システム仕様をまとめる

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
経営目標を達成で き、現状の業務の問題を解決できるシステム仕様をまとめます。業務システムとECサイト系システムとではアプローチが異なります。

 

●システム仕様設定の手順

 ここからは、「構想」をさらに具体化してシステム仕様に作り上げていくプロセスになります。前回までの間で、経営方針をかなえる上で必要 となる機能は明確になっていますから、ここからはその機能の具体的要件を詰めていく段階です。

その手順は、大凡次のようなものです。

1. システム機能構成をベースに、機能ごとに要件を抽出

 システムの「構想」で考え出した必要機能を中心に、この機会に解決すべき業務フロー 上の課題を分析し、対策を整理してみます。

 特に、業務上ボトルネックになっている箇所に注目してください。例えば経営目標のなかに時間 的な達成目標がある場合、業務フローの中でもっとも時間がかかっている部分はどこなのかを考え、時間短縮のための課題と対策を整理していきます。

  ほかにも、担当者によって対応レベルがまちまちである場合、レベルの高い対応ができる担当者とあまりレベルが高くない担当者の対応にはどういう違いがある のかを分析することも、要件の把握に役立ちます。

例えば、こんな事例があります。
<関連リンク>
自動車用品チェーンの オートバックスセブンの事例
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/JIREI/20070713/277465/

こ れによって、システム機能に対する細かい要件が見えてきます。

2.課題解決できるように要件を設定

 整理した課 題と対策によって見出したシステム要件を具体化します。

 このとき検討のよりどころになるのは「経営方針」や「経営目標」です。これを達 成するための水準と現状とのギャップを捉え、そのギャップを埋めるための具体的方策を考えることで、要件を見出します。それとは関係ない議論に外れて余計 な要件を入れてしまうと、無駄なコストをかけることに繋がります。これを避けるためには、システム構想を十分に理解している人を中心にして議論を進めたい ところです。

3.新しい仕組みに相応しいフローを見出す

 要件が見出せると、現状の業務フローに対して改善すべ きポイントが完全に見えている状態になります。

 そこで、現状の業務フローを見直し、システムに対する要件が満たされていることを想定し て、新しい業務フローを策定します。そしてそれによって「経営目標」が達成できるのか確認してください。

ここまでまとめれば、シ ステムに対する要件は洗い出せています。それを項目ごとわかりやすくまとめてください。

 

●EC系サイトのシステム仕様設定

 
 EC系サイトの場合、業務フローが始めからしっかり決められないことが多くあります。そのため上記に示したような仕様策定方法が当ては められないことがあります。

 そこでEC系サイトのシステムの場合、まずは大まかにフロント・ミドル・バックといったシステム区分に分け て考えてみてください。

 フロントエンドについては、運用開始後に頻繁に変更が有り得ますから、細かい仕様設定は困難でしょう。ですので プラットフォーム(OS、サーバソフト、開発言語など)と基本機能(検索や購買機能、会員専用機能など)を中心とした仕様設定を行います。フロントエンド については徐々に完璧な機能にしていくほうが得策ですし、それができる柔軟性をシステムに求めるべきです。

 
 ミドルエンドは データベースなどのデータ格納系のシステムになりますので、データ構造を中心としてシステム仕様を考えてみてください。

 バック エンドについては、業務システムに近いので冒頭の仕様設定の手順が活かせるのではないかと思います。

 合わせて、システムの性能 目標に関しては仕様を想定しておきたいものです。経営目標からどのくらいのトラフィックをさばけば良いのかを算定するなどして、処理性能を決めます。業種 業態によっては時間帯や時節などにより急激にサーバに負荷がかかる場合がありますので、そのあたりの見込みも立てて仕様を決定します。

  ほかにも、レスポンスに関する性能目標の考慮が必要になるでしょう。EC系サイトの場合はユーザーエクスペリエンスが重要ですから、ユーザーに快適さを感 じてもらうために鍵となる要素を指標化し、目標を決めます。また、そうした指標はできればシステム内で自動的に実績管理できるようにしたいものです。

起業、経営ノウハウが詰まったツールのすべてが、
ここにあります。

無料で始める