「ゴーストキッチン」はアフターコロナの救世主になるか?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: 吹田 滋

5月のある日、東京中目黒にてキッチンカーの開業セミナーに参加してみました。東横線高架下の会社事務所10名以上の方たちが集まっていました。

「株式会社フードトラックカンパニー」代表の浅葉さんが催す、キッチンカーを使った飲食店の開業セミナーです。
浅葉さんご自身のキッチンカーでの開業経験話から、今後のキッチンカーの市場動向、開業までのノウハウなど、コンサル事例を交えて成功例、失敗例を織り交ぜていねいに説明がありました。

説開会後は実際にキッチンカーの内部や開業されている実際のキッチンカーの様子を見学しました。浅葉さんの話では、新型コロナの状況の中、会社への問い合わせやコンサル案件などが増えているとのことです。

私は、移動販売での許認可のことなどがもう少し聞きたいところでしたが、その日のメインテーマではなかったので、今日はその日の体験をヒントに私がしらべたことをお伝えします。

キッチンカーでの販売の許認可

キッチンカーでの販売は、基本的には一般的な飲食店営業と同じように、食品衛生法または各自治体の条例等で定められている営業許可が必要です。
設備面での条件、例えば給水タンクや排水タンクの大きさ、二層式シンクの大きさなどから、換気、照明など・・・。これらは各自治体の保健所によって条件(例えばシンクの大きさやタンクの容量など)が異なるのは想定内の話です。

次にここからがキッチンカーならでは話になりますが、それぞれ扱うメニューに合わせた許可証が必要になり、そのメニューによっては設備の要件も変わってきます。
メニューの選定、場所選びは慎重にしていかないと多くの役所に申請することで時間と労力がかかります。

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キッチンカーの問題点

次に「仕込み場所」の問題が、スタートで行う場合にはハードルが高いものになります。
基本的に、キッチンカーでは盛り付け、小分け、盛り付け、加熱などの簡単な調理しかできません。
したがって、”下ごしらえ”や”仕込み調理”は原則「仕込み場所」という調理設備の整ったところの作業場が必要になってきます。

また、この仕込み場所は、給水タンクや排水タンクの処理や洗浄も含めての作業場になるので原則的に自宅を仕込み場所にすることは困難です。

そこで”許可がとれる設備を持つ飲食店の間借り”なども検討課題になります。

ゴーストキッチンがアフターコロナの飲食店を救う?

このキッチンカーを使用して、自らがビジネスを起こすか、キッチンカーを始める人たちへの仕込み場所として自身のもつ飲食店の調理場を「シェアキッチン」のようにして貸すという手立てもあるのではと思い情報収集をしてみました。

そこで出てきたのが「ゴーストキッチン」と呼ばれる実店舗を持たない飲食店という形態です。
東京でも数件、WEB上で見ることができます。賃料の安い少し離れた場所を借りて行うことも可能です。これをキッチンカーと連動させて運用すれば、仕込み場所の問題はクリアになるかと考えます。

残念ながら、コロナ禍の現状況での直接対面取材は困難ですが、「ゴーストレストラン研究所」の代表、吉見悠紀さんにWEB上の情報を使用することでの取材を許可をいただきました。

吉見さんの会社には、目黒区の住宅街にある、ビルの2階の5坪のキッチンがあります。
ネットで注文を受けて調理し、料理をUberEatsなど宅配業者を利用して飲食サービスをするというものです。
現在、同社ではサラダボウル、サラダチキン弁当、スンドゥブなど7店舗が同じキッチンで”料理を作る”場所を確保しているということです。

ニーズが高くなっているようで飲食店ニュービジネスとし注目されています。
店舗を持たず、最小限の調理場を確保しお客が居る場所での営業ができれば、最小のイニシャルコストで飲食ビジネスが可能になります。

また、「ゴーストレストラン研究所」吉見さんは、「反応を見てスパッと”ダメならやめる”ができるのがゴーストレストランの強みですね。従来の飲食店であれば、売上がふるわないからといって一度作った業態を簡単に変えるのは難しい。そうしたフットワークの軽さ、スピード感こそが肝なんですね。」という。

試しながら変えて行くこと。変化が大きい飲食業界には必要な要素です。

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ゴーストキッチンはすでに店舗をもっている事業主の収益拡大にもなりえる

すでに店舗を持たれている方は、こういったキッチンカー運営者へのキッチンの貸し出しを考え、「シェアキッチン」事業を考えることができます。

自身が使わない時間帯のキッチンを貸し出ししてそこから収益を得れば、人件費も仕入れ代もかからない、リスクのない収益拡大になるでしょう。

キッチンカーとゴーストキッチンから導かれるもの

自らがゴーストキッチンとキッチンカーなどを使用し、テナント料圧縮の観点から”再起をかけて実店舗から撤退し生き残ること”を考えるということが可能です。

都内一等地への出店コストをかけるよりもキッチンカーやゴーストキッチンを使用してテストマーケティング的にビジネスをするということも可能になります。

また、店舗不動産については、1階路面店にこだわらず、通常飲食店としては少し難のある物件もゴーストキッチンとしての需要を取り込める可能性もあります。
さまざまな観点から飲食業界に新しい風が吹いているように考えます。

固定店舗 キッチンカー
開業コスト 1000万円以上 軽トラ230万円~
普通トラック310万円~
開業までの期間 半年以上 最短一か月
固定費用 固定費重い 家賃なし
営業集客 3密の対象 デリバリー
テイクアウトなので休業対象外
業態変更 難しい 柔軟
撤退コスト 原状回復費用必要 中古車として売却

※出典(株)フードトラックカンパニー、一部編集

見晴らし坂行政書士事務所は

さまざまな取材をするにあたり、この飲食業コンサルタントビジネスで感じたことですが、
「保健所等官公署に出す許認可書類を報酬を得て代行できるのは行政書士資格者のみである」ということです。
コンサルタント会社がコンサル料をもらって書類作成代行業務を行うことは行政書士法違反に問われます。たとえ、書類作成料無料と言ってもコンサルタント料を取っていれば抵触する可能性があります。

こういったことがないように、弊所はあなたのビジネスパートナーとして、顧問として許認可周りのサポートだけではないビジネスのご提案をさせていただきます。

インバウンド回帰に向けて、また国内需要を喚起するためにあなたのビジネスを応援します。

 

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 吹田 滋(すいた しげる) /見晴らし坂行政書士事務所

前職は経済情報番組で1000社以上の企業取材をしたTVディレクターという異色な経歴を持ち、現在は民泊・旅館業許認可を中心に活躍する行政書士。インバウンドビジネスのスペシャリストです。

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ドリームゲートアドバイザー吹田 滋氏

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