消費不況が叫ばれる中、どの業界でも「集客」が大きなテーマになっています。とりわけ、物欲が薄くなっていると言われる若い世代をどうやって動かせばいいのか……。そこで注目を集めているのが携帯サイトのゲーム。今、もっとも効果のある集客術は、どれも「面白さ」がキーになっています。成功事例に学びながら、“今どき”の集客センスを身につけましょう。
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「位置ゲー」が地方のお土産屋さんを救う!?
今、「位置ゲー」と呼ばれる、携帯サイトを使ったゲームが熱いのをご存じでしょうか？ 「位置ゲー」とは、全地球測位システム（GPS）を使った「位置ゲーム」のことで、地図情報サービスのマピオンが運営する「ケータイ国盗り合戦」は、かなり有名ですね。出張族の中には、このゲームにハマッている人が多いと聞きます。
しかし、「位置ゲー」はただの遊びに留まりません。最近では、このゲームが「集客ツール」として大活躍しているのです。同名の「位置ゲー」を運営する「コロプラ」では、ゲームと店舗との提携を勧めていて、ゲームユーザーたちの間では、買い物することで得られる通常では手に入らない「レアアイテム」を求めて、わざわざ地方まで買い物に出かける、なんてことが、普通に行われているみたいです。ちなみに「コロプラ」とは、仮想通貨の「プラ」でアイテムを買い集め、自分のコロニー（居住地）の人口が増えるのを楽しむというゲームです。さらに移動先でしか買えない仮想「お土産」を集めて別の参加者と交換したり、近くに滞在する参加者と交信できたりするという仕掛けが、ウケにウケています。
しかも、このレアアイテムは、ゲーム内で仮想通貨を使って高値で売買されることもあるため、交通費をかけてまで、わざわざ買い物に出かける……なんて現象が起きているわけです。それに対する賛否はともかく、GPSと店舗情報を上手にリンクさせることで、ネット社会の住人を、リアル社会へ連れ出すことができるわけですね。
ちなみに提携店舗は、買い物をした利用者にコロカカードというものを渡します。カードにはシリアル番号があり、それを入力するとコロプラ内で買い物ができます。コロカカードは金額の20％を、集客の謝礼として運営会社に支払う仕組みになっているため、初期費用や固定費用はかからないみたいです。これって、格安ツアーに組み込まれている、お土産屋さんと旅行代理店の関係と同じ図式です。今後は、「位置ゲー」が地方のお土産屋さんの経営危機を救ったなんていう事例が、どんどん誕生するんじゃないでしょうか(*^_^*)。
ネットとリアルが「ゲーム」でつながった！
一方、携帯ゲームでは「釣りゲーム」もかなり人気があります。そこに目をつけたマルハニチロ水産グループが、これまた面白い仕掛けをしました。「鹿児島カンパチ釣り天国」というゲームをつくって、このゲームで「カンパチ」を釣り上げて、サイトに住所・氏名などを記入すると、3枚におろした本物の「カンパチ」が無料で届くというキャンペーンを仕掛けたのです（このキャンペーンはすでに終了しています）。
同社は2009年末に、養殖魚を「よかとと」ブランドに統一し、鹿児島の養殖場で育てたカンパチは「薩摩カンパチどん」と名付けて販促活動に懸命なのですが、鹿児島県漁業協同組合連合会と共同で、鹿児島養殖カンパチのブランド構築に向けてのこのゲームを企画したようです。ネーミングはともかく(笑)、ネットとリアルをみごとにつないだこの戦略はかなりのセンスです(*^^)v。ゲームのほかにも携帯サイトでは、カンパチの栄養価や料理レシピなども公開し、情報発信を積極的に行なっていました。
“面白い”がリアルに人を動かす時代
それにしても、今どきの人たちをリアルに“動かす”には、やっぱり「ゲーム」なんだ……ってことですよね。特に最近の若い世代は、長い文章を読まない傾向がどんどん強くなっていて、寂しい限りですが、本はもとより、サイト上の長い文章なんかも読まれなくなっているみたいです。
つまり、すでに「文章による説得の時代」は終わったのです。これからの時代は、“面白い”という感覚を刺激できた企業や個人が、リアルに人を動かす時代になってくるでしょう。
こうなるともう「感性」の勝負です！ 経営者も、理論・理屈にとらわれることなく、もっと感覚的な経営をしていくべきなのかもしれませんが、中でも「ネットとリアルをつなぐと面白い」という感覚だけは、とことん磨いておきたいものです。経営者が、「どうしたら人が動くか、集まるか」をわかっていないことには、会社の未来はありません。今回紹介した事例を参考に、ぜひ自社のマーケティングを“新感覚”で見直してみてください(@^^)/~~~。
