「東京デザインウィーク」という、主にデザイン関連のアイデアを展示や紹介する国際クリエイティブイベントの会場に行ったときのことです。
そこでは、さまざまなプロダクトやグラフィック関連のデザインが紹介されていたり、学生による自主企画作品などが展示されていました。
その中のナイトイベントの1つとして、「ペチャクチャナイト(PechaKucha Night)」というプレゼンテーションイベントが開催されていました。
実は、この催しについては、この日に初めて知ったのですが、「TEDトーク」という著名なプレゼンテーション大会に似た、それよりは少し自由形式で且つ参加自由なプレゼンテーションイベントでした。ちなみにTED自体をご覧になったことがない人は、 NHK
Eテレで毎週月曜日夜に放映されている ”スーパープレゼンテーション”という番組で見ることが出来ます。
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■「ペチャクチャナイト」はクリエイティブ関係者で話題のイベント
この催しは、密かにクリエイティブ関係者間で東京の夜を賑わしているイベントなのだそうで、代官山の蔦屋書店などの建築デザインを手がけたクライン ダイサム
アーキテクツ社の創立者(クライン【伊】とダイサム【英】)によって、2003年から東京で始まりました。
元々は、この2人が経営する六本木のバー「スーパーデラックス」のためのイベントとしてスタートしたもので、若いデザイナーやクリエイター達がアイデアを分かち合い、ネットワークを広げる場としてその活動が知れ渡っていったそうです。
東京発信のこのプレゼンテーションイベントは、そのイベント名の面白さやプレゼンテーション形式の巧みさが、「ブランド」化し今では世界中にその活動が広まっているそうです。
確かに、”ぺちゃくちゃ”というネーミングがいかにも海外受けしそうであることに加えて、プレゼン方式は、20枚のスライドが自動的に20秒で切り変わる合計6分40秒という明瞭なフォーマットであることが、より見る側を飽きさせることなく、最後まで楽しめるイベントとなっています。
この20×20のフォーマットは、本来はデザイナー達にいったんマイクを渡すと話が長くなりがちである、ということから思いついたのだそうですが、今では20×20がそのネーミングとともに印象的なロゴにもなっており、ビジュアル面でもこのイベント自体のブランド化を促進しています。
■プレゼン機会の多い起業家は「ペチャクチャナイト」から学ぶべし
それにしても、どこにでもありそうな単なる全員参加型のプレゼテーションイベントなのですが、ペチャクチャという語感から伝わるカジュアルスタイルでのアイデア交換場のコンセプトと、20×20という機能性を併せもち、且つそれらがビジュアルデザインとしても完成度が高いことで、今ではグローバルに広がりつつあるブランドとなっていることに驚きと学びがとてもありました。
起業家の皆さんも、多くの優れた製品や事業についてのアイデアを持たれていますが、そのアイデアを披露する機会は主に金融機関への説明の場であったり、起業家間での交流会などだと思います。
この「ペチャクチャナイト」は、デザイナーやアーチストなどが中心のイベントではありますが、面白そうな発想やアイデアがあればどんどん自由に披露される場ですので、こういった場面を利用して起業の間口を広げていくこともよいのではないでしょうか。自分でも予想しなかった化学反応が生じることもあるかもしれませんし、また思わぬ評価を得ることもあるかもしれません。
そんな可能性を感じさせるようなエネルギー溢れたイベントです。
毎月最後の水曜日には六本木で開催されているそうなので、興味ある方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
バックナンバー
起業家のためのブランディング講座
Vol.2 「起業家なら押さえておきたいインナーブランディングという概念」
Vol.3 「起業家ならチェックしておきたいペチャクチャナイト」