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ネット社会で「手書き日記」の人気高まる?!
みなさんは、今年の年頭にどんな目標を立てましたか?新しい年が始まると、「今年から日記をつけよう」などと決意する人が必ずいるものですが、このブログ主流のご時世に、意外にも、「手書きの日記」が見直されているのだそうです。
そんなトレンドを察知してか、単なる日記帳にとどまらない“新種”の日記帳も登場しているようです。今は、手帳を日記がわりに使う人も増えていて、その火付け役となったのは、東京糸井重里事務所プロデュースの「ほぼ日手帳」。1日1ページ方式で、書くスペースが豊富なのが人気で、2001年の発売以後、雑貨専門店の「ロフト」では、手帳部門3年連続1位のベストセラーになっています。スケジュールだけでなく、空きスペースに、写真や観た映画の半券を貼る人もいるみたいです。手帳と日記を融合させたようで、なかなか楽しい使い方ですよね(^^♪。
「企画モノ」の日記も続々登場
一方、日記マーケットには、「企画モノ」も続々登場しているようです。玩具メーカーのバンダイは、30歳を迎える女性をターゲットに、「三十記(みそき) THIRTY DAYS DIARY」を発売。なんと、誕生日の30日前から、毎日カウントダウン形式で書き込む日記帳です。全ページが袋とじになっていて、開けると「今まで一番『思い切ったなぁ』という出来事は何?」とか、「一番楽しい時間は?」などの問いかけが書かれていて、それに答えながら、自分を見つめなおせるという仕掛けだそうです。
その他にも、自己啓発系の「4行日記」(インデックス・コミュニケーションズ)、高齢化社会を象徴するような「Happy Diary いきがい日記」(集英社・湘南長寿園病院長監修)、妊娠した“働きマン”向け10カ月日記帳「働く女性のためのマタニティ・ダイリー」(梧桐書院)など、趣向をこらした日記帳が次々と発売されています。さらには、「ダイエット日記」や「恋愛日記」まで登場しているようです。
ブログ時代の日記文化
今や、芸能人から政治家まで、誰もがブログを書く時代です。そんな世のなかで、なぜ、「手書きの日記」が見直されているのでしょうか?
「ブログはあくまでも外へ向けての発信ツール」であり、人には言えない自分の思いなどは、手書きの日記帳にしか書けないから…という理由もあるでしょうし、手帳や日記帳に、プライベートな行動を記録しておきたいという理由もあるでしょうが、いずれにせよ、ブログによって「書く」習慣が付き、日常を「記録」することのおもしろさをわかってきた人が世のなかに増えたと見るべきではないでしょうか。
私は、昨年の 2007年から『ネットのリアル化』がこれからのビジネスのキーになると発言してきましたが、リアルでのサービスをネット化することで進化した情報化社会が、今度は、ネットでのサービスをリアル化することで、さらなる進化を遂げようとしているように見えるのです。このトレンドを上手につかみ、ネットに慣れた人々が喜ぶ商品やサービス、という切り口でビジネスを発想してみるとおもしろいのではないでしょうか(*^^)v。
デジタル社会で見直される「手書き」のよさ
日記帳が人気をよぶ理由としては、すっかりデジタル化した世のなかで、温度感のある“手書き”のよさが見直されている、という見方もあるでしょう。現に、「万年筆」は確実に売り上げを伸ばしているようです。「ここ5年の売上高は、毎年前年比2ケタ以上の伸び率を記録し、万年筆の売り上げは、5年前に比べ5割増になっている」と話す小売店もあるほどです。
一方、出版界でも、「手書き原稿」が見直されています。昨年、夏目漱石の「坊っちゃん」の直筆原稿を新書にした『直筆で読む「坊っちゃん」』(集英社新書ヴィジュアル版)が出版され、話題になりました。原稿用紙150枚全文をまるごと新書化し、4万部以上売れているようです。
ネットではやったことをリアルでサービスする、また、IT化する世のなかと反対に舵を切る…などと発想していくと、日記帳が人気だという話題も、ビジネスのひとつのヒントになりそうですね。これからは、手書きの手紙なども、もっと見直されていくかもしれません。ぜひ、こんなふうに世のなかを上手に切り取ることで、楽しく“経営者感覚”をつかんでいってください(@^^)/~~~。