「なるべく少ない初期投資で起業する方法はないかな?」「自分ひとりでも起業できるかな?」そう考えている人におすすめなのが、「ひとり起業」という起業スタイルです。
女性や定年後の起業でも、準備がしっかりしていれば上手くいく可能性が高いのが「ひとり起業」です。
この記事では、これまで多数の起業家を支援してきたドリームゲートが、ひとり起業で成功するための4つの秘訣を紹介します。ひとり起業の成功率を高めるために、ぜひ参考にしてください。
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日本の起業の実態とは?
2020年中小企業白書によると、日本国内においては、起業希望者や実際に起業に至る人の数は減少し続けていますが、起業希望者から起業に至った人の割合は増加しています。
また、従来は起業といえば仕事を辞めてから取り組むスタイルが一般的でしたが、最近では副業的な方法で起業する人が増えています。副業なら本業の収入を受け取りながらはじめられるため、低リスクな方法として人気が高まっています。
さらに、個人のスキルや技能を使って収入を得る「フリーランス型起業」の数も増加を続けており、単に「起業」といってもそのあり方が多様化してきていることがわかります。
このように、小規模なビジネスをひとりではじめることは「ひとり起業」とも呼ばれ、これからの起業のひとつのトレンドになることは間違いありません。
起業を考える人のすべてが起業にこぎつけるわけではありませんが、最近では「ひとり起業」のような起業方法が当たり前になったことで、より個人の事情に合った起業スタイルが選べるようになってきていると言えるでしょう。
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女性のひとり起業を取り巻く環境
女性起業家に注目してみると、その数は増加傾向にあることがわかります。まだ男性より割合は少ないですが、子育て期の女性にとって「起業」が有力なキャリアの選択肢となっていることも背景にあるようです。
日本は少子高齢化で経済の担い手不足が指摘されています。そんななか、男性とは違った視点をもった女性起業家は、単に労働力というだけでなく日本経済にイノベーションを起こす存在として期待されているのです。
国や自治体による起業支援は、女性向けが手厚くなっているケースもあり、今後も起業する女性は増加していくことが期待されます。
参考:平成27年度産業経済研究委託事業・女性起業家等実態調査(EY アドバイザリー株式会社)
個人事業主と法人のどちらにするか
起業には、個人事業主ではじめる方法と法人を立ち上げる方法の2通りがあります。
個人事業主は、創業手続きがかんたんで手間がかからないのがメリットです。ただし、事業がうまくいかず何かあったときはすべて自分の責任となり、自己の財産で弁済しなければならない(無限責任)というデメリットがあります。
法人を立ち上げるメリットは、信用力があるので取引先開拓や従業員の採用にプラスになりやすいこと、事業所得が大きくなり節税効果が高くなること、法人と代表者の財産は区別されるので、経営者が無限責任を負わないなどの点があります。
法人を立ち上げるデメリットとしては、設立時に登記などの手続きが必要であり、費用や時間が必要となることが挙げられます。
個人事業主と法人の違いについてくわしく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
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ひとり起業のメリットとデメリット
ひとりで起業を考えている人には、さまざまな背景があることでしょう。「今あるリソースを使って小さくはじめたい」「起業仲間と気が合わなくなることを避けたい」「最初はひとりではじめて、軌道に乗ったら人を増やしたい」このようなニーズに対応できるのがひとり起業です。
ひとり起業にはメリットだけでなくデメリットもあるので、自分にひとり起業が合っているかあらかじめよく確認しておきましょう。
ひとり起業のメリット
ひとり起業のメリットには、以下のようなものがあります。
時間の自由がきく
会社のように勤務時間は決まっていないため、好きな時間に働き、好きな時間に休むことができます。ライフスタイルを大きく変えることも可能でしょう。
自分の裁量で自由に判断できる
ひとり起業では、会社員のように上司の承認を得る必要はもちろんありません。自分の責任において自由に判断できるのは大きな魅力です。
自分の実力や働きが収入に直結する
ひとり起業は、稼いだ分だけ自分の収入になります。会社員でありがちな「こんなに成果を上げたのに給料が上がらない」という悩みとも無縁です。
面倒な人間関係から開放される
ひとり起業は、そのスタイルによっては事業をすべて自分だけで完結させることも可能です。人間関係が面倒・苦手という人には大きなメリットではないでしょうか。
定年がない
起業すれば、自分がやろうと思う限り働き続けられます。アーリーリタイアも、死ぬまで仕事を生きがいにするのも、すべて自分しだいです。
ひとり起業のデメリット
ひとり起業にはメリットもありますが、「ひとりでやる」ことが原因で生まれるデメリットもあります。ひとり起業のデメリットで代表的なのは、以下の4点です。
オン/オフの切り替えが難しい
ひとり起業はすべての業務を自分でこなす必要があるため、勤務時間という概念がなくなりがちです。「ダラダラずっと仕事をしている」状況になりやすい傾向があります。
マンパワー不足
ひとり起業は事務や営業もひとりでこなさなければならず、マンパワー不足に陥りがちです。すべてを完璧にこなそうとせず、自分なりの落としどころを見つける必要があります。アウトソーシングも上手に活用しましょう。
人間関係の構築が難しい
ひとり起業は、基本的には自分だけで事業を行います。コミュニケーションを取らなくても事業が成立してしまうため、ビジネスに必要な人脈は意識的に開拓していかざるをえません。
すべての責任を負う
「責任」というと債務の話を想像しがちですが、ひとり起業に伴う責任はそればかりではありません。日々の体調管理や、病気で働けなくなった場合の収入リスク、老後の準備も自分で対応する必要があります。
ひとり起業で成功するための4つの秘訣
ひとり起業で成功するためには、先ほど紹介した4つのデメリットに対策を打つことが大切です。それぞれの具体的な対策方法を解説するので、ぜひ取り入れてみてください。
①時間管理の徹底
時間管理をおこなうには、時間管理アプリなど、システムツールを活用して作業時間を見える化することが効果的です。タイマーやリマインダー、時間単価の計算など便利な機能がたくさんあるので、積極的に活用してください。
また、コスト削減のために古いPCや複合機を使っている人も多いのではないでしょうか。動作スピードが遅かったり、不具合への対応が必要になったりして、むしろ時間コストが多くなっている可能性があります。買い替えも含めて検討しましょう。
時間管理についてくわしく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
②外注によるマンパワー不足解消
外注やアウトソーシングを上手に活用することで、人手不足からくるストレスや時間不足を解消できます。
アウトソーシングできるものには経理代行(記帳や税務申告など)、ウェブサイト作成・運用、チラシや広報ツールの作成、集客、電話代行などがあります。苦手意識があるものは思い切って外注にすると、時間ができるだけでなく経営にも集中できて一石二鳥です。
③サービスを利用した人間関係の構築
ビジネスに役立つ人間関係を構築するには、ビジネスマッチングアプリや業界関係者、経営者向けのオンラインサロン、異業種交流会などに参加する方法があります。
オンラインサロンは人間関係ができるだけでなく、ビジネスに役立つ情報や気付きが得られるようなものもあります。自己啓発も兼ねてオンラインサロンを探してみてはいかがでしょうか。
④体調管理と老後の備え
ひとり起業は、自分が倒れたら誰も代わりがいません。健康第一と考え、自主的に健康診断や人間ドックを受診しましょう。万一長期間仕事ができなくなった場合に備えて、所得補償保険の加入も検討したいところです。所得補償保険は、病気やケガが原因で長期間働けなくなった場合に、医療費や生活費を補填してくれる保険です。
また、国民年金や厚生年金は老後の貴重な収入源です。会社員時代の年金制度から移行手続きを確実に行い、拠出を続けられるようにしましょう。
老後の備えをさらに確実にするためには、小規模企業共済や確定拠出年金(iDeCo)などの任意加入の制度も積極的に活用することをおすすめします。
ひとり起業に向いてる業種は?
ひとり起業を成功させる秘訣は、「小さく低リスクで始めること」です。近年では会社員が副業で起業するようなケースも増えており、初期投資がほとんどかからない起業方法も珍しくありません。
ひとり起業するなら、次のような業種やスタイルがおすすめです。
- 情報ビジネス(動画講座、Kindle出版、PDFのダウンロード販売など)
- 間借りビジネス(レストランの間借りなど)
- 無店舗・ネットビジネス(ネット転売、オンラインコミュニティ運営、代行ビジネスなど)
ひとり起業は、基本的に無店舗やネットを活用したビジネスと相性がよいことがわかります。そのなかでも、なるべく仕入れが発生しない方法を考えるなどして運転資金をできるだけ減らしましょう。
従量課金制のサービスを利用したり、ブログやSNSを活用して広告費を抑えたりする工夫も大切です。
ローコストで起業する方法は、次の記事も参考にしてください。
今は「50万円で起業」がトレンド・成功確率の高い5つのビジネスとは
低い初期費用で起業できるビジネス
初期費用がかからない起業スタイルで代表的なものには、ネットショップ、フランチャイズビジネス、代行ビジネス、ITビジネスなどがあります。
ネットショップ
ネットショップは、商品を仕入れてオンライン上で商品を販売するビジネスです。最近ではネット仕入サイトが充実しており、仕入から販売まですべてオンラインで完結させることも可能です。従量課金制のネットショップ構築サービスを利用するとよいでしょう。
フランチャイズビジネス
フランチャイズは、フランチャイズ本部に手数料を支払うかわりに営業権や経営ノウハウを受け取ることができる仕組みです。分かりやすい例としてコンビニエンスストアがあります。フランチャイズ本部から支援が受けられ、マニュアルもしっかりしているのでサポートを受けながら起業したい人には合っているかもしれません。
代行ビジネス
代行ビジネスとは、その名のとおり代行で作業を請け負うビジネスです。家事代行、営業代行、秘書代行などがイメージしやすいでしょう。自分のスキルを活かして起業につなげることが可能です。
ITビジネス
ITビジネスとは、IT技術を使ったビジネスのことです。ウェブサイト作成、ウェブサービス開発、ウェブデザイン、アプリ開発などさまざまな形態が考えられます。PCとネット環境さえあれば起業できるので、初期投資がほとんどかからないのが魅力です。
起業(会社設立)に向けてのスケジュール
起業にあたって会社を設立する場合は、事務手続きだけでも1ヶ月以上の時間がかかる場合があります。申請前に必要な準備を含めれば、数か月の余裕をもって取り組みたいところです。
会社設立の手続きは、税理士、行政書士、司法書士に依頼できます。費用の相場や、会社設立手続き以外のサポートを受けたいかどうかによっても誰に頼むべきかが異なります。税理士、行政書士、司法書士に頼んだ場合の違いについて知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
ひとり起業について知るセミナー
「ひとり起業についてもっと知りたい」「私でもできそうな気がしてきたから、次の一歩を踏み出したい」そんな人は、ひとり起業に役立つセミナーに参加してみてはいかがでしょうか。ドリームゲートでは、起業や経営に役立つセミナーを随時開催しています。
セミナー講師はドリームゲート所属のアドバイザーなので、悩みや分からないことは個別相談も可能です。ひとり起業で何からはじめたらよいか分からない人は、まずはセミナー参加からスタートしてみてはいかがでしょうか。
ひとり起業で成功するために
冒頭でも説明したとおり、起業したいと思った人のすべてが起業できるわけではありません。起業したいという漠然とした思いやイメージを明確にしていき、実際に行動に起こすまでを一人でおこなうのは困難であり、途中でつまづいてしまう人も少なくありません。
事務仕事や数字の計算が苦手だったり、人手が足りず事務までやっている時間がないという人も多いでしょう。そうした場合は、無理して自分でやろうとせずに専門家の力を借りることをおすすめします。
ドリームゲートには、これまで数多くの起業家をサポートしてきた専門家が多数在籍しています。まずは無料のセミナー参加や無料相談などを活用して、相談できる相手を探してみてはいかがでしょうか。
執筆者プロフィール:ドリームゲート事務局 月見里
ドリームゲートは経済産業省の後援を受けて2003年4月に発足した日本最大級の起業支援プラットフォームです。
運営:株式会社プロジェクトニッポン
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