今、多くのネットショップが苦境に立たされていると聞きますが、ちょっとしたアイデアで、ユーザーから支持されているショップもあります。今回は、「プチギフト」&「おねだり機能」 というユニークな事例を取上げ、進化するネット販売について考えてみたいと思います。
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思い立ったが吉日 思いを届ける「プチギフト」
日常生活の中で、みなさんも「ちょっとしたお礼」をしたいなと思うシーンがあると思います。ひと昔前なら百貨店から菓子折りのひとつも……といったところでしょうが、そこまで仰々しいのもどうかな?と感じる時などに、ぴったりなギフトの方法があるのをご存じでしょうか? それが株式会社メールdeギフトが提案している「プチギフト」です。
「プチギフト」では、サイトに相手のメールアドレスを入力すれば、相手に「◎◎さんからこんなギフトがきました」といったメールが届く仕組みになっていて、それを受け取りたい場合には、自分の住所を入力するとその品物が届けられるというわけです。今どきの人間関係を、見事にマーケティングに生かしているビジネスだと思いませんか? 今や友達と言っても、相手のアドレスしか知らないなんてことは普通にありますし、個人情報保護法の施行以来、名簿が配られることはほぼなくなりました。いちいち住所を聞くのもめんどうなので、相手のアドレスだけで、思い立ったらプレゼントが贈れるという手軽さはいいですよね。なおかつ「当日」でも間に合うそうですから、このあたりも、時代のスピード感覚にマッチしていると思います(*^^)v
コンバージョン率79%!? 「おねだり機能」のキキメ
もうひとつおもしろいのが、「おねだり機能」を付けた下着メーカー「トリンプ」の通販サイトです。こちらは、女性が自分で選んだ商品を、男性におねだりできる仕組みです。相手のアドレスをサイトに入力すると、トリンプから「◎◎さんからおねだりされています」みたいなメールが届きます。そこでカードで決済すると、女性のもとにトリンプから下着が届くわけです。もちろん、いやなら「却下」もできるのですが、なんと!79%の男性が「おねだり」を聞き入れているそうですよ(*^_^*)。
それにしても、驚異的なコンバージョン率ですよね! その陰には、巧みなしかけが隠されていて、サイトにあるおねだり機能の説明図には、クレジットカード払いのあとに「Happy!(ハート)」と書かれていて、女性に買ってあげれば、何だか楽しいことが待っているかのような期待を誘います(笑)。検証はしていませんが、きっと男性に送られてくるメールの文章などにも相当こだわっているはず。「その気」にさせる作戦に、太刀打ちできる男性は少ないということなのかもしれません。
ちょっとした人間心理がわかれば販売は進化する!
消費不況と言われる中でも、人間のちょっとした心理がわかれば、ネット販売を進化させることができるのです。特に、このおねだりギフト市場、これからもっと増えそうな予感がします。たとえば、ホワイトデーのお返しや、クリスマスプレゼントなどにも、この仕組みはかなり有効ですよね。
男性としても、ヘタなプレゼントをして自分の評価を落とすなら、相手から「おねだり」されたほうが、よっぽど楽かもしれませんし(笑)。
ご存じのとおり、「バレンタイン市場」や「自分にご褒美市場」など、しかけられた市場はこれまでにもたくさんありました。結局、商品を買う理由さえ生み出せれば、新しい市場を掘り起こせるというわけです!(^^)!。
たとえば、あなたの会社の商品やサービスはギフトにならないか、もしそれを誰かにあげるとしたら、びっくりするような方法は無いか……などと、あれこれ楽しみながら考えてみてください。ちなみに、私はこれを「ギフト思考」と呼んでいますが、この「ギフト思考」、もしかしたら不況を脱出するすご~い起爆剤になるかもしれませんよ(*^^)/~~。