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「基本ソフト」って?
さまざまなニュースですでに報道されていますが、「Windows Vista(ウィンドウズ ビスタ)」が1月30日に発売されました。単なるパソコンソフトの販売がここまで大きく取り上げられるようになるのを見ていると、情報技術の重要性がます ます高まりつつあるのかな、と思います。
ところで、ニュースでは「Windows Vista」は「基本ソフト」と呼ばれています。この「基本ソフト」とはいったい何なのでしょうか。WordやExcelといったソフトは、ユーザーの目 から見えやすい所にあるためよく知られているのですが、それに比べると、この「基本ソフト」は今ひとつ知名度が低いようです。ここで、この「基本ソフト」 の正体について簡単に確認しておきましょう。
「基 本ソフト」とは、正確には「Operating System(オペレーティング システム)」のことであり、略して「OS(オーエス)」と呼ばれます。ただし「OS」では、知らない人には何のことか分からないため、一般的なニュースで は「基本ソフト」という呼び方をしているのです。OSの役割とは、一言でいえばパソコンの上でWordやExcelといったソフトを動かすためのサポート をすることです。
たとえば、パソコンではWordやExcelで作成されたデータは、ハードディスクに保存されます。しかし、ハードディ スクが記録できるのは0と1の羅列だけです。しかし0と1のままでは人間には扱えないので、0と1の羅列を「ファイル」や「フォルダ」というような形で整 理する必要があります。そのような整理を行なうことが、OSの役割のひとつです。
あるいは、パソコンでは動画を再生しながら電子メールの 送受信を行なう、というような作業ができます。しかし、一般的なパソコンでは、頭脳に当たる部品はひとつしかありません。そのため、複数の作業を同時に行 なう(同時に行なっているように見せる)ためには、それぞれの作業を細かく分けて、交互に処理していく必要があります。そのような場合の「作業のスケ ジューリング機能」も、OSの役割のひとつです。
このように、目に見えない所でOSが動いているおかげで、私たちがパソコンを快適に使用できて いるわけです。OSがなければパソコンはただの箱でしかない、と言っても過言ではありません。「Windows Vista」がニュースになるのも、OSがそれだけ重要なものだからなのです。
OSが変わると何が変わるのか
このように、OSがパソコンの動作を司っているため、OSが新しくなれば、それだけパソコンが使いやすくなると言えます。
たとえば、今までの記事で「ビジネスをスムーズに進めるために、パソコンを使って情報共有を行ないましょう」というようなことを繰り返しお伝えしてきまし た。ネットワークを通じて他のパソコンと情報をやりとりするのも、OSの役割です。そのため、OSが新しくなることによって、より簡単な手順で、安全に情 報共有を行えるようになるのです。もちろん、今までのOSでも情報共有を行なうことはできますが、より新しいOSの方が操作性や安全性という点で、向上し ていることが多いです。
また、パソコンを利用する上では、セキュリティ対策が大切になります。セキュリティ対策においては、「こうすれば 完璧だ」と言える対策は存在しません。パソコンを攻撃から守るためには、日々のセキュリティ対策をこまめに行なっていくことが大切になります。その点、新 しいOSではセキュリティ対策も含めて、パソコンのメンテナンスが簡単にできるように改善されています。また、ベースとなるセキュリティのレベルも向上し ているため、全体的に見れば、新しいOSの方がセキュリティにおいて優れていると言えるでしょう。
ちなみに、「アンチウィルスのソフトを 入れれば問題ないのではないか」と思われる方もいるかもしれません。しかし、アンチウィルスのソフトにもウィルス定義ファイル(ウィルスに対する「傾向と 対策」をまとめたファイルのことです)の自動更新機能がついており、新しく生み出されるウィルスに対して、対策方法をこまめに更新するような仕組みになっ ています。逆に、アンチウィルスのソフトをインストールしてあっても、ウィルス定義ファイルの更新を行なわなければ、パソコンに対する防御は不十分なまま になってしまいます。結局の所、パソコンに対する攻撃方法もどんどん進化しているため、「こうすれば完璧だ」という対策は存在しません。やはり日々のメン テナンスをきちんと行なうことが、一番大切になるわけです。
普段の作業も効率的に
Aero グラス |
一般的なOSには、メールソフトなどといった、ほとんどの人が使用するソフトが初めから付属しています。たとえば、Windowsに付属しているメールソ フトである「Outlook Express」をお使いの方も多いと思います。Windows Vistaでは、新しく「Windowsメール」というメールソフトが搭載されており、迷惑メールの振り分け機能などが追加されています。
他にも、デジカメで取った写真ファイルの取扱いがより簡単になっていたり、あるいはパソコンのオン・オフの切り替えが素早くできるようになっており、ちょっとした作業でも、より効率的に行えるように改良されています。
では、新しいOSはどこで手に入れればよいのでしょうか。基本的には家電量販店で単体のパッケージを購入できますが、動作に必要となるパソコンの性能も考 えなくてはなりません。ですから、初めからWindows Vistaがインストールされているパソコン(プリインストールパソコン、3回目の記事をご参照ください)を購入するのが一番簡単だと思います。また、比 較的最近に購入したパソコンの場合は、安価にWindows Vistaにアップグレードしてくれる場合もあるので、当てはまるかもしれないと思う方は、購入元に確認してみるとよいでしょう。