経営戦略 Vol.31 まずは「1曲マスター」。発想の転換でビジネスを伸ばす

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
「基礎からきちんと」がセオリーだった業界に“1曲限定”で演奏を教えるサービス「1曲マスターレッスン」を導入した音楽教室。さらに、若かれし頃楽器に挫折した経験を持つ人たちを救おうと企画された「楽器挫折者救済合宿」の人気ぶりから、ビジネス構築のキーとなる「発想転換法」を学びましょう。

「1曲マスターレッスン」をウリにする音楽教室出現

 その昔、音楽教室といえば「基礎からきちんと」がセオリーでしたが、音楽家庭教師の派遣などを手がける「エルパ」では、先月から“1曲限定”で演奏を教えるサービスを始めたそうです。同社いわく「結婚式で演奏を披露したいと考える新郎新婦などの需要を見込み、年内に200件の受注を目指す」そうですが、2007年の藤原紀香と陣内智則の結婚式に憧れるカップルが多いことに着目した事業展開かもしれませんね (~o~)。

 この新サービス「一曲マスターレッスン」は、1~2ヵ月の間に、5回以上の受講が目安で、利用者が希望する曲を演奏できるようになるまで、家庭教師の先生が教えてくれる親切なサービスだそうです。ピアノを中心にサックスやフルートなどもOKで、経験者であればほかの楽器でもいいみたいです。

 気になる料金は、1回60分で5780円。さらに、練習風景を約2分のドキュメンタリー映像として作成するサービスも用意していて、こちらは追加料金73500円からだそうです。これなどは、完璧に「披露宴」を意識したサービスですよね。

 

「楽器挫折者救済合宿」も相変わらずの人気ぶり!?

 これは、昨年「経営者会報ブログ」でも取り上げた話題ですが、若かれし頃、楽器に挫折した経験を持つ人たちを救おうと企画された、23日の「楽器挫折者救済合宿」が相変わらずの人気ぶりだそうです。

 こちらはまったくの初心者も参加OKで、参加費は約4万円。初対面の仲間3~4人でバンドを結成して「なんとか1曲」演奏できるように特訓します。合宿最終日には「発表会」が開かれるのですが、時には地元住民を招待した盛大な会になることもあるようで、生まれて初めて人前で演奏した感動は、忘れがたいものがあるようです(*^_^*)

 この合宿の募集窓口は「日本旅行」が務めているのですが、このツアーは2008年で5年目を迎え、参加者は述べ800人を超えたそうです。しかも半分はリピーターみたいです。

 今では毎年、文化の日の前後に、「秋のQ-sai感謝sai」と銘打ち、合宿ツアー参加者を対象に都内のライブハウスを借し切ってイベントを開催しているようです。コミュニティーを作ることでしっかり「顧客化」に導く、とてもいい仕掛けですよね(*^^)v。

 

既成概念を打ち破ると新たなビジネスが生まれる

 この2つの事例に共通することは、基礎より先に「まずは1曲演奏できるようになる」ことを優先させた『発想の転換』です。確かにその後の上達を目指すなら、最初から基礎をみっちりやるに越したことはありませんが、せっかく楽器を楽しもうと始めても、基礎練習でイヤになる人が少なくないのもこれまた事実です。

 こうした発想は、業界の中に長く居れば居るほど「出てこなく」なってしまうもの。要は業界の慣習や常識にとらわれず、「既成概念」を外した発想でビジネスモデルを構築することが重要なのです。それこそが今の時代に求められる「顧客目線の商品開発=マーケットアウトの発想」です(*^^)v。

 さらに言えば、人間は、楽しいことは「もっとやりたい」と自然に思う生き物ですから、最初に「1曲演奏できた!」という達成感をインパクトを持って与えることで、その快感がクセになり、「もっと練習したい」と、自然なかたちでヘビーユーザーになってくれる可能性もあるわけです。ぜひこの事例を参考に、あなたのビジネスをよりブラッシュアップしてみてください(@^^)/~~~。

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