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公共職業訓練を受託
有限会社ウィザード 代表取締役 小林 仁さん |
さいたま市の2箇所でパソコンスクールを運営している有限会社ウィザード。現在、事業の柱となっているのは、雇用能力開発機構埼玉センターより受 託している公共職業訓練。失業者などにさまざまなスキルを習得させる国の事業です。また、同社を創業した小林仁さんは、日本商工会議所が実施しているIT経営 セミナーの認定講師に選ばれています。
「カリキュラムはこちらから提案したものが採用されています。その職業訓練の受託が売上の8割を占めていますが、残りの2割は独自のホームページ開設講座などで上げています」
知人のパソコンスクール開業に参画
小林さんは、大学卒業後に川越市の商工会議所に就職し、4年間、資格検定業務やさまざまなイベントの企画・運営に携わっていました。
5年目に、パソコンスクールを起業するという知人から誘われ、「こういう機会は滅多にない」と、その立ち上げから参画します。
「検 定業務を通じてスクール運営のノウハウの一端をつかんでいましたし、パソコンスクール講師の知り合いもいました。また、父親が教員だったこともあり、自分 も自己啓発系の活動が好きだったのです。学生時代から、漠然と『いずれは自分で事業をしてみたい』と考えていたので、血が騒いだのだと思います(笑)」
創業当初から会計ソフトを導入
知人の経営するパソコンスクールで3年間修業を重ね、2002年に小林さんは有限会社ウィザードを創業。その当初から、会計ソフトを導入します。
「商工会議所では創業支援を行っている関係で、そういった業務ソフトには馴染みがあったのです。知人のパソコンスクールでも使っていましたし。『いずれ自分が創業した時も使うことになるんだな』と思っていました」
帳面に手書き、では二度手間
小林さんが会計ソフトを導入した理由は、業務の効率化にありました。
「帳面に手書きで記入するやり方だと、後で収支などを計算するのに結局入力作業が発生し、二度手間になることがわかっていました。字もきれいなほうではありませんし(笑)」
決算業務を依頼した税理士からも「会計ソフトに入力して、そのデータを送ってほしい」と要請されたといいます。
? 「入力作業は自分でやっています。最初はマニュアルを見ながら試行錯誤しましたが、使っていくうちにすぐに慣れましたね。まだ小規模なので会計内容が複雑 ではないこともあると思いますが、選んだ会計ソフトは詳細な簿記の知識などなくても、『小遣い帳』をつけるイメージで直感的に操作しやすいものでした」
一度入力した数字が随所に反映される
操作そのものは大丈夫でしたが、帳簿のつけ方が本当にそれでいいのかと心配だったという小林さん。幸いなことに、パソコンスクールで講師を依頼している人 が税理士事務所に勤務経験があり、小林さんが使用している会計ソフトの公認インストラクターでもありました。その人に教えを乞い、理解を深めることができ たといいます。
「月1回まとめて売上と経費を入力していますが、2時間もあれば十分。手書きの帳簿では電卓を使っていろいろ計算しなければなりませんが、会計ソフトは入力した数字がそのままいろいろな帳票に計算されて反映されるので、非常に便利でラクだなと感じます」
入金サイトと発生予定経費をチェック
小林さんが経営者としてもっともチェックしているのは、入金までのサイトと、その間に発生する予定の経費のバランス。「職業訓練の売上は入金までが長いので、気をつけている」と言います。
とはいえ、職業訓練の売上は見通しがつきやすく、主な経費は賃料と講師料、スタッフの人件費程度とシンプル。したがって、まだ財務分析を行う必要性は感じていないそうです。
人材紹介ビジネスに進出
職業訓練の売上が8割も占めていることに問題を感じているという小林さん。今後の課題は、職業訓練以外の売上を増やしていくことだといいます。
「そ の一つとして、人材紹介ビジネスを始めることにし、免許も申請しています。職業訓練を行った人材の『出口』づくりも手がけることで、事業に一貫性を持たせ られると考えています。そうして事業が広がっていけば、財務状況を分析・検討する必要性も高まるでしょう。その際に、B/SやP/Lなどを出力できる会計 ソフトの使い勝手がより高まると思っています」
会社概要
有限会社ウィザード
事業内容/IT教育事業、ITコンサルティング、有料職業紹介
設立/2002年11月
資本金/900万円
売上高/4100万円(2007年10月期)
従業員数/6人(パート含む)
所在地/埼玉県さいたま市中央区