「会社を辞めて独立したい。」IT企業でエンジニアとして働いている方の中にはそんな思いを抱えている人もいるのではないでしょうか。夢を叶えたい、会社に縛られずに仕事をしたい、ワークライフバランスをとりたい、収入をアップさせたい・・・さまざまな思いを胸に、IT業界で起業・独立する人が増えています。
ドリームゲートにもこのような相談は多く、これまで多数のIT起業家を支援してきました。
そこで今回は、独立しようか悩んでいるIT業界の方に、具体的にIT業界での独立・起業で気をつけるべき点や成功するためのポイントなどをご紹介します。
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IT業界での独立・起業のメリット
我々ドリームゲートはさまざまなタイプの起業を見てきていますが、その中でもとりわけIT業界での起業はメリットが多いジャンルだと言えます。
ではどのような点がメリットなのでしょうか?具体的に紹介します。
IT業界で起業は、圧倒的に低リスク
IT業界での独立・起業のメリットの1つは、コスト面で低リスクなところです。まず初期費用が少なく済みます。飲食店での起業を想像してみてください。飲食店をやるには店舗を構えないといけません。内外装工事費に加え、厨房設備費、広告費、など初期費用がとにかく必要です。商品の仕入れから在庫の管理なども含め、約1000万円はかかります。起業する際の大きなリスクはこの初期投資です。一方でITでの起業はこれらの費用がかからないのが魅力です。IT業界で独立・起業しようと思ったら、パソコンひとつあればいつでもどこでも始めることができます。
ITはニーズが多い業界
他の業種と比較するとIT業界は仕事の幅が広く、ニーズも圧倒的に多いのが現状です。Webサイトを構築したり、システム開発をしたり、アプリを作ったり、ITの知識を生かしてコンサルタントとして働くこともできます。つまり、IT業界での起業は選択肢が多い分仕事を取りやすく、独立・起業後も仕事に困らない可能性が高いと言えます。
IT業界で独立するのにプログラミングの経験は必須ではない
IT業界で独立・起業する際にプログラミングの知識や経験が必要なのでしょうか?確かにシリコンバレーの有名な起業家たちは元エンジニアである率が非常に高いです。しかしそうでない起業家も多く存在します。彼らはエンジニアをマネジメントしたり、協業したりして会社を拡大させていっています。
起業家としての仕事は別にある、という考え方のもと、エンジニアと協力しあって起業するのもひとつの方法です。
独立・起業するのに年齢は関係ない?
経験の豊富さももちろん大切ですが、若いときに独立・起業した方が失敗しても時間をかけて次を考えることができます。さまざまなことを吸収できるので起業後の伸びしろも期待できます。
「起業、独立したい」と思ったらまずはフリーランスから始めてみてもいいでしょう。早いうちに独立・起業して多くの失敗を経験し、その都度改善を重ねていくのが成功への道になります。独立・起業を考えているなら思い切って挑戦してみましょう。
ITで起業。独立するための手続きとは?
起業・独立する際にはいくつか必要な手続きがでてきます。それは個人事業主なのか、法人なのかで異なってきます。
まずは個人事業主として起業し、のちに所得に応じて法人成りする、というのがオススメです。
フリーランス(個人事業主)になるときに必要な手続き
個人事業主として起業するのに必要な手続きは次のとおりです。
- 国民年金と国民健康保険へ加入
- 確定申告の用意
- 開業届の提出
会社で働いていた人がフリーランスとして独立する場合には、会社がしてくれていた確定申告等を自分で行う必要があります。常に毎日の経費を管理しておかなければいけません。国民年金と国民健康保険も役所で手続きしないといけません。
また開業届は事業開始から1ヶ月以内に税務署に出す必要があります。開業届は出さなくてはいけないという義務はありませんが、青色申告ができるようになり節税効果がありますので、出しておいたほうがお得だと言えます。
所得が1000万円超えたら法人化する
所得が1000万円を超えると法人税の方がお得になるので、法人化を考えるひとつのポイントです。法人化するメリットは次のとおりです。
- 自分への給与を経費計上できる
- 家族への給与も経費計上できる
- 税率が固定である
- 起業後消費税の納付が2年間免除される
- 顧客からの信頼性が高まる
一番大きいのは信頼性の面でしょう。大手企業などは個人事業主のフリーランスとは契約ができないというケースもあります。従業員を確保(リクルート)する際にも、法人の企業の方が有利です。ある程度の規模になったら法人化を検討しましょう。
受託開発で起業するなら安定して仕事を受注する方法を検討しよう
ITでの起業の方法はいくつかありますが、もし受託開発で起業するなら仕事を受注し続けられるかというのはとても大きな課題になります。IT業界は案件も多く、独立・起業しても仕事に困らないように感じますが、安定して受注し続けることができるかどうかはその人しだいです。会社勤めしていれば、その会社のブランド力や信頼、営業担当の努力により仕事が舞い込んできますが、それらがなくなった状態から仕事を受注していかなければいけません。
IT業界でフリーランスになる際に安定した仕事を受注する方法をご紹介します。
IT業界の集まりに参加しよう
IT業界では、頻繁にIT関係者同士の集まりを開いています。そのような集まりに参加し、少しでもIT業界内での人脈を広げることで今後の仕事に繋がる可能性もあります。元々IT企業でエンジニアとして働いていた方もフリーランスで働く際は人脈を広げる良い機会になるので積極的に参加しましょう。
SNSやブログ上で情報を発信する
SNSやブログはお金をかけずに自身で情報発信できる場です。自分の得意分野のことを常に発信し続けることで、それらを見た方から仕事の依頼があるかもしれません。
エンジニア経験のある方ならテクニカルなことやトラブルシューティング、TIPSなどを発信すると検索した人にヒットしますし、エンジニア経験がなくても最新のニュースに対する所感、IT業界に対する考えなどを述べるといいでしょう。
IT業界のエージェントにお願いしてみる
フリーランスのエンジニアなどを支援しているITのエージェントとコンタクトを取ってみるのも1つの方法です。自分の希望しているIT関連の仕事とマッチングしてくれるので、案件がなくて困っている時には助けるになるでしょう。
IT案件専用のマッチングサイトの活用
IT案件専用のマッチングサイトを使うと、エンジニアを求めている人とマッチングすることができます。案件は比較的安価なものが多いですが、フリーランスとして独立してすぐの時、まだ実績を作っていく段階での足がかりとしてはいいでしょう。
IT業界で独立・起業の主なビジネスモデル
「エンジニアの経験を生かしてIT業界で起業してみよう!」「IT業界で起業して夢を叶えたい!」と一念発起しても、どのようなビジネスモデルでIT業界に挑戦しようか悩む人も多いかと思います。ここでいくつかのIT業界でのビジネスモデルをご紹介します。
サービス開発
史上最年少の富豪と言われているマーク・ザッカーバーグは大学在学中に自身でプログラミングしたFacebookを立ち上げ、またたく間にサービスはひろがっていきました。
IT業界で起業し成功を収めるというと、このようなモデルをイメージする方も多いでしょう。国内でもさまざまな分野でITのサービスを立ち上げ、拡大させていっている例は後を絶ちません。
もしあなたに良いアイデアがあり、それを実現させる手段があるならぜひチャレンジしてみてください。
システム開発エンジニア
IT企業でシステムエンジニアやプログラマーとして働いている方は、その延長線上でフリーランスとして独立し、システム開発に関わるというも多いパターンでしょう。
これまでの経験や知識を活かして働くことができるのは大きなアドバンテージになります。
ITコンサルタント
IT関係の知識と経験を豊富に持っている人は、ITコンサルタントもおすすめです。主にクライアントの相談内容を聞き、どこに問題点があるのかを探って解決方法を提示します。そこにはエンジニアとはまた違ったやりがいがあります。生涯エンジニアとして現役でいられるかどうか・・ということに不安を持っている人も、コンサルタントなら長く働いていけるので安心ですね。
こちらのコラムも参考にしてみてください >>「コンサルタント業」起業して成功するための6つのポイント
ECサイト運営
システムに関するノウハウを生かしてECサイトを立ち上げるというアイデアもあります。ECサイト運営のいいところは放っておいても売り上げが上がっていくところです。ただし、在庫を持たなくてはいけないので初期投資が多少必要になるというリスクがあります。
こちらのコラムも参考にしてみてください。 >>【2019年版】初心者でもわかる、ネットショップ開業のすべて
アプリ開発
世の中にはアプリ開発で成功し、仕事をしなくても食べていけるだけの収入を得ている人もいます。企画・アイデアしだいではこのような生き方も可能です。ひとつのアプリからはじめてそれのヒットに伴い法人化したケースは国内外で多く見られます。
有料アプリにする、アプリ内で課金する、無料アプリで広告収入を得る、など方法はさまざまですが、何かいいアイデアがあるようなら試してみるといいでしょう。
コーチング
Webサイト構築に詳しい人であれば、その知識を活かして「自身でホームページをつくりたい」という人に向けてコーチングをするというのはどうでしょうか。セミナーを開いたり、マンツーマンで指導したり、オンラインでそのノウハウを売るという方法もあります。
IT業界で独立する人に必要なスキルとは?
ではIT業界で独立・起業する際に必要となるスキルはなんでしょう?
プログラミング技術でしょうか?それともシステム開発を円滑に行うためのプロジェクトマネジメント能力でしょうか?実はそれ以外でとても重要なスキルがあるのです。
①対人関係能力
「え、ITのフリーランスだし、パソコンがメインだからコミュニケーション能力は特に必要ないでしょ?」と考える人もいると思いますが、実際はIT企業で働くエンジニアもフリーランスとして働くエンジニアも、コミュニケーション能力がかなり重要になってきます。言葉の掛け違えひとつでクライアントとの間でプロジェクトがうまくいかなくなることだってあります。そのような時に守ってくれる営業マンや上司はいません。自身のコミュニケーション能力がとても重要になるのです。
②自己管理能力
フリーランスとして独立して働くということはかかる負担も倍増します。健康面での管理はもちろん、仕事の目標設定、資金管理、確定申告など。その中でも、独立すると来た仕事をどんどんこなしていかなければいけません。さまざまなことでの管理能力がフリーランスとして独立する際に必要になるでしょう。
まとめ
会社を離れるには勇気がいるかもしれませんが、IT業界での独立は他の業界での起業よりも低リスクで始めることができます。またアイデアしだいでは大きく発展させられるチャンスを秘めているので、挑戦するだけの価値があります。
夢を叶えたい、今の生き方を変えたい、そう思っているならぜひチャレンジしてみましょう。