ここからは、具体化したシステム仕様を実現すべく、ベンダに開発の委託を行い、開発プロジェクトを立ち上げるプロセスです。自社開発ができるノウ ハウを持った企業であれば、ITシステムを調達するプロセスはすべて社内で完結しますが、ここではITベンダに開発委託を行うことを前提に見ていきます。
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●自社の要望を効果的に伝える方法:RFP
RFPとはRequest For Proposalの略で、日本語ですと「提案依頼書」と言います。
つまり、ITベンダに対して自社の要望事項を提示し、自社に対してシ ステム構築の提案をして欲しい、と依頼をする目的で作成する文書です。
このHowTo記事の「システム化計画を立てる」まで実践されて きた企業であれば、ベンダに依頼をかけるためにはRFPのような文書を作成するのは当然のことと感じられると思いますが、実態はどうかといいますと、 RFPを作成しているユーザー企業はまだ少ないようです。
RFPを書かないということは、つまりほとんど口頭でベンダに要件を伝えてい るのです。ベンダは仕方ないので、口頭で聞いたことをメモして提案書や要求仕様書にまとめます。ところが口頭で言う程度で仕様が網羅されていることはほと んどなく、必ず漏れがあります。また、まとめたものをしっかりレビューすればよいのですが、口頭でしか伝えないユーザーというのは大凡まともなレビューは しません。結果、そのままシステムを作りこんで出来上がってから「これが入っていない」「こんなことは言っていない」「こんなつもりではなかった」と言う ことになります。
モノを作る場合、大抵は上流工程ほど最終結果に対する影響度が高いものです。その意味でRFPは、ベンダとの円滑なコ ミュニケーションとスムーズなシステム構築推進のために重要な文書であると考えてください。
●要件にしたがってRFPをまとめる
RFPの内容や必要項目は、システムの規模や機能によっても異なりますが、ほとんど定番です。内容面で大きなポイントとなるのは、
・ 何を実現したいのか?
・何を提案して欲しいのか?
・検討の前提となる条件は何か?
を明記することです。要件がまとまっていれば項目を埋めることは容易なはずですから、まずはどんな 項目を書くべきか固めてください。
例えば、ちょっと大規模なシステム向けですが、次のような作成術を参考にしてみてください。
<関 連リンク>
作成術:提案しやすいRFPを作る
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060811/245714/
●EC系サイト構築の場合
EC系サイトの構築の場合、特にフロントエンドに関しては、詳細なRFPを書くことは難しいと思いますので、指定すべきものに絞り、かつ 余計な機能や要件を入れないように記述してください。必須でない要件を入れてしまうと、無駄なコストをかけることに繋がります。
ただし、サイトの画面設計書については、画面遷移と機能との連携を詳細に記載する必要があるでしょう。