3月は融資が通りやすいってホント?!令和3年の傾向は?

この記事はに専門家 によって監修されました。

こんにちは、ドリームゲートアドバイザーの村野 智範 (むらの とものり)です。

「融資を申し込むなら3月が通りやすい」と聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。果たして本当でしょうか。またこのコロナ禍ではどうなるのかについて説明します。

融資が通りやすいタイミングとは

通常、確定申告(決算)直後が融資を受けやすいタイミングです。

個人事業主の方は2から3月にかけて確定申告を行います。法人でも12月決算であれば、3月には決算書が手元にあるでしょう。融資において基本的に直近の確定申告書(または決算書)で前期から増収増益が確認できれば、融資を受けやすいです。

特に順調に売上が伸びている事業者であれば、確定申告書(または決算書)ができあがったタイミングで融資を申し込めば増加運転資金として対応してもらえる可能性が高くなります。

金融機関としては確定申告書(または決算書)で売上がどうなっているのかを確認したいのです。確定申告書の状況によっては信用格付にも影響し、より低金利で融資を受けられる可能性もあるでしょう。

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なぜ3月に融資が通りやすいと言われているのか

多くの金融機関は3月が決算月です。銀行は営利組織のため、なるべく期末の貸出金残高を伸ばしたいと考えます。

前提として金融機関はみなさんから集めた預金を貸し出すことで利益を得るのが本業です。預金を集めただけでは預金者に対して利息を支払う必要があるため、貸し出さないと預金を持っておくだけではマイナスです。

そのため、金融機関が決算を迎える3月には貸出残高を伸ばすために積極的に融資を行う傾向があり、3月は融資が通りやすいというわけです。もちろん金融機関によって状況は異なりますので、すべての金融機関で上記があてはまるわけではありませんので、ご注意ください。

コロナの影響で金融機関の貸出残高が伸びている

金融機関には新型コロナウイルスの影響を受けて売上が下がった事業者から通常の何倍もの問い合わせがある状況です。

日本政策金融公庫のある支店ではピーク時には通常の10倍近い問い合わせがあったそうです。その中で審査を行い、結果として多くの方が融資を受けています。

直近である2020年11月の貸出残高がかなり増えているのが数値としても表れています。

11月の貸出残高6.3%増で最大

日銀が8日発表した11月の貸出・預金動向(速報)によると、国内銀行と信用金庫を合わせた月中平均の貸出残高は、前年同月比6.3%増の573兆7945億円で、2000年1月の公表開始以降最大となった。

SankeiBizホームページより引用
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/201209/mca2012090600009-n1.htm

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コロナ禍でも3月は融資が通りやすいのか

コロナ禍でも同様に3月は融資が通りやすいのでしょうか。

結論からいうと、コロナ禍においては必ずしもそうとはいえません。

3月の決算が近くなると、金融機関から取引先の企業に対して融資の提案をすることがありますが、前述の通り各金融機関の貸出残高が増えたことで、金融機関が当初設定していた貸出目標は達成できる状況になり、3月に積極的に融資をする必要性がなくなっている可能性が高いといえます。

つまり2021年3月が借りやすい!と考えるのは危険です。

セーフティネット保証・危機関連保証には期限がある

コロナの影響を受けた事業者に対する主な資金繰り対策として、日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付や民間の金融機関によるセーフティネット保証、危機関連保証があります。

セーフティネット保証とは災害などで経営の安定に支障をきたしている事業者に対して、市町村の認定を受けることで一般の保証とは別枠で利用できる、信用保証協会の保証制度です。セーフティネット保証には4号と5号があります。

セーフティネット保証4号は影響が生じている地域について発動されますが、セーフティネット保証5号は影響を受けている業種に対して発動されます。

危機関連保証とは今回の新型コロナウイルスのような突発的な事象が生じたために金融取引に支障をきたし、実際に売上高が減少している中小企業者を支援するため、セーフティネット保証とは別枠で利用できる、信用保証協会の保証制度です。危機関連保証はセーフティネット保証と併用することができます。

なお、セーフティネット保証と新型コロナウイルス感染症特別貸付も併用が可能です。

日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付において、現状期間は設けられていませんが、セーフティネット保証と危機関連保証に関しては指定期間があります。
※指定期間とは、市町村長又は特別区長に対して認定を申請することができる期間をいいます。

3月が借りやすいと考えるのではなく、利用できる制度があれば、まずはこの締め切りまでに認定を取り、融資の準備を早めに進めましょう。

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セーフティネット保証4号

新型コロナウイルス感染症に係るセーフティネット保証4号が令和3年3月1日まで指定期間を延長することになりました。

中小企業庁ホームページより引用
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2020/201120_4gou.html

セーフティネット保証5号保証

セーフティネット保証5号は令和3年1月31日までが指定期間です。

また要件の緩和として、特に重大な影響が生じている乳製品製造業や理容・美容業など316業種を追加指定されました。

中小企業庁ホームページより引用
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2020/200501_5gou.html

危機関連保証

セーフティネット保証とは別枠である危機関連保証も令和3年1月31日が指定期限です。

新型コロナウイルスの影響を受けているのであれば、早めに融資は受けましょう

すでに日本政策金融公庫ですと新型コロナウイルス感染症特別貸付、民間金融機関ですとセーフティネット保証や危機関連保証を多くの事業者の方が利用して融資を受けています。

新型コロナウイルスの影響がどこまで続くのか不安に思っている中で事業を継続していくことは事業者にとって通常時以上のストレスがかかります。

そのため早めに融資を受け、資金に関しては余裕をもって、今できる対策や今後の施策を練りましょう。手元にお金がある状況とない状況ではできる対策も変わってきます。

今回のような突発的な要因でできた融資は上記でも説明しましたが、期限があるものが多いので、3月が借りやすいのであればまだ耐えられるから別に急がなくていいと考えるのではなく、新型コロナウイルスの影響を受け売上が減少している状況であれば、市区町村の認定を受け、融資を早めに進めるべきです。

期限に関しては今後の新型コロナウイルスの影響によりさらに延長される可能性もありますが、制度が延長されず期限が過ぎた後は融資を受けるのが難しい場合も十分に考えられます。

いざ資金が必要なときに動いたのでは遅いです。必要なときには手元に資金があるように融資を申し込み、事業の継続を図ることに専念しましょう。

まとめ

コロナ禍では通常時と異なり、3月だから融資が受けやすいという考えをするべきではありません。

コロナの影響がいつまで続くのかわかりませんので、手元の資金がなくなってから融資を申し込むのではなく、早め早めに行動していざという時に備えておきましょう。

融資に関して少しでも不安や疑問に思うことがあれば、資金調達の専門家に相談して進めましょう。

執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 村野 智範
(むらの とものり) /株式会社SoLabo

資金調達支援を専門に取り扱う株式会社SoLabo(ソラボ)にて2,400件以上の融資実績を基に経営者の資金調達をサポート。
トップコンサルタントとして毎月30件以上の資金調達支援を実施。これまでに400件以上の経営者をサポートして参りました。創業者からベテラン経営者まで、事業をどう続けていくのか、中長期を視野に入れたアドバイスをいたします。

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ドリームゲートアドバイザー 村野 智範 

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