経営戦略 Vol.64 素人写真が売れる!? コンテンツの価値を変えた「ストックフォト」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

 今や、プロとアマチュアの垣根が、しだいになくなってきているようです。「ストックフォト」と呼ばれる写真販売サイトの登場以来、中には月に40万円以上稼ぐアマチュアカメラマンもいるのだとか。コンテンツの新しい価値をネット活用によって生みだした好事例として、またビジネスモデルを発想するためのヒントとして、注目してみましょう。

 

“素人写真”をお金に換える写真販売サイト登場

撮影イメージ1 今や、デジカメ主流の時代。現像が必要なフィルム式のカメラと違い、撮るだけならお金はかかりませんから、昨今では個人ベースでも、相当数の画像データを保有していると思います。そんな時代背景の変化を敏感に察知し、蓄積データの「出口」を提供するサービスが多く出現してきました。たとえば「Webアルバムサービス」や「フォトブック」を手軽につくれるサービスなどがそうですが、「デジタルフォトフレーム」などのグッズも、同様にこのマーケットを狙ったものですね。
そんな中、自宅のパソコンやメモリー媒体にただ蓄積されていた「素人写真」を、お金に換えるサービスが出現しているのをご存じでしょうか? これまでも、雑誌や広告、あるいはホームページなどに使われそうなシチュエーション写真の素材をあらかじめ用意し、ユーザーが使用料を払ってダウンロードする「ストックフォト」と呼ばれるサービスはありましたが、プロのカメラマンが撮影した写真を扱うサイトが主流でした。しかし、「PIXTA(ピクスタ)」は、プロ・アマ問わず投稿ができ、現在5万人以上の素材提供者を抱えているようです。自分の提供した写真が売れたら、販売価格の34~60%をロイヤリティとして受け取れる仕組みになっているので、アマチュアなれど約5000枚もの画像を登録し、月に40万円ほど稼ぐつわものもいるみたいですよ(@_@;)

 

デジタル化とネットがカメラマンの仕事を変えた

 「PIXTA」では、販売用素材の登録の前に「PIXTA入門」を受ける決まりになっていて、入門講座全11ページを読み、入門テストに全問正解して、はじめて画像がアップロードできる仕組みになっています。また、「PIXTA」以外にも、「フォトライブラリー」や、海外発の「Fotolia」などが、アマチュアの投稿を許していますが、いずれにしても、こうしたサービスの登場が「プロカメラマン」という仕事の概念を180度変えてしまったのは事実です。
 ご存じのように、これまでプロと呼ばれるカメラマンは、雑誌社や広告会社などが「◎◎を撮ってください」とオーダーして初めてシャッターを押す、という仕事のスタイルでした。やがて写真がデジタル化し、しかも手軽にネットで販売できるような環境が整った今では、オーダーを受けてもいないのに、先に「ニーズがありそうな」写真を撮り、その読みがピタリと当たればロイヤリティが受け取れるという仕事のスタイルが生まれました。頼まれてもいないのに勝手に撮るわけですから、見方を変えれば、プロとアマチュアの垣根がなくなったともいえますし、この風潮をよしとしない向きもあるでしょう。しかし、大局的に見るとこの流れは止めようがなく、イラストや動画なども含めた、いわゆる「クリエーター」と呼ばれる業界全体に、“プロ・アマ・ボーダレス傾向”が見られるようになりました。

 

どこに「時代のニーズ」があるかを見極めよ!

撮影イメージ2 では、いったいどんな人たちが、ネットから写真素材を買っているのでしょうか? じつは近年、企業が運営するサイトやブログなどに「ちょっとした写真が必要」になるケースが多く、また、「ビジュアル重視」の世の中になったことで、プレゼンの資料づくりなどにも、多くの画像が必要となり、本番ではプロのカメラマンに撮影を依頼するとしても、準備段階にあまり予算が使えないので、企業担当者がこうしたサイトからイメージに合う写真を選んで使っているケースも多いと聞きます。
そこには、潜在的なマーケットが確実に存在するわけです。
一方、主婦の間では子どもの写真を日常的に撮影したり、自分のつくった料理やお弁当の写真を毎日撮りためている人も多いので、「それが少しでも家計の足しになるなら、願ったり叶ったり」というニーズもあるようです。つまり、インターネットの登場で、こうした両者のマッチングがカンタンにできるようになったわけで、その両者のニーズを結びつけようと思いついた「写真販売サイト」というビジネスモデルが、本来なら家に眠っているだけだったデータの価値をガラリと変えてしまったということです。要は「時代のニーズ」の読み方しだいで、眠っているコンテンツがお金に換わる可能性があるということです。もしかしたら、あなたの会社に眠るコンテンツからも、多大な価値を発生させられるかもしれませんよ。この事例を参考に、楽しくアイディアを考えてみてください(@^^)/~~~

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