起業したいけどアイデアがない!0円起業も可能なアイデアの見つけ方

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

会社に勤務しながら「起業したい」と考えている人も少なくないでしょう。2022年度の日本公庫による調査結果によれば、起業家のうち勤務しながら起業したパートタイム起業家の割合は、43.3%とのことです。

会社員として働きながらも起業を意識している人が多いことがうかがえます。

起業家は、どのようなアイデアで起業しているのでしょうか。起業するには、事業のアイデアが必要です。

当記事では、起業に向けたアイデアの見つけ方を紹介します。0円で起業できる、お金がかからないアイデアの例も紹介するので起業を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

オリジナルのアイデアは必要か

起業にアイデアは必要ですが、オリジナルのアイデアである必要はありません。その理由と対策は、次のとおりです。

  • 新たな事業はリスクが高い
  • 既存事業のポジショニングを変える

この2点についてくわしく説明していきます。

新たな事業はリスクが高い

オリジナルのアイデアで起業することは、前例のない事業の開始を意味します。前例のない事業は、不確定な要素が多くなります。不明なことが多いため、リスクが高くなるでしょう。起業早々、リスクが高い事業を運営することは、ギャンブルであるともいえます。

既存事業のポジショニングを変える

起業のアイデアは、既存事業のポジショニングを変えることで見つかります。既存事業でもポジショニングを変えれば、競合他社とは市場においても差別化できる可能性があるでしょう。

ポジショニングを変えるだけであれば、ビジネスモデルはすでに存在するため、リスクは低くなります。既存事業の内容を部分的に変えるだけのイメージです。

有名なポジショニングの活用例を紹介しましょう。

従来のポジショニング 変更後のポジショニング ポジショニング変更の理由
スターバックスコーヒー 既存のコーヒーチェーン(コーヒーを売る)という立ち位置 地域に親しまれる第3の居場所(サードプレイス)という居心地のよい時間と空間の提供へブランドイメージの変更 コーヒーだけではなく時間と場所を売ることで競合コーヒー店と差別化するため
ポカリスエット スポーツ飲料として消費者から支持を得ていた 清涼飲料水という立ち位置にブランドイメージを変更 競合他社が「オリンピック公式スポーツ飲料」というポジショニングを確立したため

これらのポジショニング変更(リポジショニング)は、市場において競合他社とは差別化したビジネスを展開するアイデアになるでしょう。

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アイデアを得るためにやるべき3つのこと

起業前には、アイデアを得るためにやるべき3つの準備があります。

  1. 起業・経営に関連する情報収集
  2. 公的機関・専門家に相談する
  3. コミュニティに参加する

起業・経営に関連する情報収集

起業のアイデアを得るためには、起業や経営の知見を深めなければなりません。起業や経営に関する情報は、専門書や専門家による情報発信からも獲得が可能です。なかには、信ぴょう性に欠ける情報もあるため、見極めが求められます。

起業や経営に関連する情報を収集できれば、イメージが具体化されアイデアも出やすくなるでしょう。ただし、起業を検討している人にとっては、「自身にとって必要な情報なのか」を見極めることは難しくなっています。公的機関の情報を2つ紹介するので参考としてください。

日本政策金融公庫

中小企業基盤整備機構

公的機関・専門家に相談する

起業するさいは、事業計画や屋号、資金繰りの方法など、事業開始に向けてさまざまな取り決めをしなければなりません。1人で限界を感じた場合は、中立的な立場によるアドバイスが必要です。アドバイスは、公的機関や専門家などに求めましょう。

取り決めにおける内容の決定は、アドバイスを聞き自分で判断をすることが大切です。以下の公的機関などに相談することで、中立的なアドバイスを受けられます。

よろず支援拠点

日本商工会議所

全国商工会連合会

コミュニティに参加する

起業への一歩が踏み出せない人は、起業コミュニティへの参加をおすすめします。参加するさいは、「コミュニティ運営事業者を信頼できるか」を調べてから申込みましょう。

運営事業者のなかには、お金だけ取られて、有益な経験を得られないコミュニティも存在するので、注意が必要です。その点、ドリームゲートが紹介するセミナーはドリームゲート(経済産業省の後援を受けて2003年に発足した日本最大級の起業支援プラットフォーム)が審査した起業の専門家が主催するセミナー・コミュニティだけを紹介しているので安心して参加していただけます。

セミナー参加者同士のコミュニティは互いに起業意識をもって、よきライバルであり同時に心の支えとなる存在になるでしょう。

アイデアを出すための発想方法

起業にオリジナルのアイデアは要りません。しかし、起業の一歩は、事業モデルのアイデアを出さなければはじまらないでしょう。事業モデルのアイデアは、次の方法で引き出せます。

  • マンダラート
  • SCAMPER法
  • ペルソナ分析
  • 6W2H
  • ブレインストーミング
  • シナリオグラフ
  • シックスハット法
  • なぜなぜ分析
  • アンチプロブレム

マンダラート

マンダラートは、3×3(9マス)の要素で構成されたマトリックス図によるアイデア出しの方法です。大谷翔平選手のマンダラートは有名ですね。

マトリックス図の真ん中のマスには、テーマを書きます。周囲のマスには、テーマの解決策を書き、その解決策もテーマとして広げていくイメージです。マンダラートは、ひとつのテーマからアイデアを広げる方法になるでしょう。

SCAMPER法

SCAMPER法は、アイデア出し方法のひとつである「オズボーンのチェックリスト」をアレンジしたアイデア検出方法です。SCAMPER法によるチェックリストは、次の質問でアイデアを生み出します。

  1. (あるテーマに対して)別のものに置き換えられますか?
  2. ほかのものと組み合わせられますか?
  3. ほかのことに応用できませんか?
  4. 修正するとどうなりますか?
  5. 別の使い道はありませんか?
  6. どれかを取り除いたらどうなりますか?
  7. 並び変えたらどうなりますか?

ペルソナ分析

ペルソナは、事業のターゲットを明確にすることです。ペルソナ分析では、明確にしたターゲット像による仮説からアイデアを発想します。ペルソナに設定するターゲット像が具体的であれば、アイデアの具体性も高くなるでしょう。

6W2H

6W2Hは、事業プランのアイデア出しに活用します。8つ(6W2H)の要素の問いかけに回答することで事業プランを具体化する方法です。

  1. What(何をするのか)
  2. Why(なぜ、やるのか)
  3. Where(どこでやるのか)
  4. Whom(誰とやるのか)
  5. When(いつやるのか)
  6. Who(誰がやるのか)
  7. How to(どんな方法でやるのか)
  8. How much(収益やコストはどれくらいか)

これら6W2Hに事業プランで重要な指標(信念やしくみ、資金など)をあてはめて、具体化します。

ブレインストーミング

ブレインストーミングは、3人以上の複数人のグループでおこなうアイデアの収集方法です。参加メンバーが自由な発言によりアイデアの可能性を広げます。ブレインストーミングのルールは、発言に対して批判的な意見を述べないことです。相手の意見を受け入れながら進めることで、アイデアの広がりに期待できます。

シナリオグラフ

シナリオグラフは、縦軸の質問に対して横軸から選択しアイデアの特徴を視覚化する方法です。たとえば、縦軸を「Who(誰が)」「What(何を)」「When(いつ)」というように設定し、横軸に候補となる要素(事業プラン)を並べてつなぎ合わせます。

Who(誰が) 自分(経営者)、取引先、行政書士、社労士、外注
What(何を) 事業計画書の作成、許認可申請、資金計画の立案、ロゴ作成、会社のWebサイト制作
When(いつ) 今日、明日、今週、2週間以内、1カ月以内

シナリオグラフは、要素のつなぎ合わせを組み替えることで新しいアイデアにつながります。

「自分が今日中に資金計画の立案をおこなう」

「明日、行政書士に事業計画書の作成を依頼する」

シナリオグラフは、ランダムに要素をつなぎ合わせるだけでアイデアが出せます。

シックスハット法

シックスハット法は、6つの思考パターンを6つの帽子に置き換えて発想する方法です。6つの帽子は、それぞれ色がちがい、かぶる帽子の色に応じた視点で発想します。たとえば、赤の帽子が「子どもの視点」であれば、子どもの立場で考えなければなりません。シックスハット法は、かぶった帽子の色のルールを守る点がポイントになるでしょう。

なぜなぜ分析

なぜなぜ分析は、「なぜ、なぜ」と原因を追求していく手法です。あるテーマに対して、疑問を問いかけ、深掘りします。製造現場などでは、ミスをなくすために使われますが、担当者のミスの追求ではなくシステムの見直しに使うことで前向きなアイデアが生まれるでしょう。

アンチプロブレム

アンチプロブレムは、逆転の発想でアイデアを生み出す方法です。通常の考え方ではなく、逆の視点で考えることで、新しいアイデアを生み出します。たとえば、起業のデメリットを考えたとき、「自分で判断しなければならない」という不安もあるでしょう。

逆転の発想で考えれば、、「自分で判断することを経験できる」という考え方に置き換えられます。アンチプロブレムで考えれば、デメリットをメリットとして捉えられるでしょう。

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2024年版・アイデアの例

起業するさいは、具体的な事業アイデアを決める必要があります。事業アイデアは、「自分を消耗させない」「労働量=収入」にならないアイデアのほうが成功しやすくなるでしょう。ここでは、2024年版の成功しやすいアイデアの例を紹介します。

  • 個人教室
  • 観光マッチングサービス
  • ハンドメイド作家
  • FP(ファイナンシャルプランナー)×〇〇
  • シェアリングサービス

個人教室

個人教室は、個人の能力を生かせる起業アイデアです。自分の得意なことや専門性の高い技術を持っているのであれば、教室やセミナーの開講により得意分野のスキルを活用しましょう。

観光マッチングサービス

観光マッチングサービスは、一般人でも通訳案内で報酬を得られるビジネスモデルです。2018年より通訳案内士の資格がなくても、通訳ガイドで収入を得られるようになりました。インバウンド需要を背景にした観光マッチングサービスは、大きな可能性があるでしょう。

ハンドメイド作家

ハンドメイド作家は、InstagramなどのSNSを交流の場としてオリジナルアイテムの販売を手がけるビジネスモデルです。SNS上で、ファンとのコミュニケーションをはかりながら、多角的な展開が期待できます。

FP(ファイナンシャルプランナー)×〇〇

FP(ファイナンシャルプランナー)は、新NISAによる個人投資の広まりを受けて、需要が拡大している資格です。ただし、資格を持っているだけではなく、ターゲットの絞り込みが求められます。

FPの資格は、子ども向けの勉強会や独身者限定など特化した提案が差別化につながるでしょう。「FP×小学生の保護者」や「FP×おひとりさま」などのかけ合わせに期待できます。

シェアリングサービス

シェアリングサービスは、「所有」から「共有」への時代の波に乗ったビジネスモデルです。

  • 洋服のサブスク
  • 家電のサブスク
  • 傘のレンタル
  • シェアリングエコノミー
  • ライドシェア

これらのシェアコンテンツを利用する側ではなく、シェアする場の提供者となることで多くの流動を生み出せます。シェアリングビジネスは、社会情勢の変化を捉えたビジネスモデルです。

0円で起業!お金がかからないアイデアの例

資本金0円でも起業は可能です。また、お金をかけずに起業する方法は複数存在します。ただし、お金をかけない起業の場合は、「高単価化」が成功の秘訣です。高単価化のポイントは、「利益率」と「利益額」の高さになるでしょう。ここでは、0円起業のアイデア例を紹介します。

〇〇コンサルタント

コンサルタントは、自分が取り組んできた過去の経験を生かせるビジネスモデルです。本業である程度実績のある人は、独立や副業によるコンサルティングが高単価の事業となる可能性があります。コンサルティングのテーマとしては、泥臭い実績が役立つでしょう。たとえば次のような実績です。

  • 上司の愚痴に対応してきた経験を生かした中小企業経営者専門の相談サービス
  • 会社の日常から身につけた対人スキルマニュアルの提供など

コンサルティングサービス提供のターゲットを絞り込めれば、単価の高い利用者が期待できるでしょう。

人が集まる「場」づくり

価値観が多様化する時代にあっては、人が集まる「場」づくりもひとつのビジネスアイデアです。

  • ストレスを抱え心のケアが必要な人
  • 共通の趣味の仲間が欲しい人たち

0円起業では、このような対象者を集めるコミュニティ運営が適しています。資金を投入して大きな事業計画を立てるのではなく、気の合う人たちを集めるコミュニティ運営のほうが現実的です。「高額収入」のような地に足がついていないビジネスモデルではなく、着実に人が集まる「場」の提供もスモールビジネスとして成立するでしょう。

手持ちのノウハウ+α

0円起業では、手持ちのノウハウの商品化に需要があるでしょう。たとえば、栄養士の資格がある人ならば、LINEで献立相談を受けるビジネスアイデアも考えられます。引越サービスの現場で仕事をした経験があれば、女性向けの引っ越しで家具組み立ての代行なども有効です。そのほか、保育士の経験や介護士の経験なども、具体的なサービスと組み合わせればビジネスアイデアになるでしょう。

起業の流れ

起業の流れは、次のステップで進めます。

  • ビジネスモデルの決定
  • 事業内容の決定
  • 起業計画の具体化
  • 資金調達、手続き

ビジネスモデルの決定

ビジネスモデルの決定には、起業アイデアをもとにした目的やターゲットの設定が必要です。理念や価値観を確立することで、方向性を明確にできるでしょう。ビジネスモデルのコンセプトでは、「誰に」「何を」「どのように」の視点でシンプルにまとめると、伝わりやすくなります。

事業内容の決定

事業内容は、ビジネスモデルのコンセプトに沿って決めましょう。そのさい、競合や市場を調査したうえで「どのような事業をおこなうか」を計画的に決めることが重要です。

起業計画の具体化

事業内容が決定したあとは、会社の基本情報を決定します。市場の規模や売上予測をもとに、事業計画を考えましょう。事業計画は、外部の協力者が必要な場合に欠かせない情報です。事業の強みや特徴、売上目標などを客観的にまとめる必要があります。

資金調達、手続き

起業の流れで最後におこなうステップは、ビジネスをはじめるさいに必要となる費用の調達です。ビジネス開始時の費用は、運転資金や人件費、設備費などが考えられます。

それらの費用にかかる資金は、「どのように調達するのか」を決めることが大事です。

  • 自己資金をどれくらい投入できるか
  • 銀行からどれくらいの融資が必要か
  • 最初にかかる出資はどれくらいかなど

これら資金調達の手続きは、個人や法人で大きな違いはありませんが、開業時の資金が異なります。個人事業主であれば、所轄の税務署に開業届を申請するだけなので手間も費用もかかりません。法人の場合は、定款の作成や登記手続きが必要になるため、その分の費用が発生します。

そもそも起業とは何か

ビジネスアイデアを提供して一定の収入を得るには、起業する必要があります。では、そもそも起業とはどのように定義されているのでしょうか。

起業とは、新しく事業を起こすことを意味する言葉です。また、起業は個人事業主と法人ではじめ方が異なります。

個人事業主として起業

個人事業主としての起業は、次の手続きが必要です。

  • 個人事業の開業・廃業等届出書の提出
  • 所得税の棚卸資産の評価方法の届出書の提出
  • 所得税の減価償却資産の償却方法の届出書の提出
  • 所得税の青色申告承認申請書(青色申告をする場合)
  • 適格請求書発行事業者の登録申請書

個人事業主の場合は、所轄の税務署に必要な書類を提出するだけで開業できます。

法人として会社設立

法人として起業する場合(株式会社の場合)は、次の手続きが必要です。

【公証役場】基本事項が記載された定款の認証

【印鑑販売業者】銀行印、社印、角印など

【金融機関】出資金の払い込み

【法務局】法人登記申請

【年金事務所】

  • 健康保険・厚生年金保険新規適用届の申請
  • 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届の申請

【税務署】

  • 法人設立届出書
  • 棚卸資産の評価方法の届出書
  • 減価償却資産の償却方法の届出書
  • 青色申告の承認申請書(青色申告をする場合)
  • 消費税の新設法人に該当する旨の届出書
  • 適格請求書発行事業者の登録申請書

起業の手続きは、法人のほうが個人事業主より申請の手間がかかります。

起業のアイデアに関するよくある質問

起業のアイデアを考えるさいに、よくある質問は次のとおりです。

ビジネスアイデアを相談し、盗まれることはありますか?

ビジネスアイデアを保護する方法には、相談相手に盗用されないためのNDA締結があります。NDA締結は、個人事業主や法人で記載事項は変わりません。くわしくは、以下のページを参考にしてください。

起業のアイデアはありますが、何からはじめたらよいですか?

起業のアイデアがある場合は、まずは事業計画書の作成から取り組みましょう。事業の採算性など、事業計画がなければ判断できません。くわしくは、以下のページを役立ててください。

ビジネスアイデアの見つけ方を教えてください

ビジネスアイデアを見つけるコツは、次のとおりです。

  • 既存ビジネスの要素を組み合わせて考える
  • 既存ビジネスの課題意識を持つ

そのうえで「どんなサービスを提供するか」を検討します。以下のページでくわしく解説しているのでお役立てください。

まとめ

起業のアイデアは、ゼロから生み出す必要がなく、既存の事業モデルの組み合わせで見つかります。そのため、オリジナルのアイデアを追求する必要はありません。また、アイデアの創出では、当記事で紹介した発想方法が役に立ちます。

起業は、資金ゼロでも可能です。また、ひとりであっても問題ありません。ただし、未知の世界に飛び込むことは不安もあると考えられます。

当記事を読み、起業についてさらに関心が湧いたのであれば、ドリームゲートのセミナーに参加してみてはいかがでしょうか。不安なく起業手続きを進めることができるようになります。

ドリームゲートが紹介するセミナーはドリームゲート(経済産業省の後援を受けて2003年に発足した日本最大級の起業支援プラットフォーム)が審査した起業の専門家が主催するセミナー・コミュニティだけを紹介しているので安心して参加していただけます。

執筆者プロフィール:ドリームゲート事務局

ドリームゲートは経済産業省の後援を受けて2003年4月に発足した日本最大級の起業支援プラットフォームです。
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