事業再構築補助金【飲食店】の事例と採択されるポイント

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

『どうしたら飲食店で事業再構築補助金が使えるか知りたい』

『飲食店の事業再構築補助金の活用事例を知りたい』

飲食店の経営者で、このような疑問を持たれている方は多いのではないでしょうか。

事業再構築補助金は借入れなどと違い返済が不要な公的資金です。申請には専門家や金融機関などのサポートによる事業計画書の作成も必要なので、既存事業をしっかり見直すよい機会になります。また、それらのサポートは、事業再建の強い味方になるでしょう。

飲食店が活用できる5つの事業再構築補助金の概要や、採択された飲食店の事例をもとに採択のポイントなどを解説します。

ぜひ参考にして自分の飲食店でも活用できるかどうかの判断材料にしてください。

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応募・採択割合ともに多い飲食店

下記の図は、令和4年6月に事業再構築補助金事務局から発表された「事業再構築補助金第5回公募の結果について」です。

令和46月事業再構築補助金事務局「事業再構築補助金第5回公募の結果について」より

第5回公募の応募件数は21,035件で採択件数は9,707件、採択率は約46%となっています。グラフから飲食店(宿泊業、飲食サービス)は応募割合・採択割合ともに多くなっていることがわかります。

事業再構築補助金は企業・個人事業主ともに申請でき、補助を受けることができれば事業再建の大きな助けになるでしょう。

2022年10月4日現在で第8回公募が開始されていますが、回数を重ねるごとに採択事案の内容が変わってきています。

コロナ直後の採択事例は主に非接触、非対面、会食から個食への転換など、感染対策に関する再構築が主流でしたがデリバリー対応やテイクアウトへの転換が増え、最近では飲食店という枠を超えた取り組みが目立ちます。

 

コロナ直後は感染対策がメイン

その後、デリバリーやテイクアウトなど

現在は、飲食店+αとしてシミュレーションゴルフやドッグランの併設や、冷凍食品の開発や製造などの思い切った事業の再構築が増えている

 

このような流れから、今後は事業再構築補助金の採択を受けるためにはある程度の抜本的な事業計画の見直しが求められると予想されます。

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飲食店が活用できる5つの事業再構築補助金

飲食店が利用できる事業再構築補助金には、新分野展開・事業転換・業種転換・業態転換・事業再編の5つの類型があります。

事業再構築補助金の概要を説明したのち、類型ごとの具体例を見ていきます。

参考資料:令和4328日経済産業省中小企業庁「事業再構築指針の手引き2.0版」より

事業再構築補助金の3つの要件と補助率・補助上限額は次のようになります。

必須申請要件

1)売上が減っている

2020年4月以降の連続する6ヵ月のうち、任意の3ヵ月間の合計売上高が、コロナ以前(2019年または2020年1~3月)と比較して10%以上減少している。

2)新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、事業再編に取り組む

3)認定経営革新等支援機関(以下、認定支援機関という)と事業計画を作成する

認定支援機関とは国の認定を受けた税理士、公認会計士、中小企業診断士、商工会、金融機関などのことです。

 

従業員数

補助額

必須申請要件

20人以下

100~2,000万円

中小企業:2/3

(6,000万円超は1/2)

中堅企業:1/2

(4,000万円超は1/3)

21~50人

100~4,000万円

51~100人

100~6,000万円

101人以上

100~8,000万円

新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、事業再編の違いは次のようになります。

これらの区別は日本標準産業分類をもとにおこないます。

主たる業種

主たる事業

大分類

中分類

小分類

細分類

例)食堂

飲食サービス業

飲食店

食堂、

レストラン

食堂、

レストラン

①新分野展開

主たる業種・主たる事業は同じで、新たな製品などを製造などする

②事業転換

主たる業種は同じ、主たる事業を変更する

③業種転換

主たる業種を変更し、新たな製品やサービスなどを提供する

④業態転換

製品などの製造方法などを相当程度変更する

主たる業種・事業は同じでよい

⑤事業再編

組織再編(合併、会社分割、株式交換、株式移転、事業譲渡など)

+①~④のいずれかをおこなう

取り組み例

テイクアウト導入、オンラインショップ開設、IT導入による生産性向上、料理人の出張サービス、レイアウト変更(個室増設、店内スペースの一部をシエアオフィスなどに転用)など

補助対象経費

建物費、建物改修費、設備費、機械装置・システム構築費(リース料含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権など関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費

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1.新分野展開

取り組み例

イタリアンレストランが瓶詰めケーキを開発してオンライン販売

コロナの影響で客足が減り売上が減少している。売上減少を補うため、今話題の瓶詰めケーキを開発しオンライン販売する。実店舗とオンラインショップで集客の相乗効果が見込める。

対象経費

オンライン販売するためのシステム開発費用、瓶詰めケーキを作成するための調理設備費用、宣伝広告費など

採択のポイント

過去に瓶詰めケーキ販売をおこなっていない。来店客とオンライン販売の客層は異なっており、イタリア料理とケーキの代替性は低く、需要が重複しない。オンラインショップを通じて実店舗へ誘導、実店舗からオンラインショップへ誘導できるなど相乗効果が見込める。大がかりなシステム開発・設備費用などが必要である。

2.事業転換

取り組み例

スナックから小料理屋へ事業転換

飲酒がメインとなるスナック経営はコロナの影響を大きく受けているため、立地のよさと事業者が持つ技術とノウハウを活かし小料理屋事業へ事業転換する。スナックなどがメインとする夜間時間はとくに需要が減少しているため、昼のランチなど日中に営業時間をシフトさせ需要を喚起する。

対象経費

内外装の改装費用、新たな調理設備の導入、宣伝広告費など

採択のポイント

過去に小料理屋を営んでいない。大幅な営業時間変更店舗立地のよさを活かしランチなど日中時間帯の需要を取り込む計画である。コロナ後の生活様式変化に対応した計画で大がかりな設備投資が必要な計画である。

3.業種転換

取り組み例

焼き鳥居酒屋が冷凍調理食品製造業へ業種転換

焼き鳥を提供する居酒屋を経営しているが会食が激減し、今後の集客にも不安があるため、新規事業として冷凍食品の開発をおこない、店舗での飲食よりも冷凍食品の販売をメインとする。

対象経費

急速冷凍機の購入、大型冷凍庫の設置、店舗改装費用、オンライン販売システム構築費用、宣伝広告費など

採択のポイント

過去に冷凍調理品製造業を営んでいない。コロナの影響で個人や団体での会食機会が減っているなか、新たに自宅飲みなどによるおつまみなどのお取り寄せ品需要が増えている。事業者がもつ技術やノウハウ活かした、コロナ後の新しい生活様式にあった計画である。急速冷凍機などの大がかりな設備投資が必要である。

4.業態転換

取り組み例

レストランが新たにドライブスルー形式での持ち帰り販売を開始

レストランを経営しているが会食機会などの減少による売上減少を補うため、店舗の一部を改装してドライブスルー形式での販売をはじめることにした。

対象経費

店舗の改装費用、ドライブスルーに対応した新たな調理設備の導入、ドライブスルーに対応した注文システム導入、宣伝広告費など

採択のポイント

過去にドライブスルー形式での販売をおこなっていない。郊外店舗でドライブスルーに適した立地である。レストランでは珍しいドライブスルーによる持ち帰りであることで新たな需要が見込める。ドライブスルーに対応した設備導入などの費用が必要である。

5.事業再編

取り組み例

居酒屋事業者が弁当宅配事業者を吸収合併

居酒屋事業をおこなっているがコロナの影響による売上減少のため、弁当宅配事業者を吸収合併し、弁当宅配事業をメイン業務に業種転換する。

対象経費

店舗の改装費用、宅配弁当用の調理設備費用、宅配用のバイクなど購入、宅配注文受付システムの導入、宣伝広告費など

採択のポイント

会社法上の吸収合併をしている。過去に弁当宅配事業を営んだことがない。居酒屋と弁当宅配業では顧客ニーズが異なり、売上増大が見込まれる。コロナ後の生活様式による需要の変化に適応している。大がかりな設備投資が必要である。

 

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飲食店の類型別採択事例

それではじっさい飲食店の類型別の採択事例を確認しましょう。自分の飲食店ならどのような事業計画を立てられそうか考えながら確認してみましょう。

1.新分野展開の採択事例

採択事例

レトルト食品OEM事業への新分野展開

オリジナルプリンの製造販売、カフェ、土産店を経営。コロナ禍長期化による売上減少を補うべく、好調なオリジナルプリンの製造販売のノウハウを活かし、地元の食材を扱ったレトルト食品OEM事業へ進出。

対象経費

OEM生産のための設備投資費用、OEM商品の販売をおこなうオンラインショップ開発費など

採択のポイント

レトルトパウチ・瓶詰・冷凍・焼き菓子などの保存に独自ノウハウを活用できる。企画相談、販路開拓、販売までをワンストップで請け負うことができる。苦戦している地元の生産者と連携して地域活性化に繋がる事業である。既存店舗との顧客と重複しない。大がかりな設備投資が必要である。

2.事業転換の採択事例

取り組み例

日本料理店が焼肉店を新たに開業

飲食店でも比較的コロナの影響が軽微で、業績好調な事業へ参入することで売上減少分をカバーする。手ごろな価格帯の日本料理店が、高価格帯の焼肉店をはじめる場合は、異なる顧客ニーズに応え売上増加を見込むことができる。

対象経費

備え付けのロースターなどの設備、店舗の改装費用、宣伝広告費など

採択のポイント

過去に焼肉店を営業したことがない。日本料理店と焼肉店の価格帯が異なるなどで顧客ニーズが重複しない。卓上備え付けのロースターなどの設備や改装などの費用がかかる。

3.業種転換の採択事例

採択事例

不動産賃貸業から飲食店へ業種転換

有名な黒門市場の中心にビルを構え、飲食店テナントをメインに不動産賃貸業を営んでいたがコロナの影響で1階テナントがすべて撤退したため売上半減。そこでビル1階をグルメ回転寿司店へ改装し飲食店事業へ進出。食材は市場内の老舗鮮魚店と提携して仕入れ・加工・保管を委託し、プロがさばく新鮮で高級なネタを提供する。

対象経費

店舗改装費用、調理設備などの導入、注文システムなどの導入、宣伝広告費など

採択のポイント

過去に寿司店を営んでいない。インバウンド依存から脱却し、市場商店街の需要を喚起する新しいビジネスモデルである。市場内の他事業者と連携し市場活性化に繋がる事業計画である。大がかりな設備費用が必要である。

4.業態転換の採択事例

採択事例

居酒屋が料理のオンライン販売へ業態転換

外出自粛や在宅勤務、団体での会食自粛などで売上が激減。外飲みから家飲みへ需要が変化していることに対応し、居酒屋料理を店舗販売からオンライン販売へ転換。

対象経費

オンライン販売へ対応した調理設備費用、店舗の改装費用、オンライン販売システムの導入など

採択のポイント

過去に料理のオンライン販売をおこなっていない。コロナ禍・コロナ後の社会変化に対応したビジネスプランである。自宅居酒屋・おうち飲みに対応し、新たな需要を喚起する計画である。新たな調理設備や店舗改装が必要な計画である。

5.事業再編の採択事例

採択事例

飲食店事業者がデイサービス事業者を吸収合併

コロナの影響で飲食店事業の売上が減少し回復の見込みが不明瞭なため、デイサービス事業を吸収合併し、デイサービス事業をメイン業務に業種転換する。

対象経費

内外装の改装費用、デイサービス設備費用など

採択のポイント

会社法上の吸収合併をしている。過去にデイサービス事業を営んだことがない。飲食業とデイサービス業では顧客ニーズが異なり、売上増大が見込まれる。コロナ後の需要が見込まれる。大がかりな設備投資が必要である。

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事業再構築補助金を活用したい飲食店の方へ

事業再構築補助金は返済不要の補助金です。採択されるためには認定支援機関(税理士、商工会、金融機関など)のサポートのもと事業計画を策定し、事業を再構築しなければなりません。

これは既存事業を見直し、専門家や金融機関などのサポートを受けて事業を再建する絶好の機会と言えますが、事業再構築補助金に採択されることはかんたんではありません。

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執筆者プロフィール:ドリームゲート事務局 月見里

ドリームゲートは経済産業省の後援を受けて2003年4月に発足した日本最大級の起業支援プラットフォームです。
運営:株式会社プロジェクトニッポン
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