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学内に自家製ナンが評判のインド料理店が!!!
今、大学の学食が、ちょっとおしゃれに様変わりしているのをご存じでしょうか? ひと昔前の学食と言えば、「早い・安い・味はそこそこ」が当たり前でしたが、今や、高層階を使って眺めをよくしたり、外部のレストランに味を競わせたりしている学食まで現れているのです。
東洋大学白山キャンパスでは、2005年4月に学食をリニューアルし、インド料理店「MANTRA」のほか、イタリア料理店、ラーメン店など5店舗が軒を連ねているそうです。学食と言えどもその味はかなり本格的で、“ナン”もインド人シェフがタンドールという釜に生地を張り付け、実際にここで焼いています。
また、同じく文京区内にある東京大学本郷キャンパスには、スターバックスコーヒーやサブウェイなど、米国生まれのカフェやサンドイッチ店が点在しており、従来の学食を含めて約20の飲食店があるため、ホームページに案内図まで掲載しているのだとか。東京大学工学部の一角には、あの「日比谷松本楼」の支店もあるそうです。
学食にボトルキープ!?
私の事務所からほど近い、明治大学駿河台キャンパスでも、17階にある「スカイラウンジ暁」が人気です。学外の利用も可能で、都心のビル街に加え、天気のいい日には富士山が見えるようです。
一方、神奈川大学横浜キャンパスは、高台にある立地を生かし、8階に展望ラウンジ「Stop Over」を作っています。大きな窓から、横浜ベイブリッジやみなとみらい21地区の高層ビルも見わたせる眺望が人気で、夜景を楽しむ人も多いようです。ここも学外の利用者に開放しているため、予約すれば夜間も利用でき、「ボトルキープ」する常連さんもいると言います。
同大学は、オープンキャンパスのプログラムに、300円分の割引券を付け、訪れた高校生らに学食を体験してもらうようPRにも力を入れているようですが、なかなかよい作戦ではないでしょうか(*^^)v。
高級化する学食が大学選びの新基準に!?
こうした取り組みの背景には、少子化による大学間の競争激化があるでしょう。もちろん、それを口実に企業側の激しい売り込みが始まり、無策の大学側が乗ってしまった感は否めませんが…。それはともかく、「大学全入時代」においては、何らかの策を講じない限り、どこの大学も「定員割れ」という厳しい現実と背中合わせだということです。もちろん、学部やカリキュラム、教授陣の見直しという正攻法が先にあるべきでしょうが、「食の充実」が大学の魅力のひとつに数えられる時代になってきたことは間違いありません。
また、これまで学食は大学生協が運営するケースが多かったようですが、学生へのサービス向上のため、大学側が生協以外の業者を招くようになったという背景もあります。東京大学などは、2004年の「法人化」をきっかけに、福利厚生面にも独自性を発揮して、優れた研究者や学生を呼び込もうと意気込んでいるようです。
いずれにしても、一社独占という体制から脱却し、生協と外部業者が競争していくことで、学食のサービスはこの先もどんどん向上していくことでしょう。そして、充実した学食を上手に外部にも公開し、地域とのコミュニティーに育てるのも、面白い方向性だと思います。そのためのイベントの企画など、考えるとアイデアが止まらなくなりそうですね!(^^)! これは、企業の社員食堂にしても同じかもしれません。あなたなら、その大学や企業の目玉になるような食堂に育てるために、どんなアイデアを出しますか? そして、このほかにどんな手段で学生を呼ぶことができるかなどと発想を広げてみてください。“経営脳”は日頃のこうした訓練で発達していくものです(@^^)/~~~。