Vol.7 江戸百景の伝統を守る。堀切商店街IT委員会の活躍

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
堀切菖蒲園は、 20日間の開催期間中に10万人の人出があり、地域経済に貢献しています。江戸時代から愛好家をとりこにしてきた花菖蒲は、「堀切かつしか菖蒲まつり」と して、日本唯一となってしまった菖蒲園のその伝統を守り続けています。

花菖蒲で10万人(20日間)の集客

 日本の長い歴史のなか で、花菖蒲の愛好家は多くいます。そのなかで、今回紹介する堀切菖蒲園は、江戸時代から戦前にかけての花菖蒲の中心でした。その伝統を引き継いでいるのが 「堀切かつしか菖蒲まつり」です。20日間の開催期間中(2006年は、6月1日から21日間)10万人の人出があり、地域経済に貢献しています。

  運営は、堀切地区の町内会、商店街、各種団体などが「堀切かつしか菖蒲まつり運営協議会」を作り、まつりを開催しています。今年で26回目になるまつり は、この地区の名物となっており、期間中には観光バスのルートにも組み込まれています。

 まつりの準備は1月から始まり、半年の準備期間を かけて、6月1日から21日までの20日間開催します。開催期間中の土日には、花菖蒲だけでなく、各種イベントを開催して集客をしています。具体的には、 和太鼓、お琴の演奏、よさこいソーラン踊り、阿波踊り、沖縄エーサー踊り、かっぽれ、吹奏楽団の演奏の出し物や、野だてによる湯茶の接待、写真コンクー ル、まちかどライブ、盆栽・俳画展、写生コンクールなどの催し物の開催です。今年のまちかどライブでは、歌う肉屋「海老沼 努 氏」が目玉でした。彼は、肉屋のかたわらにライブ活動を行い、葛飾地区の音楽祭に参加しています。Vol.7堀切の菖蒲

 今年は新たに、ホームページによる開花状況を提 供し(月約3万件のアクセス)、ニュースリリース(約10社の取材あり)、飲食店マップの配布(約1万)を行い、来客数の増加と利便性の向上を図りまし た。飲食店マップなどは、来園者が従来駅と菖蒲園の往復しかなかった行動を、堀切商店街全体を回遊する行動に変化させることに成功しました。この変化を今 年も継続させ、さらなる回遊行動に結びつければ、期間中の売り上げが増加すると思われます。

 

 

堀切商店街IT委員会

 堀切地区には5の商店街があり、「堀切商店街21」という組織を作り、地 域経済の振興に努力しています。そのなかには、ホームページを運営する下部組織としてIT委員会があり、今回のホームページ構築・運営、飲食店マップ、 二ュースリリースなどは、この組織が中心に行いました。この組織は、各商店街の代表が参加している建前になっていますが、実際は堀切21の会長より、やる 気のある不動産屋、江戸切子の若旦那、眼鏡屋さん、カバン屋さん、電気屋さんなどの有志に全権を委任した委員会です。この委員会が約1年間かけて、これら の事業を成し遂げました。

 

堀切菖蒲園の歴史

 海抜0メートル地 帯である堀切は、昔から湿潤な土地として菖蒲の栽培に適していました。一説には、室町時代からこの美しい花に魅せられた地頭 久保寺 氏が、自邸に培養したのが始めと言われています。また一説には、寛文・延宝(1661~1680)、堀切村の小高 氏が全国各地の花菖蒲を収集し、庭に植えたのが始めとも言われています。 そのようにして、堀切にはもともと多くの菖蒲園が存在していました。最初の菖蒲園は、江戸末期に開園した小高園、そして明治に入ると武蔵園・吉野園・堀切 園・観花園などの菖蒲園が開園しました。堀切の花菖蒲の様子は「江戸百景」に数えられ、歌川広重・鈴木春信などの著名な絵師による浮世絵にも描かれていま す。しかし、残念ながら時代の流れとともに、そのほとんどが閉園や廃園になり、菖蒲園は宅地へと姿を変えていきました。

 そして、現在ただ 一つ残っているのが、この「堀切菖蒲園」なのです。

                                          (堀切商店街ホームページから抜粋)

 

今回のポイント

 1. 長い歴史のある地元の地域資源を活用している

 2. その資源を地元の熱意ある有志 (住民、商店、花菖蒲愛好家など) が中核となり、
    地域全体を巻き込んでいる

 3. 本文では書かれていませんが適度な公的支援
   (地元の有志並みの熱意がある職員が担当)

  これらをうまく組み合わせて、菖蒲まつりが盛り上がっているのではないでしょうか。

 

 日本花菖蒲協会 : http://www.japan-iris.org/

 堀切商店街: http://www.horikiri-s.com/index.html

起業、経営ノウハウが詰まったツールのすべてが、
ここにあります。

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