「要領を読むとしっかりした事業計画が必要みたいだし、個人事業主はあんまり対象じゃないのかも」事業再構築補助金を検討している個人事業主に、そうした不安を抱えている人は多いことでしょう。しかし、事業再構築補助金には個人事業主こそ有利に使える枠があることはよく知られていません。
この記事では、多くの認定支援機関が所属するドリームゲートが個人事業主が事業再構築補助金の採択獲得率をアップさせるためのコツをお伝えします。この記事さえ読めば個人事業主の事業再構築補助金申請の基礎知識が把握できるよう、重要なポイントや注意点もわかりやすくまとめました。ぜひ参考にして、確実な補助金獲得を目指してください。
- 目次 -
個人事業主・フリーランスでも、事業再構築補助金は申請できる
事業再構築補助金の公募要領では、募集対象が「中小企業者等」と表現されています。企業という言葉から「個人事業主は対象外かも?」と思ってしまいがちですが、個人事業主やフリーランスでも事業再構築補助金の申請はできます。
おすすめなのは「緊急事態宣言特別枠」
個人事業主やフリーランスにおすすめなのは、事業再構築補助金のなかでも「緊急事態宣言特別枠」というものです。緊急事態宣言特別枠には大きく2つのメリットがあります。
【緊急事態宣言特別枠のメリット】
- 補助率が高い
- 採択率が高い
緊急事態宣言特別枠は、従業員5人以下の場合に補助額500万円まで、3/4という高い補助率(通常枠では補助率が2/3)の特別枠です。通常枠よりも補助率が高いのがポイントです。
緊急事態宣言で休業要請の対象にならなかった地域や業種でも、要件にあてはまれば地域や業種関係なく応募できます(ただし、緊急事態宣言の影響を受けたことを証明する資料が必要)。
採択件数に限りがあるものの、特別枠に申請して不採択となった場合は、加点のうえ通常枠で再審査されます。2回のチャンスがあるだけでなく通常枠の審査では加点もあるので、最初から通常枠に応募するより採択率が高くなるのです。
6月16日に発表された第1次公募<緊急事態宣言特別枠>の結果、2,866件の採択数のうち法人ではない(法人番号の記載がない)件数は610件と、全体の27%もありました。この数字から考えても緊急事態宣言特別枠で申請するのは個人事業主にとってメリットが大きいと言えるでしょう。
緊急事態宣言で直接的・間接的に影響を受けた個人事業主は、まずは特別枠に申請することをおすすめします。
出典:中小企業庁 ミラサポPlus
緊急事態宣言特別枠に申請できる条件
緊急事態宣言特別枠の応募するには、通常枠の申請要件を満たしている必要があります。通常枠の要件はのちほど説明するので参考にしてください。
通常枠の要件を満たしたうえで、緊急事態宣言特別枠で必要な要件は以下のとおりです。
「緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、令和3年1~3月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少している事業者。」
売上高に関するものだけのシンプルな要件なので、自分が対象になるかどうかすぐに検討できます。帳簿をチェックしてみましょう。
緊急事態宣言特別枠の注意事項
緊急事態宣言特別枠は第2次公募(7月2日締切)が最後だと公式に発表されていますので、検討している方は急いで第2次で申請する必要があります。
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事業再構築補助金の基本をかんたんにおさらい
事業再構築補助金は令和3年度にはじめて取り組みされた補助金です。そのため、情報がまとまっておらず分かりづらい印象を受ける人も多いようです。補助金申請にあたって最低限知っておきたい情報をまとめたので、基本のおさらいに活用してください。
事業再構築補助金の目的
新型コロナウィルスの流行収束後やウィズコロナの生活様式を見すえて、現在の事業内容や分野を大きく転換させるための取り組みを支援する補助金です。あらかじめ予算が定められており、その範囲内で審査を通過すれば補助金を受給できます。
具体的に補助対象として想定されているのは新分野への事業展開、業態・事業・業種の転換や、事業再編またはこれらの取り組みを通じた規模の拡⼤、海外展開などです。
事業転換の意志を明確に示す必要があるので、バラマキと批判もあった持続化給付金などにくらべると申請の難易度は高いと言えるでしょう。
ただし、事業再構築補助金は要件さえ満たせば業種に関係なく申請が可能です。
事業再編や海外展開と聞くと大規模プロジェクトしか対象にならないように思いがちですが、じっさいは店舗営業の飲食店がデリバリー専門に転換するような場合でも審査の対象になります。
コロナ禍で事業が深刻なダメージを受けてしまったという人は、事業再構築補助金を活用して事業の建て直しを考えてみてはどうでしょうか。
「通常枠」のおもな申請要件
通常枠の申請要件は、大きく3つあります。緊急事態宣言特別枠と同様、通常枠でも個人事業主の応募が可能です。
(1)売上が減っている
2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること。
→6か月のなかから選ぶ3か月は連続していなくてもかまいません。売上が落ちている月から優先して選んでも問題ないということです。
(2)事業再構築に取り組む
補助金の申請をするには、中小企業庁の定める事業再構築に計画的に取り組む必要があります。
事業再構築とは、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換または事業再編のいずれかによって事業の建て直しをはかることです。
→補助金申請時に提出する事業計画書には、事業再構築をどのように進めるか具体的な計画の提示が求められます。計画をわかりやすく説明するためには、しっかり練り込んだ事業計画書を作ることがマストです。
(3)認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する
事業再構築補助金では、審査に提出する事業計画書は「認定経営革新等支援機関(認定支援機関)」のサポートを受けて作成することが必須となっています。
そもそも事業再構築補助金は審査を通じて採択される補助金です。補助金を勝ち取れる事業計画書をつくるために専門家のサポートを受けるのは合理的だともいえるでしょう。
認定経営革新等支援機関(以下、認定支援機関)とは事業計画書づくりを一緒に進めることになりますが、補助金獲得後のモニタリング期間(5年間)もサポートを受けることになります。認定支援機関を選ぶさいには、補助金獲得の実績だけでなく、信頼感をもって長く付き合えるかも意識することをおすすめします。
なお、事業計画書で設定する目標数値はあらかじめ指定されており、補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加が見込まれる計画となっている必要があります(付加価値額とは営業利益、人件費、減価償却費を足したもの)。
こうした数値目標を満たした事業計画書を認定支援機関と一緒に作りあげていきましょう。
必ず「認定支援機関」と策定した事業計画書が必要
事業再構築補助金の申請には必ず認定支援機関の監修した事業計画書が必要です。そうはいっても、個人事業主の場合は経理や確定申告をすべて自分でおこなう場合も多く、税理士や銀行などに気軽に相談できる状況ではないかもしれません。
ドリームゲートはビジネスをサポートする専門家が多数在籍しており、事業再構築補助金の相談も無料でできます。下記リンクからドリームゲート在籍の認定指定機関から一括で見積り提案を受けられるので、自分に合いそうな専門家を探してみてはいかがでしょうか。
公募スケジュール
事業再構築補助金は令和3年度に全部で5回の公募がされる予定です。現在2回目の公募を受け付けている最中ですが、間に合わなくても今年度中にあと3回の募集が行われます。
【第2回公募スケジュール】
- 公募開始:令和3年5月20日
- 申請受付:令和3年5月26日
- 応募締切:令和3年7月2日
- 採択結果公表:8月下旬~9月上旬予定
※8/10追記・第3回公募のスケジュールは次の通りです。
【第3回公募スケジュール】
- 公募開始:令和3年7月30日(金)
- 申請受付:令和3年8月下旬開始予定
- 応募締切:令和3年9月21日(火)18:00
- 結果発表:令和3年11月中旬~下旬頃
申請に必要なもの
事業再構築補助金の申請にはどんな書類が必要になるのでしょうか。必要書類を確認すれば申請のイメージもふくらみますので、認定支援機関に相談する前にまずは自分で確認してみましょう。
あらかじめ準備が必要な4つの書類
申請に必要な書類のなかで、とくに注意を要するものを4つご紹介します。それぞれ作成に時間がかかったり、第三者に書いてもらう必要があったりと注意点が必要なので、補助金申請を考えている人は必ず知っておいてください。
事業計画書
事業計画書は補助金申請のさいに提出します。
申請時に提出した事業計画書の内容しだいで補助金事業に採択されるかどうかが決まるので、一番重要な書類だといっても過言ではないでしょう。事業計画書ならなんでもいいわけではなく、要領のなかで「認定支援機関」の監修を受けて制作することと決められています。関係者が多くなるぶん時間もかかりますので、補助金申請を検討しているなら事業計画書づくりには早めに取り掛かることが求められます。
認定経営革新等支援機関による確認書
認定支援機関と共同で事業計画書を作成したことを証明する書類です。数字に強い人は自分でも事業計画書が作れてしまうかもしれませんが、認定支援機関への依頼は必須となっていますのでご注意ください。
経理関係書類
補助金の交付が決定してから必要になる書類です。契約書や注文書、注文請書、見積書、仕様書、納品書、請求書、振込控などが対象になります。補助金が申請した内容とちがう用途や金額で使われていないか確認するために必要なので、ふだんの経理業務の処理が終わっても別に保管しておきましょう。
経費区分別実施内容を明らかにする資料
こちらも、補助金の交付が決まってから必要になる資料です。対象となるのは、購入したものの現物の写真や関連資料です。そのほかにソースコードや画面キャプチャー、チラシやパンフレット、制作物など、「関係あるかも」というものは保管しておくと安心です。
GビズIDを取得しておこう
事業再構築補助金は電子のみの申請です。国が運営する電子申請システムを利用するため、「GビズID」という専用のIDを取得する必要があります。GビズIDの登録には申請から3週間以上かかるため、事業計画書が完成していなくても先にIDの取得を進めておきましょう。GビズIDには「プライム」「メンバー」「エントリー」の3種類があり、事業再構築補助金に申請するには「GビズIDプライムアカウント」を取得しなければなりません。
どうしても時間がない場合、補助金申請だけなら仮IDでも申請が可能ですが、採択された場合の事務手続きには本IDが必須になります。
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事業再構築補助金以外の補助金・助成金も活用しよう
個人事業主が利用できる補助金としては、事業再構築補助金のほかに「小規模事業者補助金」「ものづくり補助金」「IT導入補助金」もおすすめです。これらは併用も可能ですが、補助金や助成金どうしで対象経費がかぶることは避けてください。同じ資金使途で二重に補助金を受け取ることは基本的に禁止されているからです。
複数の補助金や助成金を最大限に受給するには、計画全体を眺めながら対象経費をうまくズラしていくのがコツです。
まとめ
事業再構築補助金は個人事業主も対象になるので、要件にあてはまる人はしっかりと事業計画を作りこんで補助金獲得を目指してください。個人事業主は緊急事態宣言の影響を受けて経営が苦しい場合も多いですので、緊急事態宣言特別枠を積極的に活用しましょう。
確実に審査に通るには補助金獲得に実績のあるプロに相談するのが安心です。ドリームゲートの無料相談をぜひ活用してください。