Go To Eatは起死回生になるか?飲食店の参加要件まとめ

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 萩原 洋(フードビジネスコンサルタント)

新型コロナウイルス感染症で冷え切った経済を立て直す目的で、7月に始まったGo Toトラベルキャンペーン。自民党の新総裁になった菅氏は、開始から現在までに200万人が利用したと明かしました。Go Toトラベルに関しては、開始時期や東京を除外するのかしないのかなど、すったもんだがあり、Go To〝トラブル〟とまで揶揄されました。しかし、自粛からの解放も手伝って、その効果は予想通り。しかも感染拡大の懸念を払拭する、Go Toトラベルでの感染者は10人程度に抑えられています。今後、東京が解禁され、観光業の復活も期待される事業となりました。

さて、Go Toキャンペーンの次なるターゲットは、飲食業復活に向けたGo To Eatです。東京でも、夜間の時間制限がとかれますから、ウィズコロナ時代の飲食店のあり方が模索されるところです。

今回は、Go To Eatがどのようなキャンペーンで、飲食店がどのように参加できるのかをまとめました。

観光業の次は飲食店「Go To Eat」

Go To Eatは、農林水産省が主導するキャンペーンで、新型コロナウイルス感染予防対策に取り組み、頑張っている飲食店を支援するための事業です。新型コロナにより、客足が減少してしまった飲食店の支援ではありますが、その裏には農産物の生産者や漁業関係者など、多くの人々の生活があります。これらすべての人々の業績が、少しでもアップすることが目的です。

Go To Eatキャンペーンの内容

Go To Eatは、農林水産省が選択した事業者によって取りまとめられます。具体的な方法としては、「食事券の発行」と「オンラインによる飲食予約」があります。

食事券について

登録された飲食店で使えるプレミアム付食事券です。地域の飲食店で使える食事券を、都道府県で指定された発行事業者から利用者が買うというものです。その食事券は、たとえば1万円で1万2500円分の食事ができる(都道府県により上乗せ額などは異なる)というもの。販売期限は2021年1月末で、利用期間は2021年3月までとなっています。なお、使用の際にお釣りは出ません。

発行事業者は、都道府県によって異なりますので、農林水産省のホームページでご確認ください。
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gaisyoku/hoseigoto.html

オンライン飲食予約サイトのリスト

登録予約サイトで、利用者が期間中に飲食店の予約や来店をした際に、次回以降に飲食店を利用した時に使えるポイントが付与されるというものです。ランチタイムの時間帯には500円分、ディナータイムの時間帯には1000円分が付与されます。

ポイント付与の上限は10人分、最大1万円です。ただ、新型コロナの対策を考えると、上限の10人は多いので、私は避けたほうが安全ではないかと考えます。ポイント付与期限は2021年1月末で、利用期間は2021年3月までです。

なお、オンライン飲食予約委託事業者によって参加条件が異なり、手数料が発生する場合もありますので、詳細は下記の事業者にご確認ください。

オンライン登録事業者 問い合わせ先
ぐるなび https://pro.gnavi.co.jp/kamei/ 0120-55-9672(10:00-18:00平日のみ)
食べログ https://owner.tabelog.com/owner_info/net_yoyaku_campaign
Yahoo!ロコ飲食予約 https://reservation.yahoo.co.jp/business/ 0120-945-982(平日10:00-19:00)
一休.comレストラン https://restaurant.ikyu.com/rsEtc/JoinUs/start.htm
EPARK 03-6388-0037
EPARKグルメ 03-6388-0037
HOT PEPPERグルメ https://www.hotpepper.jp/lcp_keisai/ 0120-700-841(平日 10:00-19:00)
favy http://info.favy.jp/contact_inquery.html 050-1746-3240
トレタ 0120-338-264
オズモール https://www.ozmall.co.jp/topics/shopinquiry/
Retty free_account@retty.me 03-6852-7327
LUXA https://faq.luxa.jp/contact
ヒトサラ https://hitosara.com/success/ 0120-040-325(平日10:00~18:00)
Chefle info@fesbase.co.jp 03-4578-5923
大阪グルメ https://www.hyojito.co.jp/contact/ 06-6202-2611

Go To Eat参加の条件は?

Go To Eatキャンペーンに参加したい飲食店はたくさんあると思いますが、参加するには守らなければならない条件があります。「外食業の事業継続のためのガイドライン」が一般社団法人日本フードサービス協会・一般社団法人全国生活衛生同業組合中央会から出ていますが、まずはこれにクリアすることが前提です。

簡単にいうと、「食品の安全と衛生管理」はできているか、「店舗、施設等の清掃と消毒」が行われているか、「従業員の健康チェックと個人の健康・衛生管理の徹底」はなされているか、「社会的距離の設定と確保への工夫」が考慮されているか、などです。詳しくは「外食業の事業継続のためのガイドライン」を参照ください。

https://www.maff.go.jp/j/saigai/n_coronavirus/attach/pdf/ncv_guideline-29.pdf

また、これに加え、農林水産省から飲食店に対して登録する際の条件を指示するとしています。以下、7項目についてわかりやすく解説しましょう。

  1. クラスター発生を防ぐ観点から、「換気」、「声量」、「三密」を常に意識すること(ガイドライン参照)。
  2. カラオケボックスや接待を伴うスナックは、このキャンペーンの対象外であるが、一部に対象飲食店でカラオケ設備がある場合でも、キャンペーン期間中はカラオケ設備は使用できない。
  3. 大量の飲酒は控えるよう利用者に周知する(大声を出さないよう)。
  4. 国や地方公共団体から営業時間短縮等の要請が出た場合には従う。
  5. 農林水産省が事前の通告なしに行う訪問調査には協力する。
  6. ガイドラインを遵守していないとの指摘を受けた場合には、適切に対応する。対応しない場合、登録が取り消される(対応する事業者と農林水産省では、利用者からの指摘を受ける相談窓口を設置)。
  7. 登録飲食店の利用者がテーブルに着く際、接触アプリの照会をする。

このほか、各自治体で独自の条件を設定することもできるとしています。

Go To Eatキャンペーン対象外となる飲食店

Go To Eatキャンペーンの対象となる飲食店は、日本標準産業分類「76飲食店」ですが、前項②にあるように、Go To Eatキャンペーンの対象外となる、飲食を扱う業態もあります。どの業態が対象でどの業態が対象外か、以下にわかりやすく分類してみます。

GoToEat対象となるお店とならないお店

Go To Eatキャンペーン運営については、大筋では決まっていますが都道府県や自治体によって違いもあります。特に、食事券の発行事業者は異なります。

9月15日(火)からGo To Eatキャンペーンのコールセンターが設置されていますので、参加を希望する飲食店事業者の方は、参加条件等について確認してみてください。

電話番号 0570-029-200 受付時間10:00〜17:00 土日祝日含む
但し12月29日〜1月4日は休み。Go To Eat 公式サイト https://gotoeat.maff.go.jp

早い自治体では9月から始まるようですが、まだ始まらない自治体もあります。自身の店舗のある都道府県や自治体のホームページなどで、進行状況などをよく確認し、Go Toトラベルのように、格差がついたり出遅れたりしないようにしたいものです。

Go To Eatキャンペーンはこれから本格的に実施されるため、現時点では、不確定な事項もあります。

そのため、当該キャンペーンについての個人的な見解等よりも、その目的や趣旨そして手続きといった客観的な解説をメインにしました。
今後Go To Eatキャンペーンの浸透やその利用が進むのに合わせて、主観的なものも含めて解説していく予定です。

 

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 萩原洋(有限会社銀河企画 特定行政書士)

外食FC立ち上げへの参画や自らも複数店舗の経営を行った後に独立。
フードビジネスコンサルタントとして20年のキャリアをもつ萩原アドバイザー。
飲食店等を長年経営し引退を考える経営者が、事業を他者に譲り渡す「事業承継M&A」に複数携わるなど、ゼロからの出店ではなく立地や顧客を引き継ぎながら経営を始めるという分野のご経験を豊富にお持ちのアドバイザーです。

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ドリームゲートアドバイザー萩原洋

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