最近、テレビコマーシャルを見ていると、最後に「くわしくはウェブで検索」、などの案内を見る機会が増えています。
これはテレビに限らず、雑誌やチラシなどの紙媒体でも同様の傾向が見られます。
このように、現在は企業や製品・サービスの認知拡大において、ホームページの役割は益々重要性を増しています。
また、企業によっては、認知拡大や販売促進についてはホームページに特化しているところも多くなっているようです。
例えば「スマレジ」http://www.plugram.co.jp という商品があります。株式会社プラグラムというまだ新しい会社が運営している、小規模小売店向けクラウド型のレジスター商品ですが、最近はこのスマレジというブランド名で成長をしています。
スマレジというブランド名も記憶に残りやすく、機能のわかりやすい名称ですが、自社ホームページを中心に展開しているマーケティングはデザイン面や、商品案内、事例案内などの使い方がとても参考なります。購入意欲が高まりやすいホームページとして好例です。
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ホームページでのブランディングにみる傾向~オウンドメディア
一方で、私自身も、ブランディングコンサルタントの立場から関連の相談を受ける中で、ホームページに関するお話がもっとも多いことに気づかされます。
その内容は、”もっと魅力的で見栄えのするホームページに改訂したい”というものから、”商品情報をもっと見やすくしたい”や、”サイト内検索を容易にできるようにしたい”、”自社でサイト更新が容易にできるようにしたい”、”リクルートの役割を強化したい”、などなどです。
これは、いわゆる「オウンドメディア」への意識が高まってきたことに関係しているとも思われます。
従来の、テレビや雑誌などのマスメディアを通じた広告宣伝活動を、「ペイドメディア」(一定規模の投資を伴うメディア)と分類するのに対して、ホームページやSNS、ブログなどのネットを通じた情報環境の発達を背景として、自社で消費者と直接コミュニケーションしながらファンを育成・獲得していくための自社コンテンツが、「オウンドメディア」と呼ばれています。
ホームページへの要望についてはそれぞれの環境によっても異なるのでしょうが、印象としては、これまでが、他の会社もやっているから自社でも持っていようとか、上場しているためホームページはあったほうがいい、などの消極的理由から上記のように、明確な問題意識を持つ積極的利用、つまり積極的な発信や読者とのコミュニケーションを図りたいなどのオウンドメディアとしての役割強化への方向へ変化してきているように感じます。
そして、これは一般消費者と直接取引を行う小売系のB2C企業だけではなく、製造メーカーやB2B企業にもこの傾向が見られます。
ホームページ自体が普及した時期は10年ほど前ですので、そろそろ見直し時期であるということも要因の一つでしょうが、これらのメーカー系は、元来、詳細な製品情報が中心であったり、技術や品質管理の優位性を示す情報などが中心となっています。つまり、ブランディングで言うところの、機能的価値を中心に発信してきたケースがほとんどであったため、ターゲット層との積極的なコミュニケーションを意図しようとすると、さまざまな問題点が浮かび上がってきたからだと思われます。
ブランド戦略の視点から効果的ホームページ制作のコツ
前置きが長くなりましたが、今回のコラムではこれから起業をしようという皆さんに向けて、ブランド戦略の視点から効果的ホームページ制作のコツをお教えしたいと思います。
ホームページ製作時に特に注意して欲しいポイントは下記の5つです。
- シンプルで見やすい 、またカラートーンの一貫性がある
- 商品などの説明も重要だが、それ以前に会社や事業などの思いが伝わる構成にする
- 誰に発信するのかを明確にする
- 鮮度を維持する
- お問い合わせなどのサポート機能を軽視しない
これらについてそれぞれ説明します。
まず、シンプルで見やすいことは、当然と言えば当然のことですね。これだけ多くのホームページが閲覧できる環境下では、特定の目的を持たない限り、一つのホームページをチェックする時間はどんどん短くなっていますので、トップページ開いた際に読者としては概略が知りたいものです。また、シンプルにすべきもう一つの理由は、スマートフォンなどのモバイル端末の普及です。パソコンではなく、スマートフォンでホームページを見る方はどんどん増えています。2013年10月の調査ですが、すでに24.8%がウェブを見るのは主にスマートフォンと応えています。パソコンと比べて画面の小さいスマートフォンで見ることを想定すると、シンプルにしたほうが見やすくのは当然とも言えます。
参考:http://internetcom.jp/research/20131025/1.html
一方で、必要な情報を届けるために、シンプルなデザインであっても適切な「導線」が重要です。ストレスを感じることなく、注意を引きながら、導線によって必要な情報を届けることができれば、ホームページの役割の多くが達成できるのです。
カラーの統一性もとても大切です。ストレスを軽減しながら、ページを読み続けてもらうことにも有効ですが、カラーの効果的な利用により、会社や製品・サービスの認知向上に対してアイコン的な役割も果たすことができるからです。
ブランティングの好例として参考になるホームページ
前置きが長くなりましたが、今回のコラムではこれから起業をしようという皆さんに向けて、ブランド戦略の視点から効果的ホームページ制作のコツをお教えしたいと思います。
ホームページ制作時に特に注意して欲しいポイントは下記の5つです。
- シンプルで見やすい 、またカラーの一貫性がある
- 商品などの説明も重要だが、それ以前に会社や事業などの思いが伝わる構成にする
- 誰に発信するのかを明確にする
- 鮮度を維持する
- お問い合わせなどのサポート機能を軽視しない
これらについてそれぞれ説明します
まず、シンプルで見やすいこと。
当然と言えば当然のことですね。これだけ多くのホームページが閲覧できる環境下では、特定の目的を持たない限り、一つのホームページをチェックする時間はどんどん短くなっていますので、トップページ開いた際に読者としては概略が知りたいものです。一方で、必要な情報を届けるために、シンプルなデザインであっても適切な「導線」が重要です。ストレスを感じさせることなく、注意を引きつけながら、導線によって必要な情報を届けることができれば、ホームページの役割の多くが達成できるのです。
これに加えて、カラーの統一性もとても大切です。
ストレスを軽減しながら、ページを読み続けてもらうことにも有効ですが、カラーの効果的な利用により、会社や製品・サービスの認知向上に対してアイコン的な役割も果たすことができるからです。
以上のわかりやすい例としては、オイシックス株式会社のホームページ https://www.oisix.com があります。
同社は、有機野菜などの特別栽培野菜等の専門ネット販売会社で、すでに認知度も高まっています。同社のホームページは、オレンジのカラーで全体のトーン&マナーをコントロールすることで、とても印象的になっています。また同業他社のサイトと比較すると、美味しそうな野菜を映した画像とコメントのバランスがうまく配置されていることで、ストレスが少なく見続けることができます。その結果、サイト読後においても記憶に残りやすいサイトとなっています。
また、シンプルであることのもう一つの利点としては、スマートフォン用画面への対応です。
最近は、企業のよってスマートフォン専用サイトを設けているホームページもずいぶんと見られるようになりましたが、また多くの中小企業では専用サイトを持つまでには至っていません。
しかし、一般消費者や利用者においてはスマホからホームページを閲覧する機会はどんどん増しています。企業間取引であれば、まだPC経由でのホームページ訪問は多いでしょうが、B2Cビジネスでは、スマホからの訪問件数をいかに多く獲得できるかは、SEO対策においてもとても重要です。
スマホ専用サイトがない場合、文字ばかりが多く、閲覧するのに労力が伴うホームページであると利用者はどうしても敬遠しがちになっていきます。そういった意味からも、このシンプルであることはとても大切なのです。
ホームページ制作時のポイントについて、この続きは次回のコラムVol.5 「ブランディングから見た、良いホームページつくりかた 後編」で説明します。
バックナンバー
起業家のためのブランディング講座
Vol.2 「起業家なら押さえておきたいインナーブランディングという概念」
Vol.3 「起業家ならチェックしておきたいペチャクチャナイト」