経営戦略 Vol.21 ネットのリアル化?発想の転換で大成功

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
このところ、通販サイトが実店舗をオープンするケースが目に付きます。リアルのネット化を軸に進化してきた情報化社会も、どうやら発想の転換期を迎え「リアルのネット化」こそが時代のキーワードになりつつあります。今回はそんな事例を紹介しながら、経営の発想力を鍛えていきたいと思います。

通販サイトがリアル店舗を出店

 このところ私のブログでも、ネットサービスのさまざまな進化のかたちについては取り上げていますが、ネット上で展開してきたサービスを「リアル」で実現する、というのがひとつのキーワードになってきているようです。そんななか、通販サイト「スタイルストア」を運営するオールアバウトでは、JR東京駅のエキナカに初の実店舗を出店するそうです。今回は 10月25日から11月4日までの期間限定ではありますが、この「シーズンセレクト All About スタイルストア」で、通販サイト内で販売している雑貨や小物をOLや観光客向けに販売することで、サイトの利用者以外にもすそ野を広げ、サイトの認知度を高める作戦であったようです。

 また、女性向けファッションブランド「ETHIQUE(エティック)」のネット通販で成長した衣料品メーカー「スタイルアンドシステム
ズ」でも、9月に東京・代官山にブランド名と同じ名前の実店舗をオープンしました。

 

実店舗出店のねらいはどこに?

 ネットショップの運営会社が何のためにわざわざリアル店舗を出店するのかといえば、「ネット通販とは異なる客層の獲得」や「ネットショップを広く告知するため」といった意味合いがまず考えられますが、さらには、『ネット通販だと分かりづらい商品の質感や手触りを生で感じてもらうため』という意図もあるようです。今まで、実物を触れないために購入をためらっていた層へアプローチし、販売機会の損失を抑えるということです。

 エティックの商品を販売しているネットプライスドットコムでは、この代官山の実店舗を活用し「タッチ&フィールサービス」というプロモーションを展開。昨年の8月からネットショップで累計8万個を売り上げたハンドバックのシリーズ「キャリバー」を展示して、多くの人に実際に「手にとって確かめてもらう」ことで、ネット通販での受注をも増やそうという意気込みです。

 さらには、「キャリバー」は通常版の20色に加え、ネットプライス限定の2色も実店舗に展示し、お客様の生の声を聞き取って、ネット上の商品ページに紹介するそうですから、こうなるとリアル店舗が「テストマーケティング」の場として機能していく可能性があります。また、商品の近くにはQRコードが付きのPOPがあって、それを読み取ることで、お客様はその場にいながら携帯サイトにアクセス可能。お店に置いていない商品も、携帯で簡単に購入できるわけですから、まさに「ネットとリアルの融合」を地でいく戦略ですね(*^^)v。

 

リアルの「ネット化」からネットの「リアル化」へ

 これまで、ネットとリアルの融合というと、リアルで展開していたサービスをネットで展開する、というケースが多かったものです。ネットショップなどはその最たるもので、運営経費のかかるリアル店舗をやめて、ネットオンリーのショップに切り替えるオーナーもずいぶんいたように思います。それが、おもしろいことに「逆転現象」のようなことが起こってきているわけです。

 もちろん、これからもリアルでうまくいったビジネスをネットで展開するというビジネスモデルも残っていくと思いますが、そろそろ私たち経営者も発想を大きく変換すべき時期にきているのかもしれません。つまり、「ネットのリアル化」に注目せよ、ということです。サンプル・ラボ」などはそのよい事例で、ネットで人気になっていたビジネスモデルを実店舗でダイナミックに展開することで、ビジネスはより大きく成功し、世のなかの注目をも集めているわけです。

 情報化社会の進化のスピードに、われわれ経営者の“発想力”が取り残されないように、日々世のなかウォッチングをすることで、“経営脳”のトレーニングを続けて欲しいものです(@^^)/~~~。

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