経営戦略 Vol.13 中途採用市場の落とし穴に気をつけろ

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
あなたの会社が中途採用をしようと思ったとき、そこに集まってくるのはどのような人材でしょうか?ひとことで言うなら「あなたの会社を辞めていったような人たち」、つまり、その仕事をやったけどうまく行かなかった人たちが圧倒的に多いということです。厳しいようですが、これが中途採用市場の現実です。

中途市場からよい人材を探せない理由

 最終的には優秀な人材が生き生きと働く組織が勝つということが言えます。しかし、その優秀な人材がどこにいるのかを知っている経営者はそう多くないようです。特に中小企業では、相変わらず中途採用が主流となっているようですが、残念ながら、中途市場をいくら探してもよい人材を見つけることはかなり難しいと心得てください。

 確かに、優秀な経験者は世のなかにたくさんいますが、言うまでもなく彼らは社内で大事にされていますし、大事な仕事を任されやりがいを感じて働いているはずですから、基本的に会社を辞めないのです。また、仮に辞めるとしても、その時はすでに次の就職先を決めているはずです。このように考えると、中途市場に優秀な人材はめったに出てこないということになります。

 

中途市場に集まってくる人材

 では、あなたの会社が中途採用をしようと思ったとき、そこに集まってくるのはどのような人材でしょうか?ひとことで言うなら「あなたの会社を辞めていったような人たち」、つまり、その仕事をやったけどうまく行かなかった人たちが圧倒的に多いということです。厳しいようですが、これが中途採用の現実です。

 もちろん会社が倒産して転職せざるを得ないというケースもあるでしょうが、もし本当にその人に能力があれば、その業界の人が捨てておくはずがありません。私の知り合いの某生命保険会社のトップセールスだった女性などは、その会社が倒産したとたん、いくつもの会社が運転手付きの車で迎えに来たそうです。こんな風に、本当に能力のある人は、中途市場に出る間もなく、スカウトされてしまうということです。ですから、会社のなかで戦力となる人を雇おうと思うなら、中途市場ではダメだと私は考えています。

 

学歴や職歴に騙されるな?!

 とは言っても、ときどき中途採用市場で、すごくいい大学を出ていたり、超大手企業に勤めていた経歴の持ち主に出会うことがあります。彼らは一見、とても優秀そうに見えますから、経営者としては「これは拾い物だ!」とばかり飛びついてしまいがちです。しかし、実はそういう人ほど要注意人物なのです。

 そういう人たちは、人間的に何か問題を抱えているか、前の会社で、汚職などをして辞めているケースがあるように思います。事実、私の知り合いの会社でも、採らない方がいいという忠告を無視して、そうした人材を経理担当に採用し、ものの見事に会社のお金を横領されたことがありました(――;)。

 これは極端な例としても、一番ありがちなパターンは「うちは若い社員が多いから、優秀な営業幹部を入れよう」と、営業経験者を中途市場から雇ってしまうケースです。こんなことをすると、たいてい時代遅れの営業知識を部下たちに押し付け、すっかり若手社員はやる気をなくしてしまいます。結果、社内がめちゃくちゃになってしまうのです。

 

本当に賢いヘットハンティングの方法

 こんなお話をすると、中途採用をするのが怖くなってしまうかもしれませんが、もし本気で優秀な経験者を採用したいのであれば、ヘットバンティング会社に依頼するという方法もあります。しかし、これには相当の資金が必要だと思ってください。あるヘットバンティング会社の社長は、最低でも年収1500万円以上を用意しないとダメだろうと言っています。

 そんな投資はできないけれど、どうしても優秀な経験者が欲しい場合は、社長が自分で引き抜きをするしかありません。自ら惚れ込んだ人物を、強い理念とエネルギーを持って、自ら口説くのです。ある社長は、ヘットバンティング会社に「とにかく優秀な人を見つけてだけくれればいい」というちょっと変わった依頼をして成果を上げていました。その人にアプローチし、交渉する役は全部その社長が引き受けたということです。ヘットハンティング会社には、異例の依頼だったといいますが、実はこれが一番賢い中途採用の方法かもしれません(*^^)v。

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