経営戦略 Vol.68 「方言」にトキメク人急増中!? 「方言」をマーケティングに活かす

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

 今、「方言」が俄然注目を集めているのをご存じでしょうか? かつては標準語に対する「なまり」として、むしろ地方出身者の弱点と捉えられていた方言ですが、ドラマCD「方言恋愛」が人気を呼んでいたり、ダイドードリンコが「ご当地自販機」を5つの方言で展開したりと、方言はマーケティグの切り口としてかなり有望視されているのです。ビジネスにおける「方言」の持つ可能性を考えてみましょう。

 

「方言」にトキメク人、急増中!

田舎イメージ1 かつてこのコラムでも、東北新幹線の車内で山形弁をしゃべりながらワゴンを引くカリスマ販売員の話題に触れたことがあります(Vol.49「ミルクはつけっぺか?」で売上2倍。カリスマ販売員に学べ。) これまで公共の場では「標準語」を使うのが常識とされていましたが、彼女は「コーヒーはあったかいのど、つったいの、どっちがいいべ? ミルクはつけっぺか?」といった言葉をかけながらワゴンを引き売りすることによって、通常の約2倍もの売上げを上げているのです。
どうやら今、全国的に方言にキュンと胸をときめかせる「方言フェチ」が急増中のようなのです。その一例として、小さなラブストーリーを声優らが方言で演ずるドラマCDの「方言恋愛」や「方言男子」が人気を集めています。一方書籍では「乙女心狙い撃ち!胸キュン★方言男子コレクション」の品薄状態が続き、テレビでは「方言彼女。」などという番組が制作されるような状況です。今まで弱点として捉えられて来たことが、真逆に触れていることに、ぜひ注目してほしいと思います。

 

自販機が方言をしゃべる!? 「ご当地自販機」誕生

 自販機大手のダイドードリンコは、ユーザーがドリンクを買う時に、名古屋弁、博多弁、広島弁、津軽弁などの音声が流れる「ご当地自販機」を全国的に展開する計画です。このことは、方言にトキメク層の変化と深く関係しています。
当初、方言人気は男子中心のものだと思われてきました。いわゆる「方言萌え」といったトレンドのことです。ところがここへ来て、最近は方言にキュンとする女性たちが急増し、自ら「方言フェチ」を告白するケースも少なくないことが明るみに出てきたのです。先のドラマCD「方言恋愛」には、香川県の支社に勤務する商社マンが東京から転勤してきた部下の女性に声をかけるシーンが登場します。「なんやおまえ、まだ残業しよったんか。ほら、あと少しなんやろ。はよ終わらせて、メシ行くで」…こんなセリフにキュンとする女子が増えているわけです。
これまでは地方出身者のコンプレックスのようにネガティブに扱われていた「方言」が、一転してチャームポイントになるとは、なんともおもしろい現象ですよね(*^^)v とりわけ女性たちの心を動かしているとなれば、もう「方言」をマーケティングに使わない手はありません。

 

つながりを求める時代のマーケティング戦略

田舎イメージ2 では今どきの人たちは、方言のどこに魅力を感じているのでしょうか? 一番の魅力は飾らない素朴さと人間らしい温かみでしょう。ネット社会の誕生以来、人と人の繋がり方が大きく変化していることはみなさん感じているでしょうが、とりわけmixiやFacebookなどのSNSとは「その人らしさ」が重視された「パーソナルコミュニケーション」社会です。背景にそうした文化があってこその方言人気でないでしょうか。
 そう考えると、日本には、各地域に多種多様の方言が存在し、そのバリエーションは尽きないわけですから、マーケティング戦略に上手に活かしていくべきなのです。たとえば、その地方出身者だけをセグメントして、わざわざ方言を使って制作したCM動画を配信するとか、ダイレクトメールやe-mailにも方言を使ってみるとか、あるいはその地方を訪れた観光客向けに方言をレクチャーする講座をつくり、ツアーの売りにするとか…。方言をもっともっと活かす手法はたくさんありそうですよね。あなたならこの「方言人気」にどうキャッチアップするでしょうか? ぜひ、既成概念を外して発想を拡げてみてください(@^^)/~~~

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