小資本でも成功できる!業界No.1ビジネスの作り方 Vol.2 ビジネスを構築するということの本当の意味。

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

■どんなビジネスを選ぶべきか

 起業を目指す皆さんにとってみれば、まずどんなビジネスをするかというのは、一番の悩みの種ですよね。

 すでに「やりたいことがある」という人もいるでしょう。その場合には、悩みが無いかと言えば、そんなことは無いと思います。しかし「やりたいこと」を「ビジネス」にすることがいかに難しいか・・・。

 これは起業してみてから、気が付く方も多いと思います。このことは、私も例外ではありませんでした。

 私が3社目の会社を起業したとき、お恥ずかしながら、実は「どんなビジネスをやるか?」ということが全く具体化していませんでした。それどころか、正直言えば「社名以外は何も決まっていない」という状況でした。

 リーマンショック以降、システム開発の業界はかなり冷え込み、大幅な売り上げ減や収益悪化は避けられない状況であったため、何とかしなければという、言わば“苦肉の策”で起業したというのが正直なところです。

 当時、本体のシステム会社を増資しようと貯めていた資金が1000万円ほどあり、メンターである会計士の先生に相談したところ、「増資したところで、銀行の評価が高まる訳ではない。もしもの時のことを考えて、もう1社作っておいたら?」という助言があったことも大きかったです。

 とにもかくにも、起業してしまいましたので、何かビジネスを始めないといけません。

 その時点で、私の経営者としては10年を超えるキャリアがあります。それなりには成果を出せるだろうと、いくつかビジネスを始めてみましたが・・・。

 見事にいずれも惨敗してしまいました。

 今考えてみれば、当たり前のことです。

 私自身はサラリーマン時代からシステム一筋で、ビジネスのキャリアといえば、システムエンジニアしか経験したことがありません。

 しかも、自分で言うのも何ですが、エンジニアとしてはかなり優秀だったため、知り合いからのオファーをもらうだけで、事足りてしまうため、ほとんど営業なんかしたことがありませんし、新規営業なんて全く経緯がありません。

 システム開発の業界にいる限りはそれでも良いかもしれません。しかし、全くゼロの状態から起業してしまった・・・・。

 当時の私は、はっきり言えば、ビジネスセンスのかけらもない状態でした。こんな状況ではどんなビジネスをやったところで、成果なんか上げられるはずもありません。

■ビジネスにおいて、一番重要なことは何なんだろう?

 新しく立ち上げた会社がうまく行かない・・・色々と悩みました。そこで、私の持論である「悩んだとき、迷った時こそシンプルに!」という考えのもと、シンプルにビジネスを考えてみることにしました。

 ビジネスにおいて、一番重要なことはなんでしょうか。皆さん何だと思います?

“ビジネスモデル”?
“一緒に始める仲間”?
“アイデア”?

 もし、“利益”と答えた人がいたら、ちょっと答えに近いです。

 答えは“売上”です。

 最初に、「やりたいことをビジネスにする」のは難しいというお話をしました。何故このことが難しいか、その理由は、仕組みを作ったり、ビジネスプランを構築することが困難であるということではありません。

 要は“自分のビジネスプランで売上を上げること”が難しいのです。

 売上を上げることというのは、「何らかのサービスをして、お客様からお金をいただくこと」です。

 こんなことは当たり前と感じますよね。

 でも、多くの人はこのことを真に理解して、ビジネスを始める人は少ないのではないでしょうか?

 単純に言えば、「自分が欲しいと思うサービス」が、「お客様が欲しいと感じるサービス」かどうかは分かりません。また、もっと言うと「自分が便利だと思うサービス」が「お客様がお金を出してまで欲しい」と感じるかどうかは、別だということです。

 つまりは、ビジネスというのは「お客様が自らの財布からお金を出しても良い」と感じるものでなくてはいけません。

 「顧客のニーズに応える」

 非常にシンプルな話ではありますが、このことを真に理解出来なければ、ビジネスを始める上で「まだ入口にも立てない状態である」と言わざるを得ません。私も最初はここまで考えられませんでした。

 しかし、ビジネスをやっていく上で「売上を上げること」、つまり「お客様からお金をいただくこと」というのが、どれだけ大切なことなのかということをとても思い知らされました。

 起業する際、「自分の思い」でビジネスを構築することがいかに危険か・・・ということが言えると思います

 実際に、私が「貸会議室ビジネス」に目を付けたのは、自分自身が「やりたいビジネス」を感じたからではありません。自分の体験が元になった、とても単純な自分自身の「顧客ニーズ」でした。

 起業当初のビジネスの1つとして、考えたのが「セミナービジネス」でした。

 自分で言うのも何ですが、人より話すのは得手な方でしたし、学んできた心理学やNLPなどスキルや社内で行ってきた研修を中心にコンテンツは揃っていたので、それらを社外用に転用して、セミナー事業を展開しようと考えていました。また、その他の理由は、仕入れがほとんど要らず、在庫を抱える必要もないこと。そして、粗利が高いこと・・・。アーリーステージの起業家が望む要素が揃っていることも魅力でした。

 そこで、すぐに「初めてのセミナー」を開催してみたのですが・・・。

 残念ながら、苦労が多い割にそれほど大きな収益は上げられませんでした。

 それには、さまざまな理由があったのですが、そのうちの大きなものが「会場」の問題でした。

“駅から遠く、使い勝手が悪い。  
施設も古くイメージもあまり良くない。  
しかも、やたらと高い!”

 これが、私が会場に感じた印象でした。いくら人を集めてセミナーをしても、会場費が高いため、利益が減ってしまう・・・。

 しかも、当時はHPなどで、案内する業者が少なかったこともあり、自分でセミナー会場を探すのに、とても苦労する。

“こんな風に感じているのは私だけじゃない。  
同じように会場探しを煩わしく思っている人はいるだろう。”

・・・こんな風に考えました。

そう。これはまさしく「顧客ニーズ」です。

 しかし、貸会議室ビジネスを始めようと決断したのは、顧客のニーズに合っていると想像できただけではありませんでした。背中を押したのは、さまざまなデータによる仮説での裏付けでした。いくつかの仮説を立てたのですが、そのうちのいくつかを紹介したいと思います。

■顧客ニーズをつかんだあとにやるべきこと

 私が貸会議室を始めたのは、リーマンショックから1年後の一番景気が低迷していた時期でした。 その時にニュースで、「都内のオフィス需要が下がっていて、オフィスの床面積が急激に減っている」という報道がありました。

 そこで思い立ち、私は“失業率”を調べてみました。結果として、それほど急激に上がっているということもありませんでした。

 「オフィスの床面積」と「失業率」・・・全く関係もないと思える指数ですが、私はある仮説を立てたのです。

“オフィスの床面積が減っているのに、社員数は減っていない。  
つまり、人がいる部分は減っていないということ。  
ということは、減っているとすれば、常時人がいない・・・「エントランス」「会議室」だろう”

会議をするのに、オフィスの自分の席だけでやるのは不可能。
ということは、会議室を借りるというニーズは高まるだろう。

これ以外にも・・・。

これから不景気になれば、自分の武器を持とうと、多くの研修やセミナーのニーズが高まるので、 それを供給しようとする業者も増えるはず・・・。

会場を探そうとしたときに、探す方法が分からないだけに、まだ潜在的なニーズがまだまだあるのでは・・・?

・・・これは本当に一部ではありますが、そんな風に考えました。

 ここで重要なのは、「現在のニーズだけでなく、将来や潜在的なニーズも考えたこと」だと思います。

 ただ、ビジネスを構築するのに私自身が仕掛けたのは、それだけではありません。1つ1つを説明するとかなり長くなるので、簡単に解説しておきます。

「低価格」  
貸会議室ビジネスは“固定費型ビジネス”ですので、コストの削減が必須。
独自に予約・決済システムを構築して、人件費などの固定費を圧縮し、低価格を実現。

「イメージ」
初期投資を抑えつつも内装にはかなりこだわり、壁には防音用のパネルを使うなど、“顧客ニーズ”を考えた。
これは売上に重要なリピーターを増やすことに繋がった。

「利便性」
“1年365日24h”いつでもどこからでもWebから予約出来るようにしました。
お客様も自分の好きな時間に予約出来るので煩わされることもないですし、運営側も電話応対などもあまりないので、手間がかからず、人件費があまり掛からない。

「宣伝/広告」
宣伝広告費は効果が必ず出る訳でなく、「変動費」ではなく、あくまでも「固定費」であるため、いかに安く効果的な「広告」を打つかが重要である。
今回はWeb集客がメインであるためSEO対策を中心に実施。
社内で行ったため、費用はかからず、効果は絶大。      

 特にWeb集客については、このビジネスにおいては、かなりの効果を出せました。ここではくわしく話せませんが、誰でも思いつくような“ちょっとしたアイデア”を実現することで、コストを掛けずに集客が可能になりました。これは大きかったですね。

■ビジネスモデルとは仮説作り

 私自身がビジネスを構築する上で、自分の特性として良かったことが2つありました。

 1つは、「考えること、特に仮設を立てるが好きだった」ということ。これは元々の性質もあるのですが、エンジニア時代に鍛えられたこともあります。

 もう1つは、「仕組みを作ることが出来たこと」です。それまでのエンジニア経験で、より理論的に仕組みを構築する感覚やセンスを身に付けていたこと。また、会社の制度を整備しまくったマニアックな性格により、手続きや手順を作るということに、かなり長けていたことです。

 今振り返ってみると、「ビジネスモデル」を構築していくのには、やはり、この「仮説」と「仕組み作り」が大事だと思います。

 まずは「自分なりに仮説を立てていく」ということ・・・。この仮説作りこそが、ビジネスモデルを構築する一番大事なポイントです。“現時点で、世の中にないものを作る”ためには、この仮説作りが重要です。

 また、仮説を立てることにより、自分が次に行うべき行動が見えてきますし、さらにモデルを詳細に作っていくことも出来ます。ただし、当然のことながら、かなりの確率で間違えることもあります。これは私自身もそうでした。

 だた、これも仮説を実際に行動し、検証していく段階で分かることですから、これらの多くの失敗は、より多くの改善点が発見できる機会でもあります。私自身も失敗するたびに、また仮説を立て直し、実証していきましたし、それが大きな効果を生んだのは言うまでもありません。

 次に、ビジネスモデルを実現するために必要な要素を作っていくこと。特に“仕組み”を作ることはとても重要です。今回の貸会議室ビジネスであれば、「Web集客の成功」や「独自の予約・決済システム」がそれにあたると思います。

 これは、私自身がエンジニアであったということが大きいと思います。要するに「誰でも実現できる方法であった訳ではない」ということですね。

 しかし、私が構築した貸会議室ビジネスは、この業態を実現する1つの方法でしかありません。それぞれのキャリアやスキルを活かした方法で、私よりもっと効率的に実現できる方法があると思います。

「自分が得意な分野で、その仕組みを実現するには?」・・・そんなアプローチの方が現実的かもしれません。

■まとめ・・・ビジネスを構築するために必要なのは

「顧客ニーズに基づいた売上見込」
「将来や潜在的なニーズを含めた仮説」
「それを実現させるためも自分なりの手段」

これにつきます。

次回は、このコラムの大きなテーマでもある「小資本」のメリット・デメリットについて解説します。

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