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不況に強い「趣味マーケット」
たとえば、「鉄っちゃん」と呼ばれる鉄道ファンの例を見てみましょう。野村総合研究所の調査によると、時間やお金を惜しまないコアな鉄道ファンは全国に約2万人ほどおり、その市場規模は約40億円にのぼるといいます。隠れファン層まで入れると、「数十万人規模」という見方もあり、相当な規模になっているのですが、今、このマーケットを狙って各業界がしのぎを削っているのをご存じでしょうか?
「電車フェスタ」などのイベントを開けば、1万人を超す人が集まり、電車の部品やグッズなどが飛ぶように売れるみたいです(@_@;) また、出版界では、国内初の正確な縮尺の路線図「日本鉄道旅行地図帳」が、シリーズで140万部のヒットを飛ばしています。しかし、こうした鉄道ファン向けの『趣味マーケット』は、イベント・物販だけに留まらないのです。
大学の講座やホテルプランも続々…
東京都新宿区の工学院大学では、今年(2009年)から社会人向けの講座「鉄道シリーズ」を始めました。大学教授や専門家など一流どころの講師陣が、車両やダイヤ、安全システムなどについて2年をかけて教えてくれるのだそうです。
「鉄道と車両」「鉄道路線」「列車ダイヤと運行管理」「海外の鉄道」などの講座が設けられていて、各講座は1回90分で、受講料は2000円ほど。平日の夜に隔週で開かれるそうです。
また、JR川崎駅近くの川崎日航ホテルでは、「電車の見える部屋プラン」(眼下に行き交う東海道線や京浜東北線が観察できる)を売り出し、人気を集めています。同ホテルによると、金融危機の影響で、2008年から会社員らの出張が減り始めたことから、苦肉の策として目を付けたのが飛行機のライバルである鉄道なのだとか。鉄道ファンにあやかりたいと始めたこのプランの好評ぶりを受け、今や全国的に「電車が見える部屋プラン」を展開するホテルが拡がっています。
この部屋からの映像などがネットに公開されれば、あっと言う間に鉄道ファンの間に情報が伝わるのではないでしょうか…。ホテルの集客率アップに相当貢献しそうです(*^^)v
『趣味マーケット』を後押しする情報化社会
こんなふうに、『趣味マーケット』が好調な背景には、インターネットの発達が大きく関係しています。情報化社会が進化したことで、昔と比べてコアな愛好家が集まりやすい環境にあるわけです。
私の知人でも「ポイ」(ジャグリングの一種)という、マイナーな趣味を持つ人がいるのですが、彼が当時「ポイ」に興味を持った時には、全国の愛好者は 300人程度しかいなかったそうです。それがしだいに3,000人にまで広がると、小さな島に集まって全国大会を開くようになったのだとか。広がった背景には、ネットの存在が欠かせません。ネット検索してもらうとわかると思いますが、自分たちのパフォーマンスの動画などに数多くヒットしますから…。
うちの会社のスタッフに聞いても、「ポイ」を知る人はほとんどいませんでしたが、こんなマイナーな趣味でさえ、全国規模で集めることができれば、意外と手堅いマーケットになるのです。
考えてみれば、日本国内の300人に1人の愛好者を集めることができれば、そこには40万人規模のマーケットができるということです。これは、無視できない数字ですよね。 こんな時代だからこそ、今、この『趣味マーケット』に着目すべきではないでしょうか。ぜひ、参考にしてください(@^^)/~~~