経営戦略 Vol.14 新卒採用で問われるのは「経営者の姿勢」である

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
その会社の経営者が、どのような考えでビジネスを行っているのか、優秀な学生たちは敏感に感じ取ります。ですから、前回お話した「環境整備」と同時に、自分の会社の仕事がどのような形で社会の役に立つのか、ということをきちんと説明することも、新卒採用にはとても大切なのです。

優秀な学生は仕事に生きがいを求めている

 新卒採用にあたっては、環境整備に投資することが大事だということがあります。学生たちに、いかに自社の魅力を伝えられるかが重要なわけですが、もう一つお金では解決しない、とても重要なことがあります。それは、経営者のビジネスに対する姿勢です。

 その会社の経営者が、どのような考えでビジネスを行っているのか、優秀な学生たちは敏感に感じ取ります。ですから、前回お話した「環境整備」と同時に、自分の会社の仕事がどのような形で社会の役に立つのか、ということをきちんと説明することも、新卒採用にはとても大切なのです。

 今、世の中にはフリーターやニートなど、就職をしない若者が増えてきていますが、実はそうした人の中にも、優秀な人材がたくさんいます。彼らに「どうして就職しないの?」と聞くと、「行きたい会社がないから」といった答えをしますが、高度成長期に頑張って働いてきた年代の人には「何を贅沢言ってるんだ!」と一蹴されそうなこんな主張も、私はある意味正しいことだと思っています。

 

日本にフリーターやニートが増える理由!?

 昔は、食べていくために働くこと、そして少しでもいい暮らしをすることがモチベーションになりました。しかし、今は全く違います。食べていくだけなら、就職しなくても何とかなるからです。だからこそ、若い人たちに「ちゃんと就職しよう」と思ってもらうには、彼らのモチベーションを刺激するものが必要だということです。

 勘違いしないでもらいたいのですが、彼らのいう「行きたい会社」というには、必ずしも給料や福利厚生などの待遇の問題だけではありません。その証拠に、今の若い人たちのなかには、NPOや福祉団体などで熱心にボランティアに取り組む人も大勢います。要は、自分たちの仕事が人々の役に立っているという実感とプライドを感じられる仕事を求めているということです。もっとわかりやすく言えば、彼らは仕事に「生きがい」を求めているのです。

 ですから、彼らのそうした欲求に答えるためには、経営者自身が「何のために働くのか」といった問いに対する答えを持っていなければなりません。そして、それを彼らのハートに届く言葉で、きちんと表現してあげることが必要なのですが、どうやらそれをできる日本の経営者は、そんなに多くないようです。

 

 仕事の持つ本来の意義

 私自身は、「仕事は社会貢献、利益はそれに対する感謝」だと考えています。「仕事は親切」とも教えるんですが、そもそも仕事という概念は、自分の得意なことを親切心から人にしてあげて、その感謝がやがて報酬という形で自分に返ってくるようになったところから発生したと思っているのです。

 

 会社を大きくしよう、儲けようなどと言うと、金銭欲にとらわれているように感じる人もいるようですが、決してそうではありません。仕事は親切という考え方で働けば、社会により大きく貢献するためには、多くの人に感謝されるような仕事をたくさんすることになりますから、やがて会社も大きくなりますし、結果として儲かる、ということなのです。

 

 新卒採用にあたっては、なぜ働くことが必要なのか、なぜ儲けることが必要なのか、なぜ会社を大きくすることが必要なのか・・・学生たちのこうした無言の問いかけに対し、経営者が自らのビジネスに対する姿勢を通して、その答えを明確に見せ続けることが必要だということです。それなくして、うまい言葉ばかり並べ立てても、決して優秀な人材は採れないということを肝に銘じてください(@^^)/~~~

 

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