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教育制度で経営の次元がシフトする
最終的に、企業発展の速度を決めるのは、『採用した人材が、どれくらいの速さで戦力化するか』ということにかかっているということがあります。社内にきちんとした教育のしくみがあるかどうかは、経営そのものを変えてしまうほど大きな問題なのです。
社内の教育制度が確立され、人材が戦力するまでのスピードがつかめると、経営は次の次元へとシフトします。それはまさに本格的に会社が成長モードに入るためのシフトチェンジといえるでしょう。マーケティングがビジネスの起爆剤だとすると、完成した教育制度の確立は、会社発展のためのエンジンに火が入ったような感じです(*^^)v
利益を上げ、その利益で社員を何人採用できるかということがわかってくると、「余剰人員をどれだけ多く抱えて経営していけるか」という経営計画を立てることが可能になります。余剰人員というのは、「今は戦力化していないけれど、たとえば2年後には必ずお金を稼いでくれる人たち」という意味です。数年後に必要となってくる人材を、先を見越し、今のうちからどれだけ採用して教育していけるかが、すなわち『会社の体力』でもあるのです。
10年後に1500人規模の企業を目指すシステム会社の事例
これについての事例をひとつお話したいと思います。JBS(日本ビジネスシステムズ株式会社)というシステム開発の会社の事例です。JBSは、会社を設立して16年になりますが、経営が安定すると同時に、採用を新卒に変え、同時に教育制度を確立しました。当初は数名からの採用でしたが、その人たちが戦力として成長したのを機に、採用人数を5人、10人、20人と拡大していき、昨年度には約50人の新卒を採用するまでにいたっています。
JBSの経営者は非常に有能な方で、「お客さま第一主義(カスタマーファースト)」というポリシーのもと、顧客との継続的な「パートナーシップ」の関係構築に力を入れてきました。そのために、いかに優れた情報システムを開発・導入するかということよりも、エンドユーザーがシステムを使いこなすためのエンドユーザーサポートやトレーニングサービスを充実させています。時にはユーザー企業向けのセミナーや勉強会も実施しているほどです。そこで、このようなサービスを実現するために、自社の社員の技術力はさることながら、お客さまとの「パートナーシップ」をがっちり組めるだけの人間力も求められると考えてきたようです。
この会社の教育制度でユニークなところは、入社○年目には、新人の教育担当になる、という仕組みが設けられており、先輩社員にとっても後輩の育成を行っていくことが自らのキャリアパスの一つとして成立しています。大事なことは、先輩から後輩へと確実に受け継がれるように「しくみ化」されているのです。
この会社は、まだ企業規模が小さい時から先を見越してこの教育制度を確立しました。このことが、現在の急激な業容拡大を可能にしています。今後は、100人、 200人と採用人数を拡大させ、10年後には、なんと従業員規模1500人の企業へと拡大していく計画を立てているそうです。
余剰人員を抱えながら、会社の規模を拡大していくということが少しはイメージできたでしょうか?教育制度が確立し、採用した人材の戦力化の時期がつかめると、経営はこんなにも変わってしまうものなのです。ちなみにこの会社は、私の大切なビジネスパートナーでもあります。教育についてはまだまだ奥が深いです。
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