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「よい人材」の定義は会社によって違う
よい人材を採るには、会社説明会に100人集めて、その中から上位3~5人を採るようなイメージになると思いますが、ここで言う「上位」というのは、必ず しも成績のことを言っているわけではありません。
もちろん、どの企業でも欲しいと思う人材は、筆記試験でも優秀な成績の方が多いですが、採 用する側が知っておかねばならないのは「自分たちの会社にとって優秀な人材とはどのような人か」ということです。
その会社にとっ ての「よい人材」というのは、マーケティングやビジネスモデルによって異なります。つまり、自分の会社の特性やビジネスモデルをちゃんと見極めたう えで、今どこが弱いのか、それを補うにはどのような人材が必要なのかということを見極めることが大切だということです。
たとえ ば、営業職を採るときに、多くの経営者は単に「売り上げの上げられる人が欲しい」としか言わないのですが、その会社のマーケティング上、プッシュ型の営業 が必要なのか、それともプル型の営業が必要なのかによって、募集時のメッセージも違ってくるはずなのです。
欲しい人材を採る近道
こう考えていくと、きちんとしたマーケティングのない会社は、どんな人材 が自分の会社に必要なのかを明確にできませんから、「的を得た採用活動ができない」ということがわかると思います。そういう意味でも、採用は、ビジ ネスモデルとマーケティングを完成させてから行った方がいいのです。
広告を打つときに、自社の商品を喜んでくれるお客さまがどこ にいるのかをテストマーケティングで見極めてから行うのが大切なのとまったく同じで、自社の欲しい人材をある程度限定してから募集したほうが、その会社に とって優秀な人材が採れる確率はアップします。
欲しい人材が明確であれば、募集の際も、その人たちの心をとらえる文章や、勤務形態などの 諸条件で、同業他社に差を付けることも可能になるのです。
会社をよりよく 見せるための工夫
新卒採用をすると決めたら、その瞬間から募集要項を出すまでにしておかなければいけないことがいくつかあります。真っ 先にしなければならないことの一つが環境の整備です。就職したら長い時間を過ごすことになるオフィスの環境は、学生たちにとって重要なチェック項 目の一つですから、オフィスの立地や設備の新しさなども大切です。
また、オフィス以外にも、社名を魅力あるものにしたり、ビジネス モデルを魅力的に見せる工夫もとても大切になります。こうしたことは、よい人材を集めるために行うことではありますが、結果的には、企業そのもの にとっても大きなプラスを生みます。
たとえば、社名が「○○仏具店」だったとしたら、普通に募集しても説明会に来てくれる学生は少ないと 思いますが、ギフト部門を設け、実際に利益を上げているのは仏壇だったとしても、対外的にはギフトショップの明るいイメージを打ち出すことで、多くの学生 が応募してくるようになると思います。
少しテクニック的な話になりましたが、決して応募者を欺くイメージを訴求すると言うわけではなく、 社名が事業内容からくるネガティブイメージをいかに払拭し、自社の魅力を伝えられるかが重要だということです。
もちろん、こ うした環境設備にもそれなりに出費が伴いますが、経営者がそれも含めて「新卒のための投資」と考えることで、優秀な人材確保が可能となるのです。こ れからの時代、経営の柱となるのは、あくまでも「人」です。ここに投資しない限り、成功はないと言っても過言ではありません。経営者として、このあたりの ことを十分に理解してください(@^^)/~~~