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企業を成長させるには、「投資の順番」を理解すること
いったん儲かるしくみ(勝てるビジネスモデルとそれを補うマーケティング)が機能し始めたら、他社よりも多く利益が上がります。「経 営は投資である」という理解をしている社長は、決してその利益で高級外車を買ってしまったりはせず、将来を見据えて、段階に応じた投資をしていく ものなのです。
まずは、マーケティングを動かすための「宣伝広告・販売促進」に対する投資、次に、良い人材を得、会社を組 織化していくための「採用」への投資、さらに、採用した優秀な人材を伸ばすための「教育」への投資、そして、その人たちがプ ライドを持って働けるための「環境整備」への投資・・・
さぁ、ここではは、会社の成長を加速化させ、競争優位を決定づける ための最終段階の投資である『システムへの投資』について、お話をすすめたいと思います。
「システム投資」は最後にして最大、そして最難の投資
人材を採用し、教育する過程で会社を組織 化していくわけですが、組織化するとなぜ会社を大きくすることができるのかというと、情報の共有によって効率化が進み、より大きな利益を出せるよう になるからです。この組織化を、より効率よく推し進めていくための投資が、最後にして最大、そしてもっとも難しい「システム投資」というわけです。
この投資は、いままでと違い、金額的にも大きな投資となります。つまり、誰にでもできる投資ではないのです。ということは、逆に考えれば、もう誰も出せな いほどの金額をシステムに投資してしまえば、そのシステムが参入障壁となって、他社は逆立ちしてもかなわない、という状況が生じます。いわゆる「ひ とり勝ち」状態です。
しかし、この投資を「最難」といったわけは、実は日本におけるシステム投資には、とっても危険な落とし穴が あるのです。それは、「お金を出せば、確率の高い投資ができる」というこれまで述べてきた投資の法則が、システム投資だけには当てはまらない、 ということです。
投資の効率は、社長の「ITインテリジェンス」で決まる?!
情報化社会となった今、その会社のシステムのレベルが、企業の最終的な勝敗を決めてしまうといっても過言ではありません。つまり会社の生命線ともいえる大 事な投資になるわけですが、システムの費用対効果に対するジャッジを「担当者任せ」にしている経営者がまだまだ多いように感じます。それは、日本の経営者 のITレベルがおしなべて低いことと大きく関係しています。私は「ITに関する知力」を勝手に「ITインテリジェンス」と呼んでいるのです が、経営者のITインテリジェンスが低いと、システム投資を技術分野のことと考え、担当者に任せきりにしてしまいます。
さらに言えば、残 念ながら現在の日本で、期待する効果を提供してくれるシステム会社を探すのは、至難の業という現実もあります。こちらに知力がないと、見積書を的確に判断 できないがために、驚くべき金額を払わされたり、必要のない機器を買わされてしまったり…といった悲しい結果にもなりかねません。
システムとは設備投資である!
そうはいっても、社長がITにむちゃくちゃ強くなる必要がある のかというと、それもまた違って、大切なのは、経営者がズレのない視点を持つことなのです。それは「ITは設備投資である」ということ。つ まり、メーカーであれば、生産ラインを増やすのと全く同じ感覚で、システムに対する投資を考えるということです。
設備投資であれば、投資 した金額をどれくらいの期間で回収するかといった、費用対効果に対するシビアな判断をすることは当然ですし、一度設備が完成すれば終わりではなく、定期的 に見直し、リニューアルしていくのも、これまた当然です。
情報化時代の到来で、経営者にこういう発想さえあれば、システムを見方につけ、 大企業と互角に戦えるような時代になったわけです。このコラムを通じて、あなたは今「会社を成長させる方法」を知識として手に入れました。あとは、あなた のやる気しだいです。私も応援しますので、ぜひ頑張ってください(@^^)/~~~