経営戦略 Vol.30 「プチプチ」の大ヒットから学ぶ新しいマーケットの作り方

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
みなさんご存じの梱包資材「プチプチ」がまったく新しい発想で、そのマーケットを思い切り広げているようです。玩具メーカーとの提携から、遂に携帯ゲームまで!! ビジネスの大きさは、「自社の商品やサービスをどうとらえるか」で決まるのだという格好の事例です。

「プチプチ」大ブレイク!?

 以前、私のブログ「石原明の経営のヒント」でも取り上げたことがありますが、今『プチプチ』の世界が、かなりの発展をみせているようです。失礼ながら、「ただの梱包資材」にすぎなかった「プチプチ」のマーケットを思いっきり広げ、限りない可能性を追求する姿勢には、学ぶべきところが多いように思います(*^^)v。

 ご存じの方も多いと思いますが、「プチプチ」とは、川上産業の商標登録品である、気泡シートの緩衝材です。その昔、クッキーの缶などに必ず入っていたこのシートを、誰でも「プチッ」と潰した経験があることでしょう。うっかり「やめられない止まらない状態」になったりもします(笑)。

 しかし、「資材」として流通してきた「プチプチ」は、当然大きなロットで販売されてきたものですから、「つぶしたい」がために、いち消費者が買える商品ではありませんでした。

 

「プチプチ」が携帯ゲームに

 同社では、「プチプチ文化研究所」なるシンクタンクまで立ち上げて、「プチプチ」の新しい世界を探求し、ついに「つぶす」ためだけの「プチプチ」を商品化したのです。その他、気泡をハート型にしたり、『プチプチ OFFICIAL BOOK』を出版したりと、ユニークな戦略で市場を拡大しました。

さらに、玩具メーカーのバンダイとの共同開発で誕生した『∞(むげん)プチプチ(全7色/各819円)の大ヒットは記憶に新しいところです。すでに累計販売数は100万台を突破し、 2008年3月末には、200万台に達するとも言われています。

 そんな「プチプチ」の世界に、今度は携帯電話で楽しめる商品が登場しました。その名も『KERO PUTI(ケロプチ)』。携帯電話向けのコンテンツ開発などを手がける黒崎工業が今月から発売したゲームソフトです。今のところ、NTTドコモの「i(アイ)アプリ」で遊べるゲームですが、携帯画面に登場する気泡に合わせてキーを押すと、「プチッ」という破裂音と、バイブレーションによる実際の感触を楽しむことができるようです。

 さらに潰した回数が1万回に達すると、プチプチをぞうきんのように絞って一気に潰す「仕上げ」の動作も再現できるのだとか。携帯電話を握って絞る動作をすると、連続音とバイブが作動するのだそうです。これを「仕上げのブチブチしぼり」って呼ぶみたいですが、よく考えましたよねぇ~(@_@;)。

 

「プチプチ」ついに“萌え”る

 しかし、「プチプチ」の世界はさらなる進化(?)を続ける模様で、先ほど紹介した『∞(むげん)プチプチ』は、200 万台達成目前の3月8日に、新バージョン『∞(むげん)プチプチ ぷち萌え』(全4種/各819円)が登場するようです。

 「プチプチ」を潰していくと、50回に1回『萌えボイス』が聞こえるのだそうです。さらに「プチプチ」しないで放置しておくと、たまに“おねだり”されちゃうそうですよ(*^_^*)。

 ちなみに、このボイスは、人気声優の釘宮理恵さんが担当したそうで、「妹編」「メイド編」「ツンデレ編」「幼なじみ編」があるのだとか。

 それにしても、この世界観はすごいです(*^^)v。このような事例を見るにつけ、「発想とは限りなく広がるものだなぁ~」という思いをますます強くしてしまいますが、要は自社の商品やサービスを「どうとらえるか」ですべてが決まってしまうということです。もしプチプチが「梱包資材」としてしかとらえられていなかったら、決してゲームに進化するようなことはなかったでしょう。たったひとりの人間が「こんなのあったら面白いかも」と考えたことが、こんなに巨大なマーケットをつくってしまったわけです。

 こういう話を聞くと、なんだかワクワクしてきませんか? ぜひあなたもこの事例を参考に、発想を広げてみてください(@^^)/~~~。

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