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一人で何から何までやらねばならない開業期
まず、その業務の種類の多さをわかりやすくイメージしていただくために、ネットショップを例にとって説明しましょう。ネットショップは、自宅などで手軽に 開業できるメリットがある半面、オーナーが1人なら何から何まで自分でやらねばならなくなりがちで、業務の大変さをイメージするには恰好の題材と思われる からです。
ネットショップの最大のポイントは「モノ」、つまり商品。どんな魅力的な商品を、どれだけの種類・数量をそろえるかが、顧客をつかみ、繁盛するために不可欠の条件です。では、どうやってそういった商品を仕入れるのでしょうか。
そこで必要となるのが「情報」。どんな商品なら顧客はそそられるかという情報を集める「マーケティング」と、そういった商品がどうすれば手に入るのかという情報を集め、その商品を買い付ける「マーチャンダイジング」という作業が必要となります。
商品を切らさず、抱えすぎないための「仕入・在庫管理」
ネットショップを始めるには、まずは商品を集めないといけません。商品を仕入れて取扱商品にするには、仕入元への発注や支払いなども必要な業務の一環です。
商品を買い付けたら「在庫」が発生します。在庫は、多すぎると売れ残りの心配や倉庫代などのコストの増大となり、少なすぎて欠品が出ればせっかくの売れる チャンスを逃すことになりかねません。売り逃しを発生させないギリギリの数をつねに確保しておく必要があります。このちょうどいい在庫の数を「適正在庫」 といいます。
もちろん、注文が入った時点で仕入れるという方法を採用すれば在庫リスクはなくなりますが、すぐ仕入れて顧客に発送できなければ顧客満足度が低下するという別のリスクが発生します。そういったわけで、商品の仕入や在庫の管理には意外と気を使うものです。
売り上げの管理と分析に欠かせない「販売管理」
では、商品ごとの適正在庫の数は、どうやって判断するのでしょうか?同時に、せっかく作ったネットショップを潰さないように、きちんと儲かるお店にする仕組みも必要です。
それには、いつ、何が、誰に、いくつ売れたのかという情報をきちんと管理しておくことが必要になります。それによって売れ筋商品の見極めや、力を入れて宣伝しておくべき商品も見えてくるのです。
さらに、月々の売り上げや未回収の代金、支払いすべき代金など、お金の管理は多岐にわたります。健全な経営のためには、ドンブリ勘定ではいけません。ネットショップと言えども、複雑なお金の管理はなかなか手間も時間もかかるものです。
繁盛のための「顧客管理」
一方、ネットショップを繁盛させていくためには、より多くのお客様にきていただくだけでなく、リピーターとなってくれる優良顧客も育てていかなくてはなり ません。そこで、商品を買ってくれた顧客に対し、割引やポイント還元を行うなどリピーターになっていただくための施策が求められます。また、顧客に新商品 の入荷を伝えるメルマガなどを発信すると効果的です。
そういった施策を行うための基本データとして、顧客情報の管理が必要になります。顧客ごとに、いつ、何を、どれだけ買ってくれたのかといった情報と、顧客の住所やメールアドレスなどの個人情報を記録し、分析することで、よりよいお店作りのための企画も生まれてくるのです。
決算を行って締めくくる
いよいよ1年を締めくくって、決算をする時期が来ます。決算は、自分の事業がうまくいったかどうか、事業者・経営者にとって1年の振り返りの時期でもあり ます。また、個人・法人とも、売り上げ、原価、必要経費を計算し、申告書類を作成して税務署に申告します。そして所得税や個人事業税・法人税、住民税、消 費税などを納めてその年度の商売は終わることになるわけです。
「業務用ソフト」の活用
以上、ざっとネットショップオーナーの業務項目をピックアップしてみました。こうしてみると、あらためてその種類の多さに驚かされます。しかし、これらの 業務はどれもネットショップばかりでなく、おおよそあらゆる業種の経営には必須のこと。冒頭でも触れたとおり、繁盛のためには手を抜くことは許されませ ん。その上、発展するにしたがってその範囲や質・量もより高いレベルのものが求められます。限りある時間の中、いかにそれら業務を効率化させるかが「差」 をつけることにつながるのです。
「では、どうすればいいのか」と思われるでしょう。これらの仕事をラクにするひとつの方法として、会計、販売在庫管理など、業務用ソフトを活用することが挙げられます。この後、その活用法を説明していきますので、ぜひ参考にしてください。