドレス、電話番号を入力すると、申請者に申請IDが発行されます。
ステップ2:登録確認機関をサイトで検索して予約する
申請者(中小企業等)は原則、事前確認を受けなければなりません。
申請者に対して事前確認を行う登録確認機関は、申請者自身が、先ほどの公式サイトの「登録確認機関の検索および事前予約」で探します。後ほど詳しく説明しますが顧問契約している税理士、会計士等がいる場合はその方に事前確認を依頼できます。
https://reservation.ichijishienkin.go.jp/third-organ-search/
「登録確認機関の検索」画面で市区町村などを入力すると、登録確認機関の候補が複数表示されます。申請者はその複数の候補のなかから登録確認機関を選択して、事前確認の予約をします。
登録確認機関については行政書士や税理士、中小企業診断士、商工会、商工会議所、金融機関などがその機関になっています。
ステップ3:事前確認を受ける
事前確認の方法は次のとおりです。
- 継続支援機関にあたる登録確認機関がある申請者の事前確認:テレビ会議、対面、電話のいずれかで行い、内容は簡略化されている
- 継続支援機関にあたる登録確認機関がない申請者の事前確認:テレビ会議、対面のいずれかで行い、内容は簡略化されていない
一方、「継続支援機関にあたる登録確認機関がない申請者」は、必ず顔がみえるテレビ会議や対面のいずれかで事前確認を行います。テレビ会議とはネット会議システムのことで、ZOOMやスカイプなどが該当します。
「継続支援機関にあたる登録確認機関がない申請者」の事前確認は簡略化されません。その内容は以下のとおりです。
<事前確認でチェックされること>
- 事業を実施しているか
- コロナの影響を受けているか
- 給付対象などを正しく理解しているか
「なぜこのようなことを確認されなければならないのか」と感じるかもしれませんが、これは過去の支援金で不正受給があったり、制度を理解していない人が多かったりしたためです(*1)。
*1:https://ichijishienkin.go.jp/getsujishienkin/prior_confirmation/index.html
登録確認機関は不正などを防止するためにある
続いて2)登録確認機関について解説します。
登録確認機関は、事前確認を行う機関で、不正受給や誤った受給を防止するために設置されました。
登録確認機関になることができる機関は次のとおりです。
- 認定経営革新等支援機関
- 同機関に準ずる個別法に基づき設置された機関
- その他個別法に基づく士業関連機関・者などであって、事務局が募集・登録した機関・者
具体的には、
- 行政書士
- 行政書士法人
- 税理士
- 税理士法人
- 公認会計士
- 監査法人
- 中小企業診断士
- 経営コンサルタント
- 商工会議所
- 商工会
- 商工会連合会
- 銀行
などが登録確認機関になっています。
注意:事前確認は無料の場合と有料の場合がある
事前確認は、登録確認機関によって無料の場合と有料の場合がありますので注意が必要です。
そのため無料で事前確認を受けたい場合は、登録確認機関を選ぶときに、登録確認機関に無料かどうか確認する必要があります。
有料の場合の金額は機関により任意ですが、大体1,000円から数千円程度となるでしょう。
ステップ4:申請する
事前確認を受けたら申請することができます。
申請書類は以下のとおりです。
- 1)中小企業などは履歴事項全部証明書、個人事業主は本人確認書類
- 2)確定申告書類の控え
- 3)売上台帳(対象月の分)
- 4)事業復活支援金の振込先の通帳
- 5)宣誓・同意書
以上5点は、すべての申請者(中小記帳等)が用意するものです。
以下の3点(6~8)は、一時支援金も月次支援金も受給してなく、なおかつ継続支援機関にあたる登録確認機関がない申請者が用意します。
- 6)売上台帳(基準月の分)
- 7)基準月の売上のかかる1取引分の請求書や領収書など
- 8)基準月の売上にかかる取引がわかる通帳のページ
これらの書類はすべて画像データやPDF、エクセルなどのデジタルデータにして、事業復活支援金の公式サイトに登録します。
<事業復活支援金の公式サイト>
https://jigyou-fukkatsu.go.jp/index.html
対象月と基準月については、後段の概要のところで解説します。
ステップ5:審査にパスすると事業復活支援金が振り込まれる
公式サイトに登録した書類の審査にパスすると、給付通知書が申請者の元に届き、申請者の銀行口座に事業復活支援金が振り込まれます。
書類の登録から振り込みまでの期間について経済産業省は案内していませんが、過去の事例などから考えると2週間が目安になるでしょう。
番外:審査をパスできなかったときは
申請した書類に不備があると、事務局から連絡が来て、正しい書類を出すよう求められます。
そして申請書類が受理されても、審査で落とされる可能性があります。その場合は、不給付の通知が申請者の元に届きます。
事前確認なしの流れ
過去に一時支援金または月次支援金を受給したことがない中小企業等は、事前確認がありません。
したがって上記のステップ1~ステップ3が省略され、ステップ4から始まります。
ステップ4以降はまったく同じです。
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まとめ~準備をすれば問題なし
事業復活支援金の申請の流れと登録確認機関について解説しました。
過去の支援金で不正受給などが問題になったため、申請は手間がかかる内容になっていますが、正当な申請者(中小企業等)であれば、申請の手続きはスムーズに進むはずです。登録確認機関から事前確認を受けたときにしっかり受け答えできるように、「事業を実施しているか」「新型コロナの影響を受けているか」「給付対象などを正しく理解しているか」の答えを用意しておきましょう。
執筆者プロフィール:ドリームゲート事務局 月見里
ドリームゲートは経済産業省の後援を受けて2003年4月に発足した日本最大級の起業支援プラットフォームです。
運営:株式会社プロジェクトニッポン
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