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今日は何の日?
最近、やたらと「今日は◎◎の日」といったフレーズを聞きませんか? ちなみに今月でいうと、8月3日は「はさみの日」、8月4日は「箸の日」、8月6日は「ハムの日」、8月7日は「バナナの日」…と語呂合わせによる記念日が続きます。その他にも毎月29日は肉(ニク)の日、7月10日は「納豆の日」などがありますが、これらの記念日はお金を払って登録することができるってご存じでしたか?
日本記念日協会では、記念日文化の発展を願い、従来からある記念日はもちろん、新たに誕生した記念日についても登録制度を実施しています。記念日を登録したい場合は、記念日の名称・日付・由来などの必要事項を、所定の申請書に書いて申し込みます。協会側の審査をパスすれば、1件73,500円(税込み)の登録料で、記念日を新たに登録することができるのです。なお、プラス31,500円で額入りの「記念日登録証」が発行してもらえます。また、同じ記念日を年に2~4回まで登録したいとき(四季ごとになど)は、1件147,500円、5回以上登録されるとき(毎月など)は、1件 220,500円がかかりますが、審査費用や更新料などは一切かかりません。無事登録されると、同協会のホームページで紹介してもらえるようです。
永谷園が決めた「生姜の日」
記念日といえば、これまでは、業界団体などの登録が多かったようですが、ここ最近では、一企業が申請するケースも出てきているみたいです。ちなみに、6月15日は「生姜(ショウガ)の日」ですが、これは永谷園が登録したものです。
同社は、体を温める効果があるとされる生姜の研究や関連商品の開発を続けていましたが、2007年には社内横断的な研究組織である「生姜部」を立ち上げ、記念日の周知につなげたい考えだそうです。ちなみに、生姜の古名である「はじかみ」を名のる金沢市の「波自加弥(はじかみ)神社」の祭りが6月15日に行われることから、記念日に選んだのだとか。
また、2007年には、女性の冷え体質に着目した商品「冷え知らずさん」シリーズを発売していますが、この度「生姜部」の活動から生まれたチルド飲料「燃えろ生姜!生姜黒酢」を発売し、「しょうがの知恵ラインナップ」を充実させています。
「CDショップ大賞」制定!? 現場の声を「大賞」に
一方、ここ数年で有名になった「本屋大賞」はご存じでしょうか? 本が売れない時代に「売り場からベストセラーをつくる!」べく制定されたもので、書店員の投票だけで選ばれる賞なのです。2006年の大賞はリリー・フランキーさんの『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』でしたが、この作品がその後ドラマや映画にまで発展したのは、記憶に新しいことでしょう。この本屋大賞に続き、今年(2009年)「CDショップ大賞」が制定されました。日本レコード協会によると、昨年のCD生産金額は約2900億円で、 10年前に比べると、約2600億円も減少しているのだそうです。
もちろんネットの音楽配信による影響もあるでしょうが、「売り方」に対して現場は不満を抱えていると言います。つまり、「売れるものだけを売る」という姿勢への反発です。CDショップの現場には、根っからの音楽ファンが多いですから「自分たちが聴いて、本当にいいと思った作品を薦めたい」と考えているのです。
こうした動きは各方面に広がっていて、昨年(2008年)3月には書店員の有志により「マンガ大賞」が始まり、今年の4月上旬には、全国の映画館スタッフが選ぶ「映画館大賞」が制定されました。こんなふうに、今後も続々と「◎◎大賞」が増えていくような気がします。
これってお金のかからない広告手法!?
このところの不景気で、広告宣伝費を削減している企業も多いと思いますが、考えてみれば、これら「◎◎記念日」も「▲▲賞」も、これを話題づくりのきっかけにするという点では、ほとんどお金のかからない広告手法です。
現に、いくつかのマスメディアでも取り上げていますから、それなりの宣伝効果はあったのではないでしょうか。
記念日の場合は、団体や企業のほか「個人」でも申請ができ、1件73,500円と登録料も比較的安いですから、中小規模の会社でも可能だと思います。「大賞の場合は」一企業だけでは難しいかもしれませんが、業界全体で力を合わせ、業界の底上げ的に取り組むにはおもしろいと思いますよ。要は、企画力と発想力です。あなたの会社や業界に、「記念日」や「大賞」を制定するとしたら、どんなアイディアがありますか? ぜひ楽しみながら、あれこれと発想してみてください(@^^)/~~~