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ウィーンの人気紅茶店が六本木にアジア1号店出店
コーヒーに押され、なかなか日本には定着してこなかった「紅茶」文化が、このところ注目され始めているようです。オーストリア・ウィーンで人気が高い紅茶の物販専門店「デンメアティーハウス」が、今月(2008年8月)六本木にアジア1号店をオープンしました。おしゃれな店内には、ストロベリーやオレンジなどのドライフルーツを使用したフルーツティーを中心に、約70種類の茶葉を用意しており、カフェは併設されていませんが、試飲はできるようです。
同店は、オーストリアにあるデンメア社が1980年に創設。ウィーンなどに23店舗を出店しているほか、老舗ホテルや高級食料品店などに卸販売をしています。日本での展開は、『株式会社トリニファイ』とライセンス契約を結んで行い、今後は「大阪や札幌など主要都市に1店舗ずつ出店を目指す」ようです。1~2年以内には、紅茶と焼き菓子などを提供するカフェも併設していく方針なのだとか。
一方、茶葉の輸入・販売を手がける『株式会社ルピシア』でも、今年度(2009年6月期)末までに、百貨店などに紅茶専門店を20店舗ほど出店する計画だとか。これは、前年の出店数6店舗を大きく上回るスピードで、今年中には全国で100店舗を超える見通しだそうです。さらには、レストランやカフェなど外食産業向けにオリジナル商品の開発・製造にも力を入れていく意気込みです。
紅茶ビジネスは“主流”の座を狙えるか
「富士経済」の調べによると、外食産業への卸販売も含めた2007年の市販・加工用の紅茶の販売量は、前年比 1.4%増の1万4000トンの見込み。2012年には2007年比5%増の1万4700トンを予測していて、紅茶ビジネスは今後じわじわと広がる兆しです。
フレッシュネスバーガーを展開する『株式会社フレッシュネス』でも、 2008年の8月から「オーガニックティー」の販売を始めました。紅茶ビジネスが「オーガニック」などのキーワードを軸に展開されていけば、巷に広がる「健康志向」ともマッチして、ライバルのコーヒーを抑えて“主流”の座を狙えるかもしれません。
かつて、「スターバックス」がそのブランド戦略をもって、シアトルスタイルのカフェ・ブームを作ったように、紅茶文化が日本に完全に定着するには、「紅茶を飲む自分がちょっと素敵」と思えるしかけが必要なのです。
そういえば、人気ドラマで今年映画化もされた「相棒」の主人公である杉下右京警部は、大の紅茶好きですよね。彼の紅茶に対するうんちくはたいしたものです。そんな紅茶にまつわるうんちくを、サイトなどでどんどん公開していけば、中年男性の紅茶ファンも、もっと増えるかもしれませんね(*^^)v
コーヒーが“紅茶”に代わると…
今回、こうして「紅茶」の話題を取り上げたのは、「コーヒーが勝つか紅茶が勝つか」ということではありません、紅茶がひとつの「文化」として日本に根付くことで、日本人のライフスタイルにも多大なる影響力を持つことになる、経営者であるならいち早くそのトレンドを掴むべきだということです。
たかが飲み物なれど、成熟した消費社会では、「コーヒーを選ぶか紅茶を選ぶか」によって、テーブルウェアなどの雑貨はもちろんのこと、ファッションにまでその影響が及ぶ可能性があります。シアトルスタイルのカフェにはTシャツとジーンズが似合っても、紅茶専門店には、英国紳士を多少意識したスタイルで行きたいですよね(*^_^*)
また、発想を変えれば、「紅茶」を集客の目玉に据えることも可能でしょう。飲食店などでは、メニューに載せる紅茶の種類を増やしておくことはもちろん、「プロに学ぶおいしい紅茶の入れ方」などと、ティーパーティー形式のイベントを開くのもアリですよね。
ワイン同様、紅茶に詳しいことがステイタスになる時代も、そう遠くないかもしれません。賢い経営者なら、今のうちから「紅茶」をキーワードに、シフトチェンジを図ってみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~