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集客に力を入れる前に
起業初期の方から体験コンサルティングで多いのが、「もっと集客したい」「もっと売上を増やしたい」というご相談です。
その際、まずは商品やサービスの内容と価格を確認させて頂きます。
そうすると、安すぎる価格設定になっていて、価格を世間一般に合わせるだけで売上を増やせる状況の方が多いのが現状です。
一般に目にする同様のサービスよりも安い理由を伺うと、「初めはお友達にモニター価格として販売してから値上げができないでいる」という事がほとんどです。
集客に力を入れるには、労力やお金がかかります。
そこに手を付ける前に、ますは価格を適正にして、利益の出る体質にすることが大切です。
起業したら価格に関して悩むのは一度や二度ではありません。
誰でも起業当初は価格設定に悩みながら、新サービスをリリースして、モニター価格を設定して、その後は価値に見合った価格に変えて、とステップを踏んでいきます。
たびたび向き合わないといけない価格の問題。
その第一歩が「安すぎるモニター価格からの脱出」です。
売り込むのが苦手でも売上アップできる、モニター価格からの脱出方法について書いていきます。
なぜ安すぎる価格のままではいけないのか
ビジネスとして利益の出る状態にするには、値段はとても重要な要素です。
起業ブームの中、3年以上続く事業は全体の30%ほどというデータがあるくらい、起業して生き残るのは簡単ではありません。
ビジネスが成り立たない一番の理由は売上・利益が足りないからです。
では、売上を増やすにはどのような要素があるでしょうか?
売上というのは、顧客数と購買単価と購買頻度でできています。
売上=顧客 × 購買単価 × 購買頻度
上記の「顧客」「購買単価」「購買頻度」のそれぞれについて改善をすると、「売上」が増えていくという公式です。
相談でよく言われる「集客したい」というのは、顧客数を増やす施策です。
購買単価が市場価格よりも安いまま顧客数を増やすと、仕事をやってもやってもなかなか利益が上がらない状況になり、一人起業の場合は疲れ切ってしまいます。
ビジネスは継続してこそ、多くのお客様に貢献することができます。
自宅サロンで家賃がかからない場合でも、サービスのクオリティーが一般のサービスと同じなら安くする必要はありません。
光熱費、交通費、備品の経費など、さまざまな経費を差し引いてもきちんと利益が残る価格設定が必須です。
適正価格にしておくことで、将来ビジネスを大きくしてサロン専用のスペースを借りても、スムーズにビジネスを続けていくことができます。
安すぎるモニター価格を値上げできない理由TOP3
まずは、なぜモニター価格からの脱出が難しいのか。
起業家の頭に引っかかっているものは何なのか?
それを明らかにしましょう。
1)高くすると売れなくなりそうで心配
2) 通常価格をいくらに設定したら良いかわからない
3) 値段に見合った成果を出せているか確信がない
一つ一つ見て行きます。
1) 高くすると売れなくなりそうで心配
この理由が一番多いのですが、モニター価格でサービス提供後もずっと同じ価格で継続的に買ってくださっているお客様が、価格を高くしたら離れてしまい、結果売り上げが減ってしまうという心配。
これは、3番の確信のなさと連動しています。
アメリカの著名なコンサルタントのダン・ケネディが、価格は売上げ数に関連はないと言っています。
お客様に値段相当の価値を感じて頂ければ、高くても売れるという事です。
既存のお客様の値段変更が難しいと思う原因は、どう説明したら良いかわからないという場合もありますが、後述のステップに従うと問題なく適正価格に移行できます。
2) 通常価格をいくらに設定したら良いかわからない
そもそもいくらが適正なのかがわからない、という問題。
考え方はいくつかありますが、「市場価格を参考にする」ところから始めると良いです。
まず必要なのはライバルの調査です。
そして市場価格より「上か下か」という考えだけでなく、 市場価格を元に自分独自の価値をどう価格に反映するか、どうすればお客様にその価値を感じ得てもらえるか、という根拠を考えることがとても重要です。
単に「他社がこのくらいだからもうちょっと儲けてもいいかな」と小手先だけで価格操作だけをするのではなく、「お客様に価値を届ける」という起業家本来の役目に沿った価格にする必要があります。
3) 値段に見合った成果を出せているか確信がないから
こちらは起業初期の方だと誰でも悩む課題です。
資格取得や勉強が終わっていざサービスを開始する際には、誰でも経験と自信がないものです。その場合はモニター価格で成果を検証する良い機会です。
初めから期間や人数など、条件を決めることで、モニター価格から通常価格にスムーズに移行できます。条件が決まっていない場合でも、正当な価格に移行は可能です。
この三つのポイントを押さえながら、安すぎるモニター価格から脱出するステップをお伝えします。
モニター価格から脱出のステップ
モニター価格から脱出するステップとしてStep1からStep3までの3つのステップを順番に解説します。
準備
頭にひっかかることの3番目の「値段に見合った成果を出せているか確信がない」という事への対策は、モニター価格でサービスを提供している時に充分に準備しておく必要があります。以下の項目を参考にサービスの成果を測っておきましょう。
• アンケートに答えてもらう
• 動画でお客様の声を撮影させてもらう
• 時間がたった後の成果を確認する
などを行うと、自分のサービスの成果が良くわかり自信がつきます。
そうすれば、「成果への確信がない」ということがなくなり、一つ目のステップがスムーズに進めます。
Step1.定価を決める
モニター価格をするときに、「〇円をモニターで×円 」としていることが多いですが、
この定価である「○円」は果たして今のサービスレベルで正当な価格ですか?
そこをもう一度考える必要があります。
例えば、協会から発行されている資格の場合、〇円が最低料金だからそうしている、ということがあります。
勉強熱心な方や、近いサービスの経験がある方は、独自の経験をサービスに活かすことで、最低料金に合わせずに、もう少し高額にしたい場合も多いようです。
あなたがサービスの本当の価値に見合うと思う価格はいくらですか?
前述のライバルのリサーチ結果と合わせて、まずは、「私のサービスはこのくらいの価値」という定価を決めましょう。
Step2.今売る価格を決める
素直にモニター価格から定価へと移行しても良いですが、見せ方を変えたほうがいい場合もあります。
価格設定によって、差が大きい場合には価格差が大きすぎると感じることがあります。
その場合には、階段を作るように、キャンペーン価格、○○特別価格などとして、モニター価格と定価の間の値段で販売します。
表記としては、「定価〇円⇒限定キャンペーン×円」となるので、ちょっとお得な感じも残したまま、値上げができます。
期間や人数を決めることもお忘れなく。
Step3.既存顧客への対応を決める
カウンセリングやエステなどのリピート商材の場合、 初回限定のモニター価格ではなく、リピートも同価格で販売している、モニターとは打ち出さずに激安価格のままという時は、お客様はその安すぎる価格に慣れてしまっています。
そのため、「急に値上げって言いづらい…」という気持ち、よく耳にします。
その場合は、既存のお客様には理由をきちんと説明しましょう。
• 資格を取ってから〇年(もしくは〇人の施術など)経験を積んだので
• お客様の素晴らしい成果を目にして適正価格ではないと気づいたので
ここで重要なのは、値上げする価格に相当する価値や結果を提供できているという事実を認識していただくことです。
高価格のものが売れないのではなく、価値を感じてもらえないものが売れないという事を念頭に置いて、準備のところでもらったお客様の成果の情報をしっかりと伝えましょう。
値上げのご案内とともに、旧価格で購入できるキャンペーンを行うのも納得感が高くなります。
既存のお客様に対して単純に値上げすることよりも、新しく来てくれるお客様を安すぎる価格で受けない事がより重要です。
サービスの真の価値と等価の金額を頂いて、先々の利益を適正に増やすことを行ってみてください。
おわりに
起業初期は、商売を始めたはいいけど日々に追われてしまい、ビジネスの全体像や集客など、成長のための戦略を考えるには知識も時間も足りないという状況に陥りがちです。
そんな時には専門家に相談をすると、客観的な視点から、成果を出すために取り組むべき具体的な課題の洗い出しや優先順位をつけることができます。
私は何歳からでも働き方をリセットして、起業して成功できる世の中にしたいという想いで起業家の伴走者としてサポートをしています。
個人事業主と中小企業向けに、売上アップできるサービス・商品作りや、専門知識がなくてもパソコンが苦手でもできるWEB集客、ブランディングなどを、客観的な視点からコンサルティングしています。
ドリームゲートのサイトでは、無料オンライン相談と有料の対面相談で100%カスタマイズした個別のアドバイスを提供中です。
コラムを最後までお読み頂いたお礼に、相談時に、「モニター価格のコラム読みました」と記載いただくと、コンサルティングの時にお伝えしている、お客様に価格変更をおしらせするためのご案内文章のテンプレートをプレゼントいたします。ぜひご利用ください。
執筆者プロフィール:
ドリームゲートアドバイザー 佐々木 美香
(ミカプロジェクツ 代表)
ITサポート歴20年以上。日本で一番キャリアの長い女性IT専門家
2015年よりワードプレスでのホームページ作成、ブログのSEO対策、SNSやメルマガ集客などを、パソコンが苦手な人でも、自分でできるようになるコンサルティングを提供。
コンサルティングを受けた方からは、「ホームページからの月商が100万円を超えた」「アクセスが20倍になった」「高額商品が初めて売れたのがホームページからのお客様だった」などの報告が多数。
他に、小規模事業や個人起業家向けに、サービス・商品作りからWEBを活用した売れる仕組み作りまでのトータルサポートを提供。
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