IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者などのITツール導入を補助し、業務の効率化と売上アップをサポートする補助金です。同補助金は、経済産業省と独立行政法人中小企業基盤整備機構の監修のもとに、一般社団法人サービスデザイン推進協議会が実施しています。
当記事では、このたび決定された「IT導入補助金2023」のスケジュールの詳細を紹介するとともに、補助金の概要について解説します。
- 目次 -
もっとも早い締切日は2023年4月25日
IT導入補助金については、すでにご存じの方も多いと思います。そのため、先に2023年のスケジュールを紹介し、その後で概要について解説します。
IT導入補助金2023のスケジュールは以下のとおりです。通常枠とセキュリティ対策推進枠の日程は同じで、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)のみ3次まであります。また、日付はいずれも2023年のものとなっています。
■通常枠とセキュリティ対策推進枠
1次締切分 | 締切日 | 4月25日 |
交付決定日 | 5月31日 | |
事業実施期間 | 交付決定~11月30日 | |
事業実績報告期限 | 11月30日 | |
2次締切分 | 締切日 | 6月2日 |
交付決定日 | 7月11日 | |
事業実施期間 | 交付決定~11月30日 | |
事業実績報告期限 | 11月30日 |
■デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
1次締切分 | 締切日 | 4月25日 |
交付決定日 | 5月31日 | |
事業実施期間 | 交付決定~11月30日 | |
事業実績報告期限 | 11月30日 | |
2次締切分 | 締切日 | 5月16日 |
交付決定日 | 6月21日 | |
事業実施期間 | 交付決定~11月30日 | |
事業実績報告期限 | 11月30日 | |
3次締切分 | 締切日 | 6月2日 |
交付決定日 | 7月11日 | |
事業実施期間 | 交付決定~11月30日 | |
事業実績報告期限 | 11月30日 |
「通常枠とセキュリティ対策推進枠の1、2次」のスケジュールと、「デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)の1、3次」はスケジュールが同じです。もっとも早い締切は、3枠とも1次の4月25日ですので、申請の際は注意してください。
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そのほかの日程
IT導入補助金2023への申請では、そのほかにも注意しなければならない日程があります。なお、こちらも日付は2023年のものです。
IT導入支援事業者の登録申請
- 登録申請:3月20日~終了時期、後日案内
- 採択決定:通知をもって知らせる
IT導入補助金2023に申請する中小企業・小規模事業者などは、IT導入支援事業者とともに、自社の業種や事業規模、経営課題に沿って導入するITツールを選定することが必要です。上記の日程は、そのIT導入支援事業者の登録申請スケジュールとなります。
ITツール(ソフトウェア、サービスなど)の登録申請
- 募集期間:3月30日~終了時期、後日案内
まず、申請者はIT導入支援事業者と導入するITツールについて商談をおこないます。その後に、ITツールの発注、契約、支払いをおこなうわけですが、その前に、上記ITツールの登録申請をおこなう必要があります。
なお、補助金の交付決定が届く前に発注、契約、支払いをおこなった場合は、補助金の交付を受けることができませんので注意してください。IT導入支援事業者については後段で紹介します。
そして、ITツールを選択するなどの事前準備をおこなうと、上記期間内に交付申請が可能となります。
交付申請期間
3月28日~終了時期、後日案内
申請と手続きの流れ
すでに紹介した部分と重複もありますが、あらためてIT導入補助金2023の申請と手続きの流れを紹介します。
ステップ1:補助金の理解
IT導入補助金2023には通常枠、セキュリティ対策推進枠、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)の3種類の枠があります。申請者は、3種類の中からどの枠で申請するか決めることが必要です。
なお、3つの枠の概要については後段で紹介します。
ステップ2:ITツールの選択など事前準備
申請者は事前準備として、導入するITツールを選定します。この段階でおこなうのは選定だけであり、発注、契約、支払いはしないでください。補助金の交付決定の連絡が届く前にITツールの発注、契約、支払いをおこなってしまうと、補助金の交付を受けることができなくなるので注意が必要です。
ITツールの選定は、IT導入支援事業者とともにおこなうことになります。選定では、申請者の業種、事業規模、経営課題が考慮されます。
ステップ3:gBizIDプライムのアカウント取得など
事前準備が整ったら交付申請をおこないますが、このとき「gBizIDプライム」アカウントを取得する必要があります。そのほか、セキュリティ・アクションの実施や、「みらデジ」「経営チェック」といった手続きも必要です。
ステップ4:事業計画を策定する
申請には事業計画の策定が必要です。申請者は、IT導入支援事業者と、これから導入するITツールの商談を進めながら、この事業計画を作成します。
ステップ5:交付申請
ステップ4まで完了したら、補助金の交付申請をおこないます。手続きは以下の4つです。
- IT導入支援事業者から「申請マイページ」の招待を受け、代表者氏名などの申請者基本情報を入力する
- 交付申請に必要となる情報入力・書類添付をおこなう
- IT導入支援事業者にて、導入するITツール情報、事業計画値を入力する
- 「申請マイページ」上で入力内容の最終確認後、申請に対する宣誓をおこない事務局へ提出する
ステップ6:補助事業の実施(交付決定後、ITツールの発注、契約、支払いをおこなう)
申請後、審査に合格すると申請者に交付決定が通知されます。その後、事業計画に記載したITツールの発注、契約、支払いをおこない、導入することが必要です。これをもって、補助事業の実施となります。
ステップ7:証憑の提出と事業実績報告
補助事業が完了したら、ITツールの発注、契約、支払いをおこなったことがわかる証憑(しょうひょう)を事務局に提出します。証憑とは契約書、請求書、納品書など事実を証明する書類のことです。証憑を提出した後に事業実績報告を作成して、そちらも事務局に提出します。
ステップ8:補助金交付手続き(補助金額が確定して、交付される)
事業実績報告の完了後に、補助金額が確定します。つまりステップ8より前では、補助金額が確定していないことになります。そのため、当然ですが補助金も交付されていない状態です。
補助金額が確定すると「申請マイページ」で補助額が確認できるようになります。その後、補助金が交付される流れとなります。
ステップ9:事業実施効果の報告
申請者は期日までに事業実施効果報告を「申請マイページ」からおこないます。なお事業実施効果報告は、事前にIT導入支援事業者に確認してもらうことが必要です。このステップ9で手続きは、すべて完了となります。
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3つの枠について
IT導入補助金2023には、次の3つの枠が存在します。本項では、それぞれの枠について概要の解説をおこないます。
- 通常枠
- セキュリティ対策推進枠
- デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
1.通常枠の概要
通常枠の目的は、「自社の置かれた環境から強みと弱みを認識、分析し、把握した経営課題や需要に合ったITツールを導入することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図ること」となります。IT導入補助金2023は、この目的に合致するITツールの購入を補助する制度です。
2.セキュリティ対策推進枠の概要
セキュリティ対策推進枠の目的は、「サイバーインシデントが原因で事業継続が困難となる事態を回避するとともに、サイバー攻撃被害が供給制約・価格高騰を潜在的に引き起こすリスクや生産性向上を阻害するリスクを低減すること」になります。セキュリティ対策推進枠では、この目的に合致するITツールの購入を補助します。
3.デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)の概要
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)の対象は、会計ソフト、決済ソフト、ECソフト、インボイス対応を見据えたデジタル化などです。
補助対象となるITツールと補助額について
IT導入補助金2023の補助対象経費(補助対象となるITツール)は次のとおりです。
通常枠とデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)の補助対象経費
- ソフトウェア購入費
- クラウド利用料
- 導入関連費
デジタル化基盤導入類型のみの補助対象経費
ハードウェア購入費
セキュリティ対策推進枠の補助対象経費
セキュリティ・サービス利用料
補助額の下限額と上限額、補助率は以下のとおりです。
通常枠
- A類型:5万~150万円未満
- B類型:150万~450万円以下
- 補助率:1/2以内
セキュリティ対策推進枠
- 5万~100万円
- 補助率1/2以内
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
- 補助率3/4以内:下限なし~50万円(会計・受発注・決済・EC のうち1機能以上)
- 補助率2/3以内:50万超~350万円(会計・受発注・決済・EC のうち2機能以上)
デジタル化基盤導入類型のハードウェア
- パソコン、タブレット、プリンター、スキャナー、複合機は補助上限10万円、補助率1/2以内
- レジ、券売機など:補助上限額20万円、補助率1/2以内
IT導入支援事業者とは、申請者をバックアップする事業者
IT導入支援事業者は、申請者からITツール導入の相談を受けます。IT導入支援事業者には、ITベンダー企業やITサービス企業などが就任します。IT導入支援事業者になるには、補助金事務局に登録申請をおこない認可されることが必要です。
IT導入支援事業者は、次のようなことをおこない、申請者を全面的にバックアップする役割があります。
- 申請者にITツールの情報を提供する
- 申請・報告に必要な情報を集める
- ITツールをじっさいに導入する
- 申請・導入後のサポート
IT導入補助金の相談はドリームゲートへ
中小企業などにとってIT化やDXは重要な経営課題となっています。IT導入補助金2023は、その課題を解決するための第1歩になるでしょう。
IT導入補助金の申請について分からないことや、申請支援を受けたいとお考えのときはドリームゲートにご相談ください。採択率が高く、補助金申請サポートに実績のある専門家が多数在籍しています。また、初回のメール相談は無料となっています。ぜひお気軽にご利用ください。
執筆者プロフィール:ドリームゲート事務局
ドリームゲートは経済産業省の後援を受けて2003年4月に発足した日本最大級の起業支援プラットフォームです。
運営:株式会社プロジェクトニッポン
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