Vol.1 ITは経営者にとっての強い味方!

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
この連載では、「ITの活用方法」について、皆様にお役に立つ内容をお伝えしていきたいと思っています。しかし、いきなり細かい、難しい話を始めても仕方がありません。1回目は「なぜITを使うのか?」という、具体的なメリットをお話したいと思います。

 

パソコンはオタクのおもちゃ?

01_01.jpg 最近では、ずいぶんとイメージは変わってきているように感じますが、一般人が「パソコン」から連想するイメージは、一人でパソコンの前に向かっているオタクであるようです。映画やTVで放映された「電車男」のイメージですね。

  しかし、最近では、ヤフーやアマゾンドットコムの活躍によって、「ITってスゴイんだ」とか「インターネットってスゴイんだ」という認識がやっと広まって きているように思います。そのため、ビジネスでITを活用することの必要性も、少しずつ意識され始めているようです。しかし、それでも現実には、パソコン が好きそうな、あるいはパソコンが趣味である社員に対し、社長が「ウチもそろそろIT化しようよ」「IT化しないといけないんだけどね」と言って、あとは 任せっきり・・・というところが多いのではないでしょうか?

 「パソコンの前に座っていたって、売り上げは上がらん!」
そう思っている経営者の方も多いと思います。それは確かにそのとおりです。ITを利用する理由は、あくまでも売り上げを上げている人たちの負担を軽減し、本来の業務に集中できる環境を用意するためなのです。
ITを利用する、というと難しそうなイメージがありますが、たとえば目の前にあるパソコンを使って単純作業を減らす、ということも立派なITの利用です。
 

今はそのやり方でもいいけれど・・・

 01_02.jpgセブン-イレブンが、まだ店数が少なかった頃の話です。新しい店舗の開店準備で、6人がかりで4日もかかっていた現場を見て、鈴木敏文氏がカミナリを落としたそうです。

 「今は開店が少ないからよい。しかし、やがて1日に何十店もオープンしなければならなくなったとき、そのやり方でやっていたらどうなるのか」<出典元:『セブン-イレブン創業の奇蹟』(緒方知行著・講談社)>

 さまざまな工夫を重ねた結果、今ではもっと少ない人数でも短期間で開店準備ができるようになっているとのことです。
この例は、ITを活用したものではありません。ただ、ここで考えていただきたいのは、「規模の拡大に対応できる仕事の進め方」をできているかどうか、ということです。

  「規模の拡大」ということであれば、まさにITの得意技です。簡単な例で言えば、エクセルでは、100件のデータ集計であっても、1000件のデータ集計 であってもかかる時間はほぼ同じです。これがもし電卓で集計する場合だと、データ量が倍になれば、かかる時間も倍になってしまうわけです。
 IT 企業が既存のビジネスとは比較にならないくらい急激なペースで成長できる理由は、ここにあります。たとえば、インターネット上でのショッピングサービスを 提供しているアマゾンドットコムでは、ユーザー数が増えたとしても、基本的にはコンピュータを増設するだけで対応できるようになっています。また、ユー ザー側からしても、注文が増えているために待たされる、ということもないわけです。
 もちろん、今までとは異なる新しいビジネスを立ち上げるとき には、いろいろな人の力が必要になるのは、どんな企業であろうと変わりはありません。しかし、少なくともすでに一度やり方が確立したコアビジネスに関して は、規模がいくら大きくなろうと、簡単に対応できる仕組みができあがっているわけです。これは、まさにITを上手に活用した例だと言えるでしょう。
 

もし売上が3倍になったら

  ここで、ちょっと想像してみてください。たとえば、ひょんなことからみなさんの会社が雑誌などのメディアで取り上げられたり、口コミで話題になったりし て、お客さまが急に3倍に増えたとしましょう。その場合でも、みなさんの会社は、ひとつひとつの仕事の質を落とさず、お客さまを満足させ続けることができ るでしょうか。

 「そんなことはお客さんが増えてから考えるよ」

 そう思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、もし規模が大きくなったときに対応できないのであれば、やはりどこか無理のある方法でビジネスを進めている、ということだと思います。

 「今よりもっとお客さまの数が増えてくれたら・・・」

 そう考える経営者の方はたくさんいらっしゃるでしょう。しかし、本当に増えたときのことを考えて、今から手を打っている、という方は少ないのではないでしょうか。
 

時間と空間を超える!?

01_03.jpg ITの力は、規模の拡大に対応できるだけではありません。
私の知人が勤めているある会社に、年商数十億円規模で、社員も何百人と抱えているところがあります。その知人から「土日もたいてい出社だよ」という話を聞き「さすが忙しいんだねえ」と言うと、その知人は言いました。

 「お客さんからメールが来ているかもしれないから。 」

 メールを確認するために出社する・・・。それを聞いたとき、私は正直なところ、「面倒なことをしているなあ」と思いました。
もちろんお客さんからの問い合わせに対し、できる限り迅速に対応することは大切です。しかしだからといって、物理的に社員を拘束しつづけるのはいかがなものでしょうか。社員にある程度無理をお願いするとしても、ITを活用することで、負担を軽減することはできるはずです。

 実際、私が勤めていた会社では、自宅のパソコンからはもちろん、携帯電話からも会社のメールを確認できるようになっていました。そのため、余力があればちょっとした移動時間も無駄にすることなく、仕事を進めることができました。
  また、社員ほぼ全員のスケジュールが、パソコンからすぐに確認できるようになっていました。そのため、数人が集まる程度の会議であれば、5分もかからずに 開催日時を決めることができたのです。関係者が休んでいようが出張していようが、すぐにパソコンで予定を確認することができたからです。

  このように、ITを活用することで、時間や空間に拘束されることなく、スムーズに仕事を進めていくことができるようになります。よく勘違いされますが、 ITは「顔をつきあわせたコミュニケーション」を否定するものでは決してありません。むしろ、つまらない作業を減らすことで、直接的なコミュニケーション に集中できる環境を作るためのものなのです。
 

経営資源の少ない企業こそITを活用すべき

  社員が何千人もいて、全国に支社があるような大企業であれば、多少効率の悪い方法で仕事を進めても、それなりの効果を上げられるかも知れません。しかし、 経営資源の少ない企業では、より少ない人数や設備でうまくビジネスを進めていくために、さまざまな工夫が必要になります。そのためには、ITを活用するこ とがとても大切になってきます。

 次回からは、具体的にITをどうやって活用すればよいのか、ということをお伝えしていきたいと思います。

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